永遠の形!の巻!
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人間世界で開催された「五輪」――
賛否両論あろうとも、世界中で数億人の人間が意識を五輪に向けた。
いわば、世界中の人間が心を一つにしたのだ。
「――この感動こそ『永遠の形』だ」
完璧商人始祖の一人、正義マンは世界が動くのを感じた。
世界中の人々の心が一つになっていく、それは奇跡にも等しい感動だ。
「有限生命体も見上げたもの」
正義マンは口元に笑みを浮かべた。彼が笑うというだけでも大変なことだ。
なぜならば正義マンは完璧商人始祖の一人だ。
また市場経済における「神の見えざる手」を司る守護者なのだから。
守護者は概念と存在の意義を守る。
正義マンは「ザ・漢」率いる完璧商人始祖の一人として、人類を見守ってきた。
“――だが、この程度では”
巨龍エブレスは正義マンの傍らに身を横たえていた。
この星に等しい力を持つ「平衡の守護者」エブレス。
この超越の存在にかかれば、人類は一日にして滅亡するだろう。
そのエブレスの裁きは(現時点では)有罪であった。
「待たれよ」
正義マンはエブレスを制する。彼の持つ「裁きの天秤」は均衡を保っていた。
「まだ答えは出ていない」
正義マンは務めて冷静に告げた。彼の持つ「裁きの天秤」は、人の心を測る。
秩序か、混沌か。
有罪か無罪か、まだ答えは出ていないのだ。
「あの者たちならば……」
正義マンの認める超人ならば――
人知を超えた力を有し世の経済を司る商人ならば、人類の未来を変えられるかもしれない。
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百八の魔星の守護神「托塔天王」チョウガイ。
百八の魔星の軍師、天機星「知多星」ゴヨウ。
チョウガイには妹と恋人の魂が側につき、ゴヨウはコーエンとリッキーの魂に導かれている。
女性の魂に守られるチョウガイとゴヨウの戦い。
二人の戦いは、人類の未来を切り拓くかもしれない。
「シャバババ~、両手に花だな」
完璧商人始祖の一人、眼マンの単眼は、はるか彼方の宇宙の戦いをも見通していた。
ソリを引くトナカイとして、はるか悠久の時からサンタクロースの従者を務める眼マン。
彼もまた完璧商人始祖の一人だ。
「戦え、人間。思いを背負って戦え。男は女の思いに応えるためだけにでも戦え」
ログハウスの庭から天空を見つめ、ニヤリとする眼マン。
彼は他者に興味を持たないが、持った相手にはとことん尽くすタイプだ。
「ニャガニャガ~」
精神マンはログハウスの庭にプールを造り、今はそこにホースで水を入れている。
「夏ですねえ、お庭をトロピカルにしちゃいましょう」
精神マンは囚人風の水着に着替えていた。見出だした新境地は、精神な彼にはよく似合う。
「ツアー!!」
ログハウスの扉を破壊して、白銀マンが飛び出してきた。
白銀な面の、屈強たる超人…… 彼こそがサンタクロースの正体である。
「どうしたー!?」
「サ、サンタさん!?」
眼マンと精神マンは同時に目を見張った。
白銀マンは臨戦態勢である。穏やかな顔にはフェイスガードが下り、その眼差しは怒りに満ちていた。
夏だというのに遊びに行けない――
そのストレスが白銀マンを混乱させているのだ。
「ま、待てー、サンタさん!」
落ち着かせようとした眼マンを、白銀マンはビンタ一発で張り飛ばした。
「サンタさん、私の愛で正気に…… ニャガ!」
白銀マンは必殺の「尊大なる閃光」で、精神マンをプールの底に沈めてしまった。
「ツアー!!」
白銀マンは駆け出した。
夏は狂気と活力に満ちている。
白銀マンが目指すのは、バカップルあふれるプールサイドだ。




