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淑女ペネロープ ~出会いは戦いの中で!の巻!~

 人は如何なる運命さだめに産まれるのか。


 華やかに激しく生きるとは、ベルサイユに咲いた一輪のバラ「淑女レディオ○カル」の事だ。


 あるいは吸血鬼ペネロープや「レディー・ハロウィーン」のローレンの事かもしれぬ。


 では、バレンタインの守護者ガーディアン「バレンタイン・エビル」のグレースは?


 また、江戸を守護する十兵衛三厳は?


「ーーで、村○弘明さんや藤○弘さんも柳生十兵衛を演じていらっしゃるわけだ…… 仮面○イダーと縁があるわけだな」


 十兵衛さんはそう言ってグラスを傾けた。帝都某所の秘密のバーで、十兵衛さんはカウンター席で飲んでいる。小さな店だが高級酒が棚に並んでいた。


 隣には最近人気急上昇?のペネロープ様がカウンター席に腰かけている。病的なまでに蒼白い肌が薄暗い店内では尚更、白く見える。だがペネロープは確実に美しいーー


「んなこたあ、どうでもいいのよ。書きなさいよ」


 ペネロープ様はすでに酔っていらっしゃった。細いながらも艶かしい肢体が、深紅のバッスルドレスを内側から押し上げる。


「くあー、全く! 男は女をエロとしか捉えていないようね! 失礼しっつれいしちゃうわー!」


「そういう女だって男を経済力でばかり測るではないか!」


「あったり前よ~、んふ、んふ~」


「お、恐ろしい…… 女は魔物だ……」


 ペネロープ様と十兵衛さんは飲みながら語り明かした。


「ああ、ランバーを思い出すわ…… あなたには悪いけど」


 そう言ってペネロープ様はかつての恋人の事を語り始めた。これは十兵衛さんを異性として意識しているわけではない、という意思表示でもあろう。


 さて、吸血鬼ペネロープ嬢は、外見は二十代半ばの妖艶な美女だが、六百年を生きている。


 そんな彼女が若かりし頃、住んでいた地域に新たな魔物が産まれた。


“イッツ、サーモン!”


 ランバーの声がペネロープの脳裏にこだました。そう、川から上がってきた無数の魔物は、サーモンが進化した存在だったのだ。


 町では「鮭の産卵祭」が最高潮を迎えていたが、そこに無数の魔物が現れた。


「奴らは人間と交わるために、人を襲い始めたのよ」


 ペネロープはグイッとグラスを傾けた。白い喉が妙にセクシーだ。


「町中に響き渡る悲鳴の中で、わたくしはランバーに出会ったのよ……」


「……んー、なんか長くなりそうだから、次回に続く!」





 つづく

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