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光に選ばれし人形!の巻!


   **


「愛しているぜベイビー!」


 殺人人形チャッピーは、愛するジェニファーを口説いていた。


 ジェニファーも人形に命が宿った魔物である。ハロウィンには間があるのに、チャッピーとジェニファーは一足早く現世に現れていた。


 月明かりの下、夜の公園のベンチで語らう二人。ムードは悪くないが、話題が問題だ。


「ガキができたら、世界一の殺人人形に育てあげるぜ!」


 チャッピーは夢を語った。殺人人形チャッピーは、息子が産まれたら自身の後継者として育てあげると。


「冗談じゃないわ!」


 甘いムードから覚めたジェニファーは激高した。ジェニファーは娘が産まれたら一流高に入学させ、自分とは違うロイヤルレディの道を歩ませたいと思っていた。


「ファー×ク! お前、何を考えてる! 頭おかしいんじゃねえのか?」


「キイイイイ!」


 ぶちギレしたジェニファーは、チャッピーの前髪をひっつかむと、顔面へパンチの嵐をお見舞いした。


「ぶへ、ぶほ、ぶぎぃ……」


 殴られて顔を腫らしまくり、鼻血を流し、歯もへし折られたチャッピー(※人形です)。


 やはり殺人人形としての因果応報だろうが、少々哀れだ。


「ふん! あなたとはこれまでね!」


 ジェニファーはベンチから降りて立ち去ろうとする。だがチャッピーが面白いわけがない。可愛らしい?人形に見えても、チャッピーはハロウィンの夜が誇る妖魔四天王の一体だ。


「フ×ーック……!」


 チャッピーは愛用のナイフを抜いた。その光景は、ハロウィンの夜の悪夢さながらだ。


「やってくれたな、ベイビー!」


 チャッピーの殺意にジェニファーは足がすくんで動けなくなってしまった。気の強い悪女人形たるジェニファーだが、チャッピーに比べればまだまだ可愛い魔物なのだ。


「だ、誰か助け……!」


 悲鳴を上げるジェニファー。


 ナイフを手にして襲いかかるチャッピー。


 その時、信じられない事が起きた。


 ――ちゅいーん


 横合いから一体の人形パペットが飛び出し、チャッピーに頭突きをかましたのだ。


 しかも、その人形の頭部はドリルとなっている。回転するドリルの刃を横っ腹に受けて、チャッピーは悲鳴と共に吹っ飛んだ。


「ギャース! な、なんだてめえらは!」


 起き上がったチャッピーは見た。


 月明かりに照らされた複数の人形パペットを。


「ゲェーッ! お、お前たちはあーっ!」


 驚愕するチャッピーへ、二体目の人形が攻めこんだ。両手だけは人間の女性並に大きいが、顔がやたらと小さい人形だ。


 その人形の強烈なパンチを受けて、チャッピーは後方へ吹っ飛んだ。


「た、助けて!」


 ジェニファーは人形パペットの一団に駆け寄り、黒ずくめのコートをまとった一体の腕に抱きついた。あざとい、実にあざとい。


「久しぶりだな、チャッピー」


 黒コートのパペットは、フックになった左手で、帽子のつばを押し上げた。帽子の下には髑髏に似た顔があった。


 彼らはチャッピーと長きに渡って対立していた人形パペットたちだ。


 黒コートのパペット「ブレイド」はジェニファーを背へ回し、自身は一歩前に出た。ブレイドの右手は、鋭利なブレイドだった。


「ハロウィンの前に、綺麗サッパリ消滅させてやる」


 ブレイドの全身に闘志が満ちた。ブレイドを始めとした人形パペットたちは、魔物でありながら人間を守る存在だった。


 罪の世界に生きてきた者が、天から使命を与えられる……


 人それを「召命しょうめい」と言う。


「ギャース! 今日こそ決着つけてやるぜえーい!」


 チャッピーはナイフを握って、夜空へ飛び上がった。


 ブレイドもまた、右手のブレイドを閃かせて、チャッピーに飛びかかる。


 両者の刃が激突し、夜の闇に閃いた。


 ブレイドとチャッピー、光と闇、秩序コスモ混沌カオスの戦いは続く――

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