リステック一の水産都市 ダル
リステック国最大の水産都市ダル。
数多くの種類の海産物が揃っている。
その事から一部の方には通称、海のデパートと呼ぶ。
潮の香り、魚の干物が干されてるとことか見かけると港に来たなぁって思う。
やっぱり海の幸を扱ったレストランが多い。
おっ焼き蛤いいなぁ。
「どうしよっか、とりあえず魚市場行こうか」
エリスは行先を僕に聞いてきた。
何処に行くか決めてなかったらしい。
いつもならお魚とかを買い物しに来るだけだけど今回は違うもんな。
かと言ってどこか行く宛ては特無し。
ここに来た理由は手帳に、
この港の祭につみれ投げなんて珍しい行事が在るらしい。
一度は体験したいものだ。
と、書かれていた。
エリス曰くつみれ投げの行事なぞ世界広しでもダルにしか無い。
ただそれだけなのだが来て見た。
手帳にはそんな感じの事ばかり書かれている。
多分、こんな感じで旅は続いてくのだろう。
手帳は僕が持っていたらしいけどまるで記憶に無い。
そもそも僕は助けられてからすべての事を一から覚えてきた。
そう何もかも。
本当にもうこの一年大変でした。
初めて世界見たとき何か恐怖だったよ。
寝てる僕にでかいトカゲが飛び乗って来た時は絶叫してつい泣いてしまった。
恐いもん、仕方ないだろ。
ともあれ今は楽しいからそれで良し。
あの時はガル、ごめんよ。
1週間は近寄って来なかったもんな。
ん、ガルどうしたかな、首傾げて。
特に何でもないから。
「はーい到着だよ」
どうやら魚市場に着いたみたい。
祭りの時期だからけっこう人で賑わってる。
ずいぶん広い駐車場だなぁ。
隅の隅に止めたため入口までかなりの距離がある。
あれ、ガルはどうするんだろ。
「じゃ1時間後ぐらいにまた帰ってくるから」
え。
トラックはまた走りだした。
僕は一人取り残されたのか。
またかい。
いつぞやもこんな事あったし。
仕方ない、僕一人で魚市場試食ツアー行きますか。