リステック一の水産都市 ダル 6
「むははははは!」
目の前に存在する全ての人達を薙ぎ倒し、突っ走るおっさん。
それに、ゴミ虫の如く引き摺られる僕。
為す術なし、誰かどうにかして、と思っても、皆、ぶっ飛ばされてるから、おっさんが早く止まるよう祈るしかないんだよね。
どうか、僕の、この生命が消え去ってしまう前に……!
でもやっぱ無駄かな、だって今、半分くらい魂が放れているような感覚だもん。
このままだとホントにその内……。
僕は何故かこんな平和な魚市場で絶望を感じていた。
でも祈りがおっさんに通じたのか、急スピードからふんばって急停止した。
「憤怒っ!!」
よく言う言葉で、車は急には止まれない、なんて言う。
でもおっさんは急にも止まれるようで、でもでも僕も急には止まらない、だから。
飛びました。
そりゃもう勢いよく、シャトルのようにね。
下を見たらさ、地面じゃないし、海だし。
ただね、ここで、ふと思ったんだ。
僕ってさ……。
カナヅチ、なんだよね……。
溺れちゃうじゃん。
そんな結論に達しながらも、海に着水。
「あぶぶぶぶ……」
即、沈没。
弱っていた僕の肉体は足掻くことなく素直に沈んでゆく。
「ティコ!今助けに、行かせるからな!!」
誰を?!
と言うかおっさんが来いよ!!
今のが、薄れ行く意識の中、最後に叫び思った言葉であり、それ以降どうなったのかは分からない……。
ただ助けに来てくれたのがおっさんでないのは確実らしい。
携帯で久々で書いたんで……。
大丈夫かなあ……。