リステック一の水産都市 ダル 2
けっこう広い魚市場の駐車場。
しかもエリス、隅っこに僕を置いてったから。
こうなれば、仕方ない、入口まで頑張って歩こう。
ん、あれ、入口ってどこだろう。
取りあえず、あのでかい建物が魚市場だよね、多分。
ひとまず、あそこに向かって歩こうかな。
ん〜本当に遠いなあ、あと、暑いなあ。
太陽の日差しが、それはもうギラギラと、ね。
汗だくだくで駐車場を歩いて行けば、やっぱりたくさんの車に目が行く。
色んな色、様々な大きさの車がきれいに整列してる。
向こうにあるバカでかい車が魚を運ぶトラックかな。
うちのやつとは迫力が段違いだ。
かっこいいな〜、乗ってみたいな〜。
おっ、僕のすぐそばにある白いワゴン車から家族連れが降りてきた。
母親と思える女の人、父親と思える男の人。
あと、元気な男の子が二人。
背の大きさでどっちが兄か弟かはっきりわかる。
見てると何やら楽しげな雰囲気。
僕は後ろでこの家族の会話に耳を傾けることにした。
兄と思える男の子「お魚が大漁だぜ〜」
続いて弟と思える男の子「たっいりょ〜、たっいりょ〜」
再び兄と思える男の子「なあなあ父ちゃん、ここって海のお魚が全部あるんだろ、やっぱさ、人食いざめもいるんだろ」
そして弟と思える男の子「え〜〜さめって、あのガブリってする」
口髭がダンディーな男「はっはっは、鮫はいないじゃないかなー」
服装が少しゴージャスな女「でもきっと、フカヒレはあるわよ〜」
フカヒレ、ん〜何それ。