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第九章 6



「――よし! コツメは突入だ! いくぞオーラ! クサリンはハトバクの準備を頼む!」


 九郎が走りながら声を飛ばした瞬間――三人は一斉に動き出した。



 オーラは九郎を素早く追い抜き、巨人目がけて突っ込んでいく。


 コツメは穴の中に飛び込み、三階書棚の通路に着地。

 すぐさま階段に向かって疾走する。


 クサリンは左手の盾から緑色のステッキを引き抜き、

 巨人とコツメの両方に目を配る。



「オーラ! あいつに一発食らわせろっ! 屋上の端に誘導するんだっ!」


「おおぉっ!」


 赤毛の剣士は気合いを発し、さらに加速。


 巨人の前に突っ込み踏み込み床を砕き――全身全霊で拳を突き出した。



「うおおおおおおおにゃああああああぁぁぁっっ!」



 瞬間――オーラの拳から猛烈な炎が噴き出した。


 

 爆炎が渦を巻き、鎧の巨人に襲いかかる。


 

 直後、巨人の拳が炎を殴り飛ばした。

 


 爆炎は瞬時に砕かれ、火花を散らしてかき消える。

 

 巨人はさらに炎の余熱で揺れる空気の壁を突き破り、オーラ目がけて爆走した。


「いいぞっ! オーラっ! こっちにこぉーいっ!」


 九郎は屋上の端の手前で足を止めて声を張り上げた。

 さらに飛苦無とびくないを床に突き刺し、ワイヤーを垂らしながら横にダッシュ。


 既に走り出していたオーラは巨人を引きつれワイヤーに向かって加速する。


 巨大な足音が神殿を揺らしながらオーラを追う。


 オーラは歯を食いしばり全力疾走。

 そのまま地面に垂れたワイヤーを飛び越え振り返り、

 巨人を見据えて闘気を放つ。



 瞬間――九郎が棍棒を起こし、ワイヤーをピンと張って魔言を叫んだ。



「――アタターカぁっ! アタターカぁぁーっっ!」



 瞬時に浮かぶ二重の黄色い魔法陣。


 鋼鉄のワイヤーが超高速で振動する。

 甲高い周波数がうなりを上げて大気を震わす。



 直後、巨人が怒涛のごとく突っ込んだ――寸前。



 超重量級の巨体がワイヤーの手前で突然止まった。



「ンなっ!? なにぃっっ!?」



 九郎の目が驚愕に見開いた。



 オーラも愕然としながらとっさに石を拾い巨人に投げる。


 しかし巨人は二人を無視して足を引く。

 さらにゆっくりと振り返り、いきなり大広間に向かって爆走した。



「あいつっ! コツメの動きに気づいたなっ!」



 九郎は奥歯を噛みしめながら駆け出した。

 そのままワイヤーを引っ張り、飛苦無を手元に引き寄せ声を張り上げる。


「オーラっ! 作戦変更だっ! 広間に突入してコツメを援護するぞっ!」


「おおぉっ!」


 九郎とオーラは全力で巨人の背中を追いかけた。



 直後、巨人が宙に跳び上がった。


 

 大質量のドロップキックが広間の天井を一撃でぶち破る。



 さらに一瞬後、着地の衝撃波で神殿が震え上がった。



「くっそぉーっ! あの巨人っ! 無茶苦茶すぎるだろぉっ!」



「――クロさんっ! あの木がなんなのかわかりましたっ!」



 穴のそばにいたクサリンが唐突に声を張り上げた。



「そうか! とりあえずオレたちも中に入るぞ!」


 九郎は返事をしながらロープをつかみ、一気に内部に飛び降りた。


 そのまま三階書棚の廊下に着地。

 続いて飛び込んできたクサリンを受け止め、階段に向かってダッシュする。


「それでクサリン! あの木はいったい何なんだ!」


 声を張り上げながら広間に目を落とす。

 すると祭壇前に着地した巨人が、

 一階に着いたコツメに向かって猛烈なスピードで突進していく姿が見える。



「あれは寄生樹です!」



「寄生樹!?」



「はい! 一般的には高さ一メートルほどの小さな木です! 昆虫に花粉を植えつけて自在に操る、特殊寄生型の植物です!」


「はあ!? 自在に操る!? 植物が昆虫を操るのか!?」


「そうなんです! 大きさがあまりにも違うので気づけませんでしたが、あのギガント族の頭を見てようやくわかりました! あの頭に生えている小さな木が、寄生樹本体の命令を伝えているんです! おそらく図書の賢者は、あの巨人の死体に寄生樹の花粉を植えつけて、神殿を守る守護者に仕立てあげたんだと思います!」


