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チュパカブラ・デッドエンド(仮)


   **


 この世界は常に男と女の戦争だ。


「もっと出番を!」


 そう主張するのは吸血姫のペネロープだ。前回の「行こうぜ地獄へ……!の巻2」では、イルを演じていたペネロープ。まだまだ暴れ足りないらしい。


「あんな程度で、あたいが満足すると思うアルかー!」


 ディートリンデも暴れ足りないようだ。ペネロープと同じように、前回は謎の女アイダを演じていた。


「チェンバースとケリー、可愛かったな~」


 十兵衛は二人を思い出して、心ポカポカしていた。


 男は時に、魅力的な女性と出会う事で、少年の純粋な思いをよみがえらせるのだ。


「男ってバカね……」


 苦笑しながら十兵衛を見つめるローレン。普段は気の強い彼女も、今日は優しい眼差しで十兵衛を見ていた。


「出番ー!」


「次のラウンドはー!」


 ペネロープとディートリンデは凄まじい迫力で十兵衛に迫ってきた。


 やむなく十兵衛は、まだ未完成の心の領域へーー


 構想中の「チュパカブラ・デッドエンド」の世界へ彼女達を送りこんだ。



   **



 そこは孤島の監獄だ。


 収容された凶悪犯罪者を閉じ込める監獄を舞台に繰り広げられる、一大アクション巨編ーー


“チュパカ~……”


 夜の闇に乗じて監獄の屋根へ降り立った人影は、宇宙からの来訪者だ。


「アイ・キル・ユー!」


 謎の襲撃者へトンファーで殴りかかる看守。だが鉄をも砕く一撃は避けられ、逆に襲撃者の右手の爪に腹部を貫かれた。


“チュパカ~……”


 襲撃者は管理室からコンピューターを操作し、全ての牢のロックを解除した。


 監獄内は混乱と恐怖、そして混沌カオスに満たされていく。


 自由を求め、犯罪者達が監獄内に溢れだした。


“チュパカ!”


 宇宙からの来訪者にして襲撃者は、この時を待っていた。


 無数の犯罪者へ、襲撃者は襲いかかる。


 襲撃者の名は「チュパカブラ・ハンター(仮)」。


 狩るに値する強者を求めて、宇宙を旅していたのだ。


 そんなチュパカブラ・ハンターの前に立ちふさがる、麗しき人影は……


「あんたの相手は!」


「あたい達がしてやるアル!」


 そこにはバッスルスタイルの麗しきペネロープ嬢と、チャイナドレスの魅惑のディートリンデが、まるで「ダー○ィペア」のようにポーズを決めていた……


  **


「ーーなんて話でどうでしょうか?」


「ふむふむ、よろしくってよ、よろしくってよ!」


「じゃあ続きを頼むアル!」


 果たして次回は?

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