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リステック一の水産都市 ダル 4

 僕は知らないおっさんに両肩を掴まれたままである。

「おいおい本当に忘れちまったのか」

 ん〜……忘れたも何も、絶対知らない。

 とは思えど一応それなりの努力をしてみようかな。

 顔を確認してみる。

 まずバカでかい顔。

 まるで顔が腫れてるみたいだ。

 テッペンを見るとつるっつるの頭だ。

 照明の光が怪しく反射してる。

 頭に巻かれたねじり鉢巻き。

 市場ではけっこうこんなおっさんいるからこれだけでは分からない。

 顔半分を埋める、カビみたいな濃いヒゲ。

 その部分だけ変色してるみたい、本当にヒゲなのかな。

 あごが二つに分かれている。

 顔にお尻があるみたいだ、気味悪いなあ……。

 あ……鼻毛出てる……もっさりと……。

 ぷぷぷ……鼻毛……。

 ……あ、思い出した!

「おっ、やっと思い出してくれたか!」

 鼻毛のおっさんだ!

 この間お魚買いにきた時、いっぱいサービスしてくれた鼻毛のおっさんだ!

 いやー僕もよく覚えていたものだなあ。

「よし、俺が誰か言ってみ」

「お魚いっぱいくれた人だよね」

「お魚をいっぱい……?それは多分俺じゃねえぞ」

「あ、あれえ?」

 どうやら違ってたみたいだ。

 そう言えばあの人はちゃんと髪の毛生えてたっけ。

 別人だったかー……。

 やっぱ知らないんだな、うん。

 よし、次行こう次。

「おいおいおい待て待て待て」

 人の流れに沿って次に行こうとしたらまた肩を掴まれた。

 ホント、もう勘弁して下さい。

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