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三千大千世界の果てから!の巻!


   **


 超神と商人しょうじんの未来を守る闘いも、次のステージへと移行した。


 人類を滅ぼさんとする、「調和の神」を筆頭とした超神達。戒律の神、憤怒の神、安寧の神に続いて登場したのは修練の神である。


 その修練の神と闘うのは、パワーならば商人しょうじん最強とも称される古像マンだ。修練と才能、技と力、どちらが勝るかーー これは概念の闘いでもあるのかもしれない。


   **


 はるか宇宙の彼方まで旅立った超時空要塞「梁山泊」。


 宇宙の真理を乱す「混沌カオス」を討つために、「百八の魔星」の知多星ゴヨウは旅立ったのだ。


 混沌カオスは三千大千世界の果てにいるという。それは十億の世界(星)の先だ。


 混沌カオスの空間に侵入したゴヨウらは、年齢は重ねない。が、十億の世界を越えていくには、体感時間でどれほどかかるだろうか。だが、百八の魔星は怯みはしない。





 チョウガイの振るった黄金の剣から、閃光がほとばしった。その大いなる輝きが混沌カオスの尖兵を飲み込み、消滅させていく。


 全身サイボーグのロッチーの振るった巨大鉄棒が、混沌カオスの魔獣を叩き潰す。


「来たれ、死した勇士の女王よ!」


 濃緑色の薄衣に身を包んだ美女ハードゥは、異界から戦女神の一柱を召喚した。戦女神の振るう断鉄の剣(夫の武器)が、混沌カオスの尖兵をまとめて切り裂いた。


「ーー混沌カオスに届くならば聞くがいい」


 黄金の剣を構えたチョウガイは夜空を見上げた。この黄金の剣は、不動明王の持つ降魔の利剣に等しい。


 そしてチョウガイは百八の魔星の守護神だ。


「貴様の野望、必ず打ち砕きに行く。この托塔天王チョウガイが!」


 チョウガイは凛々しく叫んだ。托塔天王とはチョウガイのあだ名であり、軍神である毘沙門天を意味する。


 チョウガイのみならず、天孤星「花和尚」ロッチーと地然星「混世魔王」ハードゥも夜空を見上げていた。彼らは三千大千世界の果てから見つめている混沌カオスの視線を感じていた。


 未来を守る戦いは、時空を越えて果てしなく続いていくのだ。


(俺の出番ないな……)


 彼らの背後では百八の魔星の筆頭軍師にして現司令官、天機星「知多星」ゴヨウが青ざめながら夜空を見上げていた。ゴヨウが主役だが、彼の出番は、いや活躍する理由は全くなかった。


 三千大千世界の果てから、混沌カオスの気の毒そうな視線が向けられていた事に、ゴヨウは気づいていなかった。

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