エリスの家〜ダル 3
出発して3時間ほど。
外の景色はずいぶん変わって来た。
見えてくる建物や通行者の数が増えていく。
ダルに近づいてる証拠だ。
そろそろ『ディ・ガン祭』が行われる頃。
そのため人の数もいつもの倍近い。
ディ・ガン祭とは豊漁を祈るお祭り。
名物のつみれ投げが面白いらしい。
どんなのかはよく知らないけど。
外を見ながらガルにバーガーを食べさせていると。
「私もハンバーガー食べたいな〜」
なんてエリスが言った。
仕方ないんで袋から出して渡そうとしたら。
「包みぐらい開けて欲しいな〜」
なんて言った。
メンドイけどバーガーを包んでいる紙を少し開けて渡そうとしたら。
取ろうとしない。
進んでいる方向を見たままなんかあ〜あ〜言ってた。
あ、度々こっちをチラ見してる。
口元を指差してる。
くいくいっと。
食べさせろ、というわけね。
とりあえずバーガーを口元へ運んだ。
んで食べた。
せき込んでるし。
一口で一気に入れ過ぎたんだな。
「あ、ありがと」
エリスなら自分で食べれるでしょうが。
まあ、悪い気はしないけど。
アイスティー渡したら普通に片手で持って飲んだよ。
よーわからん。
最初からそうすればいいのに。
痛っ。
ガル、物足りないからって僕の指を噛まないでおくれ。
もうそろそろダルに着く。
久々だなあ。
今一番の楽しみは晩御飯。
きっとおいしいお魚料理が食べられるはず。
おっと、涎出てきた。