未来へ続く戦い!の巻!
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人知を越えた力を有し、世の経済を司る超人たち……
人は彼らを商人と呼んだ……!
人類を滅ぼすために受肉して下天した「調和の神」を筆頭とした超神達と、商人の戦いは続く。
「俺の…… 勝ちだ……!」
古象マンは「修練の神」を打ち破った。
かつては「三大悪行商人」に数えられた古象マン。彼に勝利をもたらしたのは、持って産まれた「才能」という圧倒的パワーではない。
闘う意思と観客の声援が、古象マンに限界以上の力と知性を振り絞らせたのだ。
観客の声援に涙し、心を洗われた古象マンには世界が美しく見えた。彼の来世は光の側であろう。
それに満足した「修練の神」は微笑した。
「消えるのは…… 我らの方だ……」
炎の中に消えていく「修練の神」。果たして、その真意は?
未来を守るための、神々との闘い。その先に果たして何が待っているのか?
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宇宙の果てで混沌と戦う「百八の魔星」。
軍師である天機星「知多星」ゴヨウは、守護神チョウガイらと共に三千大千世界で戦いを続けていた。
十億の「世界」の果てにある混沌を討つための、長き旅路の最中であった。
「お前は何を持っている?」
混沌の兵、アポロはゴヨウを見つめて嘲笑した。
アフロヘアーの豪傑アポロを前に、ゴヨウは大苦戦だ。
「火事場のクソ力マシーン」によって変身し、武装したゴヨウだが、それでもアポロの前に手も足も出ない。
だが、ゴヨウの脳裏には死した「百八の魔星」の事が思い返された。
天殺星「黒旋風」リッキー、天威星「双鞭」コーエン。
ゴヨウが姉のように慕った二人は、戦火から女子供を守って死んだのだ。
二人の思いこそ、女性の持つ愛と呼ぶものだろう。ならば、男のゴヨウにあるのは……
「あとは…… 勇気だけだ!」
ゴヨウは奥の手を発動した。
奥歯にしこまれたスイッチを押して彼は超音速の世界へ踏みこんだ。
「面白い!」
アポロも超音速の世界へ踏みこんだ。二人の姿はあまりの速さゆえに、かき消えた。
「ゴヨウ!」
助太刀にやってきたチョウガイには、ゴヨウとアポロの姿を見る事ができない。
付近の岩が崩れ、風が渦を巻く超絶の戦闘に、チョウガイですらが青ざめた。
「だ、駄目だ、わしにはついていけん……」
チョウガイにできる事は、ゴヨウの勝利を信じる事だけだ。
超音速の世界でゴヨウの振るう刀が空を裂き、アポロの拳が大地を割る。
二人の対決の行方はーー
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熱帯的な戦乙女は、海からの試練に挑む。
生命の源泉たる海からの試練に、命を産み出す存在である女性が挑むとはーー そこに深い意味がある。
人魚の少女は俗物だが、己の内にある悪を滅ぼしてこそ、真なる光の道があるのだ。




