サヨナラ現代、ハロー地獄の異世界生活#2
(あれ?ここどこだ?)
俺は視界がぼやけていた。
何も思い出せない
何も感じない
(そういえば胸が痛かったはず)
胸に手を当てようとするも手が動く感じがしない。
体を動かそうにも反応が鈍い
まるで体がないような感じがする。
『目覚めましたか?』
透き通るような女性の声が聞こえた。
俺は声のする方に目を向けるような感覚で女性の方へ向こうとするがやはり向けない。
(体が動かせない)
俺は無性に恐怖が襲ってくる。
(何が起こってるんだ?俺に何が起こったんんだ?)
恐怖に囚われた俺は無意識の中叫んでいた。
『落ち着いてください。混乱するのもわかりますが落ち着いてください。』
女性はそう話す。
俺は突然気持ちが落ち着き体が暖かくなった。
(とても安心する、すごく温かい。)
俺の疑問はすぐに解消した。
『落ち着いたみたいですね』
女性は俺を胸に抱きしめていた。
視界が明るくなってくるさっきまでモヤが掛かっていたが今ははっきり周りが確認できる。
むしろ、360度の視界があるみたいな感じだ。
うまく表現できないが360度見えるのだ。
(ここどこだ?俺はネカフェで寝てたはずだが)
俺の視界には青空と草原、ワンセットのテーブルセットがあった。
『あなたがどうなったか覚えていますか?』
女性の言葉に俺は何を言われてるの理解できなかった。
(俺がどうなったか?覚えてない、いや、覚えている)
段々思い出してきた
俺は寝ていた、そして目が覚めたんだ
胸が苦しくて目が覚めたんだ
冷や汗が止まらなくて苦しくて胸を服の上から握りしめたんだ
体を丸めるようになって胸を握りしめ呼吸が苦しくなって目を閉じて
俺どうなったんだ?
死んだのか?
また、言葉に出来ない恐怖が襲ってきた。
(俺は今どうなってるんだ?どうなって)
『恐怖に囚われてはいけません』
女性の言葉が頭に心に染み込んでくる
あれからどれだけの時間がたたっかわからないが落ち着いてきた。
『落ち着きましたか?』
(声が出せないがどうやって伝えたらいいんだ?)
今の俺は声が出せない、むしろ体がないのだろう
どうやら俺は女性に抱きしめらているがなんというか丸い球体みたいなものに変化していた。
『大丈夫ですよ、聞こえています。というか伝わっています。』
女性の返答に俺は安心する
(俺はやっぱり死んだんですか?というか女神様?)
俺の今一番の疑問を聞いてみた。
『そうですね、あなたは日々のストレスが原因で心不全を起こし亡くなりました。』
女神様の言葉に俺は納得した。
最後に覚えている記憶は確かに胸が苦しくなり意識をなくすのが最後の記憶だ
しかし、まさかのストレスによる心不全が原因とかまさに俺らしいな
(やっぱり死んだのか、これからどうなるだろう?)
俺は天国に行けるんだろうか?
『あははぁ、あなたは天国でも地獄でもないですよ』
女神様の返答に俺は戸惑いを隠せないでいた。
(え?天国とか地獄ってないんですか?)
俺の返答は間違ってないはずむしろ皆気になる疑問だろ
『あるのはありますよ。でも、あなたは天国でも地獄でもなく異世界行きですね』
女神様の言葉が理解できなかった。
(異世界?異世界ってあのファンタジーの?)
俺はあまりの事態に敬語なんか忘れていた。
『そう、ファンタジーの異世界です。』
女神様の笑顔で伝えられた内容に俺はとてつもなく不安を覚える
ファンタジー系のノベル小説で流行りの異世界転生と説明され一つだけチート能力を授けてくれるとのこと
女神様の説明を一通り聞いた俺は疑問が大きい
まず、いわいる転生特典のチート能力がぶっちゃけいらない
チート能力『成長限界突破』このチート能力は簡単に説明すると言葉のままに自分が成長の限界なく成長する能力
普通に考えたら強く感じるが考えてみてほしい
成長の限界がないだけで俺自信の成長が早いわけではない
つまり俺の能力はチート能力ではない
むしろクソ能力ですらある。
しかも、まだ問題がある
俺が転生する世界での年齢だ、簡単に言うと8歳で転生するとのこと
いや、意味わからんよ、なんだよ8歳で転生ってまだ、0歳スタートならわかる
しかし、8歳で転生するのは意味がわからないしそもそも8歳で生きて行けるのか?
8歳って意味わからん
『大丈夫です、孤児院あるので』
女神の一言に俺はツッコみたかった。
色々、説明を聞いても正直俺の頭脳では理解できない上に努力型チートに加え8歳児転生が衝撃すぎて理解できなかった。
『では、あなたの新たな生に幸あらんことを』
考え事していたらいつも何か女神様は転生させる準備を終え異世界転生を始めていた。
(ま、待ってください、ちょ、っちょっと)
俺の静止を聞き届けられず転生が行わられた。
視界は白く染まり俺が最後に見たのはいい笑顔の女神様だった。
俺はこれからの不安と少しの異世界への期待を胸に旅立つ