「くそ! そういうことか! つまりあれは巨人のゾンビってことだな!」


 階段を降り始めた二人にオーラが追いついてきた。

 クサリンは必死に階段を駆け下りながらさらに言う。


「おそらく巨人が侵入者を殺して、その死体を寄生樹が操るんです! そうして今度はその死体が、次に来た侵入者を襲って殺し、死体の仲間を増やしていく仕組みだと思います!」


「なんなんだっ! その悪趣味なシステムはっ!」


「寄生樹は元々、自分の周りの雑草を昆虫に抜かせて環境の改善をするんです! さらに、昆虫自体を自分の養分にする性質も持っています! それを図書神殿の維持に応用しているんじゃないでしょうか!」


「そうかっ! つまり外にある四本の木が太いのは、人間の死体をびっしり張り付けて養分にしていたんだな!」


「はい! たぶんそうだと思います!」


「そして神殿の中が汚れたら、その死体を操って掃除していたってわけか! まったく! なんちゅう悪趣味なメンテナンスシステムだ! だがしかぁーしっ! ネタさえ割れたらこっちのもんだぁーっ!」


 九郎は一階まで一気に駆け下り、周囲を素早く見渡した。


 中央祭壇の手前には、砕けた天井の欠片が大量に転がっている。


 コツメは巨大な欠片を踏み台にして、巨人の攻撃を上手くかわし続けている。


 四隅を見ると、予想どおり三体の石像が鎮座していた。

 しかしどれも床に片膝をつけたまま、動き出す気配はない。

 東西南北の分厚いドアも閉まったままだ。



「よぉーしっ! 作戦を伝えるぞぉーっ!」



 九郎は戦闘中のコツメに聞こえるよう声を張り上げた。

 そして、天井からボロボロと落ちてくる欠片に注意しながら指示を飛ばす。


「オレとオーラで巨人の足止めをする! その隙に、コツメがクサリンを巨人の頭まで連れていく! そして頭の上の小さな木を、クサリンがスポーンの魔法で引っこ抜く! 寄生樹の命令が届かなくなれば巨人は死体に戻るはずだ! それから石板をゲットして、屋上まで駆け上がる! そのまま速攻で脱出だぁーっ!」



「おうっ!」

「はいっ!」

「――うむ。心得た」



 三人が返事をしたとたん、九郎は棍棒にワイヤーを引っかけながら駆け出した。


「よぉしっ! コツメは戻れ! オレが左でオーラが右だ! 巨人にワイヤーを巻き付けて動きを止めるぞっ!」


 九郎はひと際大きな欠片に飛苦無を突き刺し、

 ワイヤーを垂らしながら巨人の左後方に回り込む。


 すると巨人の目が九郎の背中を追いかけた。


 瞬間――オーラが赤い魔剣を握りしめ、

 巨人の左足を横殴りにぶっ叩いた。


 膝の裏に衝撃を受けた巨体はバランスを崩して倒れ、左膝を床につける。



「ナイスだオーラっ!」



 動きが止まった巨体に、九郎は時計回りにワイヤーを巻きつけていく。



 同時にオーラが欠片を踏んで跳び上がった。

 そのまま巨人の頭に魔剣の一撃を叩き込む。

 

 巨人はガクリと前に倒れ、左の拳も床につける。



(大チャーンスっ!)



 九郎はさらにダッシュした。

 巨体にワイヤーをもう一周巻きつける。

 

