4話
「不敬罪じゃなくてよかった…」
「よかったですねガッチガチの食事会じゃなくて…バイキング形式じゃなかったら死んでますよこれ」
不敬罪覚悟でビクビクしながら食事会にやってきたわけだが今回はバイキング形式のようだった。他の国からも来ているので作法が違ったりするのでそれらを配慮したのだろう
「まぁ不敬罪の心配は無くなったから食べようか」
「ですね見た目豪華な割に薄味で塩の味しかしない料理を早く食べましょう」
「実際そうだけど小声で言ってね…!それこそ不敬罪だから…!」
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「…へぇー」
「なんふぇすは?」
「食べてから喋りなさい」
薄味とか塩味とか言った割に食べてるな…
「で、なんですか?」
「ほら」
「ほえ?」
俺の目線の先には獣人と人間と楽しげに会話している普通では有り得ない光景があった
「…王族って獣人のこと家畜呼ばわりしてませんでしたっけ」
「…まぁなんにせよ仲良くなったのはいい事だ」
「確か戦争一歩手前でしたよね?」
「戦争にならなくてよかっ「この野郎ッ!!」」
轟音と共に見覚えのある顔が目の前を通り過ぎる。というかあれ国王だ
「…」
「あの…マスター…」
リーナが国王が通りすぎた逆の方を指さす。嫌だ見たくない
「あの野郎ッ!!ふざけやがってッ!!」
…国王に怒声を浴びせるなぞ死刑もんだな
「あの…あれって…獣人の国の国王じゃ…」
リーナがボソッと呟く
「よし…帰るか!」
「そうですね!帰りましょう!」
ここにいたら絶対巻き込まれる…!
「出口はど「オラァ!!」ぶべらっ!?」
この野郎!国王投げやがった!
「マスター!これもう完全に大乱闘になってますけど!!」
だろうな!
「い、いってぇ…」
俺は投げられた国王を問い詰めた。
「いや最近は互いに良好な関係を築いてきたんだ。だがそれでも国民達が納得しないことがあってな」
確かに国としての関係は良くてもそれをよく思わない連中もいるだろう
「だから国王同士で決着をつけることにした」
馬鹿かコイツ
「しょうがないだろ!長々と説明しても聞きやしねぇし!だったらもう手っ取り早い方法しかないだろ!だから儂は悪くねぇ!」
このジジイ…!開き直りやがった…!
「それに関しては後で聞くとしてなんでこんな騒ぎになったんだ?」
このクソジジイもこんなところで決着をつけようなんてさすがに思わないだろう。だから他になにかあったのだろうと思ったが
「いや儂があいつのケツ触ったらブチ切れられた」
全部コイツのせいだった
主人公は割と国に貢献しているので国王とは仲がいいです。国王とは。