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堕ちた白衣の天使!の巻!①



   **



 レディー・ハロウィーンのローレンの戦いは続く。


 亜空間に現れた混沌カオスの城ーー


 寒村には不似合いな勇壮な城へただ一人乗り込むと、ローレンは散々に暴れ回った。


「来たわよ!」


 魔女のコスプレをしたローレンは、ホウキに乗って城に突撃した。


 その後は魔力で自分と寸分違わぬ分身(次元反転法)を造り出すと、二人で混沌カオスの尖兵を片っ端から吹き飛ばした。


「ゾフィーを返しなさい!」


 二人のローレンは連続十六分身(残像)から三十二本の魔法光輪マジックスライサーを造り出し、混沌カオスの尖兵に投げつけた。


 放たれた六十四本の魔法光輪は滅茶苦茶な方向へ飛び回り、城の壁や柱をも切り裂いて、混沌カオスの尖兵からことごとく戦意を喪失させた。


「そして真のヒロインは遅れて現れる!」


 現れたのは深紅のバッスルスタイルに身を包んだ、麗しき吸血姫ペネロープだ。


 彼女はコウモリに変化して、さりげなくローレンのまたがったホウキに乗っていたのだ。


 ペネロープは右手と左手、それぞれの親指と人差し指で輪を作り、それを両目に持っていく。


「ペネロープ・ビィーム!」


 ペネロープは両目から深紅の破壊光線を照射した。閃光によって生じた爆風が、混沌カオス尖兵まるでホラーゲームのエネミーだをまとめて吹っ飛ばした。


 吸血鬼が目からビームを出すのは伝統だーー


「ゾフィーはどこ!?」


 ローレンは白銀の鎖を手にして、混沌カオスの尖兵を見回した。


 この白銀の鎖は「ラグナロク」と呼ばれ、彼女の先祖から伝わったものだ。


 ハロウィンの夜に現れる無数の妖魔を討ち滅ぼした「レディー・ハロウィーン」……


 ローレンはその末裔だ。


「最近のバイ○ハザードはどうなっているのよ!」


 ペネロープは激昂して叫んだ。二十代半ばほどの美しきペネロープ。


 その額に青筋が浮かび上がっているのが、どうしようもなく残念だ。


「長身女吸血鬼ですって? ネタはどこから来たのよ!」


 ペネロープは拳を握りしめて薄暗い空を見上げた。女吸血鬼の物語はずっと昔からあるので、あまり気にしなくていいはずだ。


「バイ○は3が至高だわ!」


「ゾフィーはどこにいるの!」


 口々に騒ぎ立てるペネロープとゾフィー。話が噛み合わないのも残念だ。


 要約すれば、ローレンはさらわれた「フランケン・ナース」のゾフィーを助けるために、混沌カオスの城に乗り込んできた。


 ペネロープは出番が欲しいからやってきたのだ。共闘意識は全くないのに、二人はタッグを組んでいる。それなのに、男には理解できない息の合いようだ。


「ーーふ、お嬢様もペネロープ様も、よくいらっしゃいました」


 城の入口から優雅な人影が現れた。


 黒いナース服に身を包んだ、長身の美女ーー


「ゾフィー……!」


 ローレンは驚愕に目を見開いた。いつも穏やかで朗らかな笑顔を絶やさなかったゾフィーが、今は酷薄そうな笑みを浮かべているではないか。

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