 即座に棍棒を握りしめ、魔言を叫んだ。



「――アタターカぁっ! アタターカぁぁーっ!」



 二重の黄色い魔法陣が光を放つ。



 瞬間――巨人の鎧が激しい火花をまき散らした。



 炭素鋼のワイヤーが超高速振動の金切り声を張り上げる。

 しかし、鎧との接触部分はわずかに赤く変色するだけで、一向に切断されない。



「くっそぉーっ! なんなんだっ! あの鎧はっ! 硬すぎるにもほどがあるだろっ!」



「クロウーっっ!」



 横からオーラの警告の声が飛んできた。



 刹那――巨人が力任せにワイヤーを引きちぎった。

 さらに太い柱のような腕を九郎目がけて振り回す。


 直後――割って入ったオーラが九郎を突き飛ばした。

 次の瞬間、巨人の拳がオーラをぶっ飛ばした。



「――ごぶぅ」



「オーラっっ!」



 オーラは血反吐ちへどを吐いて宙に舞った。


 さらに猛烈な勢いで天井の欠片に激突。

 床に転がり、動きを止めた。



 九郎の目が瞬時に怒りで血走った。

 素早く立ち上がり、巨人の第二撃を紙一重でかわして床に転がる。

 すぐさま体勢を整え、声を矢にして鋭く飛ばす。



「くっ! クサリぃーンっっ!」



「はいっ! ――ハトバクっ!」


 クサリンはオーラにステッキを向けて魔言を唱えた。


 瞬時にどす黒い魔法陣が浮かび上がり、

 九郎を追っていた巨人が足を止めてうずくまった。


 九郎は天井の欠片に突き刺していた飛苦無を素早く引き抜き、

 走りながらワイヤーを結び直す。



「クロっ!」



「いやっ! まだだっ!」



 ゴーサインを求めてきたコツメに九郎は手のひらを向けた。



「くそっ! グダグダだっ! 現実はやっぱ厳しいなっ! おいオーラぁーっ! さっさと起きろっ! もう一度足止めするぞぉーっ!」



「――おおぉーっ!」



 気合一閃。



 オーラは跳ね起き、口元の血を拭いながら巨人に突撃。


 足を止めていた巨人の目が、走り回る九郎からオーラに移る。

 巨人は右膝を床につけたまま巨大な右拳を赤毛の頭に振り下ろした。



「――っふぉうっ!」



 急制動。

 オーラはとっさに跳び下がる。

 巨大な拳が鼻の前をかすめ落ちる。


 巨人のパンチは空を裂き、そのまま床にめり込んだ。


 オーラは流れるように横にターン。

 そのまま旋風の勢いで巨人の拳に魔剣を叩きつけた。


 頑丈な床を砕いた巨人の右手がさらに深く沈み込む。



「ぃよしっ! そのまま抑えてろっ!」



 全力ダッシュ。

 九郎は欠片の間を素早く縫って巨人に駆けつけ、

 丸太のような手首にワイヤーを巻きつけた。


 そのままワイヤーを引っかけた棍棒を握りしめ、巨人の背中に回り込む。


「オーラっ! 一緒に引っ張れっ!」


「おおぉっ!」


 オーラもすぐさま棍棒を握り、二人で巨人の背後に手首を引っ張る。


 九郎はさらに素早く走り、巨人の左手首にもワイヤーを巻きつける。

 そして一気に背中まで引っ張り、巨人の両手を腰の後ろで縛り上げた。



「ぃよぉっしゃぁーっ! コぉツメぇーっ! いまだぁーっっ!」



「うむ。――スバラン」



 黒紫色の魔法陣がブーツの周囲に浮かび上がった。



 瞬間――クサリンを背負ったコツメが黒い風と化して駆け抜けた。

 長い黒髪の暗殺者は

 そのまま巨大な欠片を足場に跳び上がり――巨人の肩に着地した。



「クサリぃーンっっ!」



「はぁいっっ!」



 九郎の絶叫にクサリンものどを震わせた。


 小さな薬師は動きを封じられた巨人の肩を踏みしめ、

 小さな寄生樹を握りながら両目をいっぱいに見開いた。



「いっきまぁぁーすっっ! ――スッッッポォォーンンっっ!」



 瞬間――クサリンの両手の周囲に緑色の魔法陣が浮かび上がった。



 しかし――どれだけ力を込めても小さな苗木は一ミリたりとも引き抜けない。



「だっ! ダメですぅ! ぜんぜん抜けませぇーんっっ!」


「あきらめるなぁーっ!」


 斜め上で踏ん張る薬師に九郎が吠えた。


「魔法陣は一つじゃ弱いっ! 十個ぐらいまとめて重ねてぶっこ抜くんだぁぁーっ!」



「はっ! はぁいっ! スススススススススポーンスポーンスポーンスポーンっっ!」



 その瞬間、一気に十二の魔法陣が発動した。



 クサリンは目を血走らせて苗木を引っ張る。

 コツメも緑のローブを抱きしめ、力の限り足を踏ん張る。


 しかしそれでも、小さな寄生樹はこれっぽっちも引き抜けない。



「くそっ! まだダメかっ!」



 ワイヤーを引きちぎろうとする巨人の両腕を懸命に押さえつけながら、

 九郎はさらに吠え上げる。



「もっとだぁーっ! もっともっと魔法陣を重ねるんだぁーっ!」



「ははははぁぁーいっっ!」



 クサリンは思いっきり息を吸い込み、息の続く限り魔言を唱えた。



「いっきまぁぁーすっっ! ――スポーンスポーンスポーンスポーンっ! スポーンスポーンスポーンスポーンっっ! スポーンスポーンスポーンスポーンっっっ! スポーンスポーンスポーンスポーンっっっっ! スポポポポポポポポポポポポポポポっ! ポポポポポポポポポポポポポポポポーンンンっっっっっ!」



