チュパカブラ・デッドエンド(仮)
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この世界は常に男と女の戦争だ。
「もっと出番を!」
そう主張するのは吸血姫のペネロープだ。前回の「行こうぜ地獄へ……!の巻2」では、イルを演じていたペネロープ。まだまだ暴れ足りないらしい。
「あんな程度で、あたいが満足すると思うアルかー!」
ディートリンデも暴れ足りないようだ。ペネロープと同じように、前回は謎の女アイダを演じていた。
「チェンバースとケリー、可愛かったな~」
十兵衛は二人を思い出して、心ポカポカしていた。
男は時に、魅力的な女性と出会う事で、少年の純粋な思いをよみがえらせるのだ。
「男ってバカね……」
苦笑しながら十兵衛を見つめるローレン。普段は気の強い彼女も、今日は優しい眼差しで十兵衛を見ていた。
「出番ー!」
「次のラウンドはー!」
ペネロープとディートリンデは凄まじい迫力で十兵衛に迫ってきた。
やむなく十兵衛は、まだ未完成の心の領域へーー
構想中の「チュパカブラ・デッドエンド」の世界へ彼女達を送りこんだ。
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そこは孤島の監獄だ。
収容された凶悪犯罪者を閉じ込める監獄を舞台に繰り広げられる、一大アクション巨編ーー
“チュパカ~……”
夜の闇に乗じて監獄の屋根へ降り立った人影は、宇宙からの来訪者だ。
「アイ・キル・ユー!」
謎の襲撃者へトンファーで殴りかかる看守。だが鉄をも砕く一撃は避けられ、逆に襲撃者の右手の爪に腹部を貫かれた。
“チュパカ~……”
襲撃者は管理室からコンピューターを操作し、全ての牢のロックを解除した。
監獄内は混乱と恐怖、そして混沌に満たされていく。
自由を求め、犯罪者達が監獄内に溢れだした。
“チュパカ!”
宇宙からの来訪者にして襲撃者は、この時を待っていた。
無数の犯罪者へ、襲撃者は襲いかかる。
襲撃者の名は「チュパカブラ・ハンター(仮)」。
狩るに値する強者を求めて、宇宙を旅していたのだ。
そんなチュパカブラ・ハンターの前に立ちふさがる、麗しき人影は……
「あんたの相手は!」
「あたい達がしてやるアル!」
そこにはバッスルスタイルの麗しきペネロープ嬢と、チャイナドレスの魅惑のディートリンデが、まるで「ダー○ィペア」のようにポーズを決めていた……
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「ーーなんて話でどうでしょうか?」
「ふむふむ、よろしくってよ、よろしくってよ!」
「じゃあ続きを頼むアル!」
果たして次回は?




