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あぶら
おかねが浮いたから
ちょっとおいしいものでも
たべにいこうかと
よわい光線がさんざめく秋に
子のちいさな手が
いつもこころの内側にあった
おめかしした女の子
手を引きながら遊歩道をあるく
数歩だけ先をいくかれ
秋はひたすらにあざやかなまま
川面にながれこんだあぶらも
いまだけはすっかりきれいになって
生命の根源たる季節の
いろどりを忘れないでいる
なぁがくのびた影ぼうし
すっかり短くなったおひさまのえがお
夕焼け小焼けをうたいながら
ただ きれいなまま
二度とかえらない日々のなかで
秋はさんざめくの!