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永遠の形!の巻!



   **



 人間世界で開催された「五輪」――


 賛否両論あろうとも、世界中で数億人の人間が意識を五輪に向けた。


 いわば、世界中の人間が心を一つにしたのだ。


「――この感動こそ『永遠の形』だ」


 完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人、正義マンは世界が動くのを感じた。


 世界中の人々の心が一つになっていく、それは奇跡にも等しい感動だ。


「有限生命体も見上げたもの」


 正義マンは口元に笑みを浮かべた。彼が笑うというだけでも大変なことだ。


 なぜならば正義マンは完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人だ。


 また市場経済における「神の見えざる手」を司る守護者ガーディアンなのだから。


 守護者ガーディアンは概念と存在の意義を守る。


 正義マンは「ザ・漢」率いる完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人として、人類を見守ってきた。


“――だが、この程度では”


 巨龍エブレスは正義マンの傍らに身を横たえていた。


 この星に等しい力を持つ「平衡の守護者ガーディアン」エブレス。


 この超越の存在にかかれば、人類は一日にして滅亡するだろう。


 そのエブレスの裁きは(現時点では)有罪ギルティであった。


「待たれよ」


 正義マンはエブレスを制する。彼の持つ「裁きの天秤」は均衡を保っていた。


「まだ答えは出ていない」


 正義マンは務めて冷静に告げた。彼の持つ「裁きの天秤」は、人の心を測る。


 秩序コスモか、混沌カオスか。


 有罪ギルティ無罪ノットギルティか、まだ答えは出ていないのだ。


「あの者たちならば……」


 正義マンの認める超人ならば――


 人知を超えた力を有し世の経済を司る商人しょうじんならば、人類の未来を変えられるかもしれない。



   **



 百八の魔星の守護神「托塔天王」チョウガイ。


 百八の魔星の軍師、天機星「知多星」ゴヨウ。


 チョウガイには妹と恋人の魂が側につき、ゴヨウはコーエンとリッキーの魂に導かれている。


 女性の魂に守られるチョウガイとゴヨウの戦い。


 二人の戦いは、人類の未来を切り拓くかもしれない。


「シャバババ~、両手に花だな」


 完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人、眼マンの単眼サイクロプスは、はるか彼方の宇宙の戦いをも見通していた。


 ソリを引くトナカイとして、はるか悠久の時からサンタクロースの従者を務める眼マン。


 彼もまた完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人だ。


「戦え、人間。思いを背負って戦え。男は女の思いに応えるためだけにでも戦え」


 ログハウスの庭から天空を見つめ、ニヤリとする眼マン。


 彼は他者に興味を持たないが、持った相手にはとことん尽くすタイプだ。


「ニャガニャガ~」


 精神マンはログハウスの庭にプールを造り、今はそこにホースで水を入れている。


「夏ですねえ、お庭をトロピカルにしちゃいましょう」


 精神マンは囚人風の水着に着替えていた。見出だした新境地は、精神サイコな彼にはよく似合う。


「ツアー!!」


 ログハウスの扉を破壊して、白銀マンが飛び出してきた。


 白銀シルバーな面の、屈強たる超人…… 彼こそがサンタクロースの正体である。


「どうしたー!?」


「サ、サンタさん!?」


 眼マンと精神マンは同時に目を見張った。


 白銀マンは臨戦態勢である。穏やかな顔にはフェイスガードが下り、その眼差しは怒りに満ちていた。


 夏だというのに遊びに行けない――


 そのストレスが白銀マンを混乱させているのだ。


「ま、待てー、サンタさん!」


 落ち着かせようとした眼マンを、白銀マンはビンタ一発で張り飛ばした。


「サンタさん、私の愛で正気に…… ニャガ!」


 白銀マンは必殺の「尊大なる閃光」で、精神マンをプールの底に沈めてしまった。


「ツアー!!」


 白銀マンは駆け出した。


 夏は狂気と活力に満ちている。


 白銀マンが目指すのは、バカップルあふれるプールサイドだ。

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