闘将!! 白銀男 ~クリスマスの余韻~
**
サンタクロースたる白銀マン、暗黒サンタの黄金マンの二人は、聖なる使命を無事に終えた。世界中に喜びの波動が伝播した。
「いい仕事だった…… よくやった黄金マン」
完璧商人始祖のリーダー、慈悲の神たるザ・漢は微笑しながら拳で軽く黄金マンの胸を打った。満身創痍の黄金マンも頷いた。
「テハハハハ~……」
奥の部屋では痛覚マンが大の字に寝ていた。その彼の体を安眠枕にし、奈落マンと鴉マンが眠っていた。
クリスマスの祝福は終わった。そして世界は始まる。
未来を守り、未来を創る戦いは、まだ始まったばかりなのかもしれない。
ペネロープのメイド喫茶「ブレーメン・サンセット」では、ペネロープや狼女達の住居でもある。
狼女達は朝起きたら靴下の中にプレゼントを発見し、大騒ぎしていた。
「滅鬼の大河の全巻だー!」
「私はDVD全巻ー!」
「デラックス日輪砲だー!」
狼女達のブームは滅鬼の大河であり、各々がそれにちなんだ品をプレゼントに望んでいた。
人間世界へお婿さん探しに来た狼女達は、天真爛漫で純粋だ。
「おお~……」
狼女の一人、ラーニップは靴下の中に大人のランジェリーを発見して唸っていた。これで女子力を高めれば、お婿さんが見つかるかもしれない。
「ほお~……」
ツィークは赤らめながら靴下の中のプレゼントを眺めた。
それは秘密の美少年図鑑だ。
欧州系の美少年の写真が多く掲載されている。中には美少年同士が裸で戯れているようなものもある。
大人の階段を登ったような感動にツィークの全身は震えていた。
「なんだよう、俺の事を忘れちまったのかよう!」
ペネロープの部屋で叫んでいるのは、中華飯店「関帝房」で働く男装女子の貂蝉だ。
彼女はペネロープの用意した特大靴下に潜んでいた。今は細い体にリボンを巻いた艶かしいラッピング姿であった。
「貴女ったら……」
ペネロープは感激して貂蝉を豊かな胸に抱き締めた。
ペネロープは身長184cmの長身妖艶美女だ。貂蝉とは20cmほど身長差がある。貂蝉がペネロープの胸の谷間に顔を埋めるには、ちょうどいい身長差だ。
「ようこそ…… 女の世界へ……」
ペネロープの言葉の意味は、百合の園という事だろう。めでたし、めでたし。




