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プール掃除の想像と現実

「もー! 思ってたのちーがーうー!」


 照りつける太陽が紫外線をこれでもかとぶつける土曜日。


 支援部の俺、翠、春野、真白、魅墨は揃って青いラインが袖と首に入ったちょっぴりダサい半袖とハーフパンツの学校指定体操服を着て、デッキブラシで水を抜いたプールの側面の、緑色のぬめりを擦っていた。


 プール掃除をはじめて一時間、翠は嘆くように叫んだ。


 なんか、叫ぶあたりはやはり兄妹と言うべきか。しかしながら何を思っていたのだろうか。


「翠どうした?」


 俺はちょっと頑固な滑りをガシガシと擦りながら翠を横目に尋ねると、翠はデッキブラシを抱えながらゲンナリとした顔をした。


「なんかー、アニメとかだとこういう時ってプール掃除の工程はあってもこんなガチで緑色の腐った色の滑りとか鼻を裂くようなえげつない臭いは伝わらないじゃん? もっとさー、ホースから水を掛け合うようなキャピキャピとしたの想像してたんだけど」


 翠は自分の想像とのギャップを赤裸々に語ると、盛大にため息をついてダラダラとデッキブラシでぬめり擦りを再開した。


 まあ、翠の気持ちはわからなくもないが。


「あーいうのは掃除がある程度終わって、最終的にやってんだろうな」


「まあ、それは今のこのプールの有様見たらわかったけどさあ」


 俺は翠の想像に対して自分の観点を述べると、翠はプールに長々と続くぬめりの先を見て、また盛大にため息をついた。


 現在三分の一程度の掃除は完了しているが、少なくともあと二時間はかかってしまうだろう。


 まあ、それはスタートダッシュでそこそこやる気出して作業してただけで、真白は今やヘロヘロ。翠も俺もやる気は出ておらずペースは落ちつつある。しかしだ。


「む、春野くん、やるじゃないか。この私についてこれるとは」


「むむむ! 土方さんもやるっすね! しかし、このあたしは支援部の初期メン! いくら学年は上といっても支援部歴はあたしの方が先輩なんすから負けられないっす!」


 俺の親友と俺の後輩はなにやら波長が合ったのか、やる気のない俺達に代わって俺達の倍近いペースで掃除を進めていた。


 明らかに俺、翠、真白の清掃ゾーンと春野、魅墨ゾーンでは差があるなあ。


 春野と魅墨の隣でヘロヘロの真白だと特にその差は顕著だ。


 真白はついにバテたのか、デッキブラシをずりずりと引きずって俺の側に近付いた。


「蒼兄、少し提案があるのですが、ちょっと休憩しませんか? 水分だけでも買いに行きましょ」


「あ、それ賛成」


 真白の提案に乗っかるように翠が頷く。


 真白はヘロヘロだからわかるけど翠はサボりたいだけだろ。


 まあ、一時間たったし水分くらいは取らないと熱中症になるのは大変か。


「じゃあ、水分買いに行くか。おーい、春野ー、魅墨ー。なんか飲み物買いに行くけどどうする?」


 真白の提案に乗っかることにして、春野と魅墨に声をかける。


 しかしながら、二人は二人の世界に入ってるらしい。


「あー、そこ、土方さん汚れ残ってるっす! 掃除が甘いっす!」


「なにを! 十分取れてるぞ!」


「ダメっすー!」


 なにやら子供じみた喧嘩のようだが楽しそうだし、飲み物買ってきたら勝手に休憩取るだろう。


「あいつらはほっといて買いに行くか」


「「はーい」」


 俺と翠と真白はプールの壁にデッキブラシを立てかけると、一次プール掃除から離脱をする事にした。

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