死闘レディー・ハロウィーン!の巻!
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世界は変わる。人の意識も変わる。
病魔の真実、それはわからない。
だが、その災禍の起きる前年に亡くなった者、彼らは未来を守るためにあえて肉体を捨てたのである。
大いなる意思に導かれた人々の魂は、今また子孫を導くために活動している。
ある超人は言った。人々の声援が、自分の最後の武器だと。
人間の最後の武器は、魂に宿る思いだ。
人類の未来のために、何をするのか、何のために死ぬのか。
それは全ての人類に、平等に問われている。
御先祖に導かれた先の光を見れるか否か、それは自分自身との戦いの後で見える光景だ。
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レオタード姿のローレンはロングブーツ、そして魔力を帯びたコートを身につけた。
そして左手には、先祖より受け継いだ神秘の鎖「ラグナロク」を握っていた。
ハロウィンの夜に現れる無数の魔物から人々を守ってきた「レディー・ハロウィーン」……
某吸血鬼ハンターの一族にも劣らない力と共に、ローレンは混沌の亜空間へ飛び込んだ。
そこは洞穴であった。篝火に浮かび上がるのは、床几に腰かけた鎧武者だ。
この混沌の空間に囚われた魂であった。この鎧武者は何者なのか。
その洞穴へ姿を見せたのは、美しく勇ましいローレンである。
「ーー何しに参ったか」
鎧武者はローレンに問う。
「観光旅行よ、混沌巡りのね」
ローレンはラグナロクを構えた。普段とは違う迫力、そして脚線美。
鎧武者は立ち上がり、腰の愛刀を抜いた。
「その出で立ち、古のレディー・ハロウィーンとお見受けした…… 宮本武蔵玄信、お相手いたす!」
鎧武者は白刃を振りかざして、ローレンに迫った。
ローレンもラグナロクを振るって迎え撃った。
刃と鎖が激突し、火花が散る。
秩序と混沌の戦いはーー
人類の未来を守る戦いは続く。




