レディー・ハロウィーン ~魅惑の初詣!の巻!~
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初詣に来たローレンとゾフィーは新年早々、悪行商人の奇襲された。
だが、そんな事で倒される「レディー・ハロウィーン」のローレンと「フランケン・ナース」のゾフィーではない。
「はいいいい!」
ローレンは左右のフックからの右ストレート、更に上段内回し蹴りのコンボで悪行商人を吹っ飛ばした。
着物の裾が大きくめくれ、艶かしい脚線美を衆目にさらしたが、彼女は使命の前では恥じらいを気にしない性格だ。
「ーーパワフル・ナース・バックブリーカー!」
ゾフィーは片手で悪行商人を頭上に持ち上げ、更に己の右膝へ叩き落とした。
ヒロイン強度7,800万パワーのゾフィー、そのパワーは古象マンとも同等だ。
「ーーさ、これで片付いたわね」
「お、お嬢様、下着は……?」
「え、着物の下には下着つけないって言ったじゃない」
「そ、そうでしたね……」
ローレンとゾフィーはそんなやり取りを交わした。ゾフィーはローレンが内回し蹴りを放った際に、かなりきわどいカットを目撃してしまった。
周囲の参拝客らの一部も、呆然とローレンに視線を注いでいる。男子中学生らしき者達は、三人揃って耳まで真っ赤になっていた。
男子中学生達はローレンの裾の奥に、何を見たのか。
きっとそれは宇宙の神秘であり、種の起源であり、オンナという名のものがたりであったろう。
「い、行きましょうお嬢様!」
ゾフィーはローレンの手を引いて砂利道を行く。周囲を見回せば、撮影器具を手にした者は誰もいなかった。
あとでネットをチェックしなければ!と、ゾフィーは焦りから頭部の電極を激しく点滅させた。
そして新たなイベント、バレンタインが迫っている。
バレンタインの概念と存在の意義を守る守護者、グレースの出番だ。
「バレンタイン・エビル」たるグレースはローレンの双子の妹だ。
ローレンがショートヘアーに対し、グレースがロングヘアーである事をのぞけば、ほとんど瓜二つである。
「ーーバレンタインの鈍色刃!」
グレースの手刀が空を切り裂けば、トレーニングルームの天井から吊るされた無数のサンドバッグが真っ二つになっていく。
バレンタインの死闘に向け、グレースの使命感と闘志は高まるばかりだ。
「まずは義理から…… そうねえ、レオパルドォンは敢闘賞かしら」
と、グレースはレオパルドォン用に義理チョコの製作を開始した。めでたし、めでたし。




