血盟の御旗!の巻!
人類未曾有の危機ーー
人類を滅ぼすべく、受肉して地に降り立った超神達。
大いなる生命の源である海もまた、人類に試練を与える。
災禍の中心で戦いの雄叫びを上げるのは、正義と悪魔の垣根を越えた超人達ーー
人知を越えた力を有し、世の経済を司る商人によって結成された商人血盟軍だ!
「いざ血盟の御旗を世に掲げん!」
正義商人である兵とブロークンハート。
七人の悪魔商人の首領である猛牛マン。
悪魔六騎士の残忍者と阿修羅マン……
彼ら五名は血よりも強い絆で超神達に立ち向かう。
罪の世界で生きてきた者が、天から使命を与えられる……
人それを召命という!
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サンタさん(正体は完璧商人始祖の一人、白銀マン)の住むログハウスの近くでは、眼マンと精神マンが人里に現れた人食い巨大熊と戦っていた。
「シャババババ~、下界は大騒ぎのようだな」
一つ目の商人、眼マンはどこか浮きだっていた。
「ニャガニャガ、そうですよ。正義と悪魔が共に手を取り、未曾有の危機に挑む…… これこそ閻魔さんや私の望んだ世界ではありませんか」
精神マンもまた機嫌が良さそうた。眼マンも精神マンも完璧商人始祖であり、地上の平和を調停すべく、数億年も活動してきたのだ。
商人は素晴らしい。
それを証明すべく、かつて慈悲の神「ザ・漢」は受肉して商人となった。
「我々はこの世界の平和を守る……」
「完璧商人始祖だー!」
精神マンは眼マンと背中合わせになり、彼の巨体を担ぎ上げた。これぞ二人の最強のツープラトン技、
「くらえー、エルクホルンコンプレッサー・トレインー!」
眼マンを担ぎ上げた精神マンは、人食い巨大熊に突き進んだ!
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「もうじきバレンタインだわ……」
ハロウィンの女帝「レディー・ハロウィーン」たるローレンは戦いの準備に入った。
上着を脱ぎ捨て、キャミソールの上半身に拳銃のホルスターを身につけーー
肩からはマシンガンと火炎放射器をぶら下げ、腰には無数の小型手榴弾を装着した。
一人で十万人の兵士と戦う気迫で、ローレンは戦いに向かう。
「一人じゃ行かせませんよ」
いつの間にかローレンの隣には侍女であるゾフィーの姿があった。彼女はバズーカを二丁に、背中にはファンネル兵器を背負っている。
「妹のグレース様のために一肌脱ぐおつもりでしょう? お嬢様の事は何でもお見通しですよ」
「……仕方ないわね、バレンタインも近いのに、色気のない事につきあわせて」
「いいええ、いいじゃありませんかお嬢様」
「ーー行くわよ、ゾフィー!」
「OK、お嬢様!」
武装したローレンとゾフィーは混沌の生み出した魔空空間へ飛びこんだ。
「バレンタイン・エビル」であるグレースが、バレンタインという日を祝福できるように。人それを姉妹愛という。
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そして大いなる生命の母である海からの試練に立ち向かうのは、聖母様に選ばれた戦乙女ーー
熱帯的な戦乙女達であった。彼女達の戦いも、いずれ語られるであろう。