 直後――合計六十の魔法陣がクサリンの全身を取り巻いた。



 クサリンの真っ赤な顔には血管が浮かび上がり、

 鼻の穴は限界まで膨らんでいる。

 さらに小さな体で大股広げ、背筋の限界を突破しながら引っ張り続ける。



 すると、小さな木がじわりじわりと抜け始めた。



「おおっ!」



 いきなり巨人の抵抗が弱まり、九郎は目を輝かせた。


「いいぞぉっ! クサリンっ! 巨人の力が弱くなったっ! もう少しだっ! オーラもいっけぇぇーっっ!」



「おおぉーっ!」



 オーラは瞬時に九郎の肩を踏んで跳び上がる。


 そしてクサリンを抱えているコツメの腰を両腕でがっちりロック。

 赤毛の剣士は巨人の肩に足を踏ん張り、全力で背筋を後ろに反らした。



 瞬間――苗木が一気にスポンと抜けて、クサリンが空中高く吹っ飛んだ。




「ぃぃぃぃぃぃぃぃよっしゃぁぁーっっ!」




 その瞬間、四人の快哉かいさいが広間に響き渡った。



 九郎は転がり落ちてきたオーラを受け止め床に下ろす。

 いきなり全身から力が抜けた巨人は、そのまま前に倒れて動きを止めた。


 さらに九郎は天井まで飛び上がったクサリンを指さして声を張り上げる。



「コぉぉツメぇぇーっっ!」



「――うむ、任された」



 オーラの手を離れて宙を飛んでいたコツメは一回転してひらりと着地。


 そのまま素早く走り出し、天井の欠片を跳び渡る。

 

 そして空中高くジャンプして、落下してきたクサリンを抱きとめた。



「――クロさぁーんっっ! 引っこ抜けましたぁーっっ!」



 無事に着地したクサリンは九郎に向かって駆け出した。

 その手には根っこが十メートルほどの不気味な苗木を握りしめている。



「よくやったぁーっ! 今日のMVPはクサリンだっ!」



 九郎はクサリンを抱き上げ、くるくると体を回す。



 クサリンは異様に長い根っこを頭上でぶんぶん振り回しながら、

 最高の笑みを浮かべている。


 それから九郎は苗木を受け取り、床に落としてオーラに言う。


「オーラ。念のため、こいつを燃やしてくれ」


「おうっ!」


 オーラは即座にこぶしを握り、網の目のような根っこに叩きつけた。


 寄生樹の苗木は一瞬で燃え上がり、あっという間に灰となって燃え尽きた。



「よし。それじゃあすぐに脱出だ。オーラはクサリンをつれて屋上に向かってくれ。オレはワイヤーを回収してから追いかける。コツメは石板を取ってきてくれ」


 九郎の指示で三人は即座に動き出す。


 オーラとクサリンは階段を駆け上がり、コツメは祭壇に走っていく。

 九郎は棍棒を分解して鞘に収め、飛苦無とワイヤーを回収する。



 するとその時、コツメが素っとん狂な声を上げた。



「――あひゃっ!?」



「あひゃ?」



 回収を終えた九郎が振り返ると、

 祭壇に立つコツメが呆然と台座を指さしている。



 九郎は首をかしげながら祭壇に近づいた。



「おい、急にどうしたんだよ。おまえが驚くなんて珍しいじゃねーか」



「うむ……それが実は……」



 コツメは歯切れ悪く言葉を漏らし、渋い表情で目を落とす。


 九郎はいぶかしげに眉をひそめながら祭壇に上り、台座を見た。



 瞬間――眼球が飛び出さんばかりに目を剥いた。




「なんっっ!? だとぉぅっ!?」




 祭壇の上の台座は子どもの背丈ほどの高さがあった。

 

 そしてその上に置かれていた石板は、完全に砕け散っていた。


 よく見ると、崩れた天井の破片が石板のど真ん中を貫通し、

 台座にめり込んでいる。

 そのせいで石板は、真っ二つどころか七つの欠片に割れていた。




「なんっ……だとぉぅ……!?」




 九郎は呆然と手を伸ばし、石板の欠片をつかんだ。



 そして白目を剥きながら、祭壇の上にへたり込んだ。




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