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Twin knives  作者: 呑み気
8/8

外出

書き直す 必要性を感じています。

この世界には 誰が付けたか名前があるらしい。


不滅地獄(イモータル・ヘル


表示したメニュー欄には この世界への注釈が書かれていた。


※死なない

※食べない

※飲まない

※寝ない

※分からない

※消えない

※忘れない

※治らない

※老けない

※壊れない

※戻らない

※取れない

※疲れない

※終わらない


こんな事がズラーッと書かれている。

その文字の羅列の後に…


不滅地獄(イモータル・ヘル)からの脱出は 人智を超えることを意味する。


文章が書かれていた。

どの様に この世界が生まれたかは不明だが、人智を超える…また、戻った時に人智を超えるのかは わからないが 希望はありそうだ。


それから 3ヶ月…

僕は 阿鼻叫喚であるこの世界で 生きてきた…


地獄絵図は 恐怖の対象になるものだが、実際自分がそこにいるとなると 選択肢としては 受け入れるしかなかった。


2週間前に知り合ったカシワギさんは 属にいうゲームオーバーだ。痛みは残る…地獄に等しい。


実は ゲームオーバー者は 結構いるのだ。しかし、全員を助ける余裕は 僕には ない。というより、ゲームオーバー者の治療をつい最近出来るようになったばかりだった。


2週間かけて、治療のための遠征…

そして、帰ってくると レイムがいた。


カシワギさんの治療を終えてから この世界の大まかな事柄についてを説明した。でも 百聞は一見にしかず…実際に 見せることにした。



僕は メニューを表示したまま 『アイテム』を選択し、長剣(サーベル)を取り出す。


「いい?死なないっと言っても 痛みは無くなるわけで無いから…」


と 言いながら右手に持っているサーベルで、自分の手首を切り落とす。

レイムは 少々悲鳴を上げるが、真剣に話をしている僕に対し、目は逸らさなかった。

僕は 左手を失ったことで 呼吸が荒くなるが、会話までの影響は 出なかった。


「ハァハァ、ゲームには HPが あるでしょ?でも 死なないから 関係はしない。ハァ、で、こんなふうに 痛みで気を取られて、再起不能になるリスクが 高まるのが代償…」


サーベルを戻し、左手を拾い上げる。勿論、腕からは 大量に血がこぼれ落ちている。

左手を腕に戻し、治療(キュア)をかける。

左手と腕は くっ付いた。


「それで今のが 魔法。習得方法は いろいろあって 便利だから後で 身につけるとして…」


そのまま 僕は 自分の血で汚した床を 修繕(リパイアー)をかけて、床を綺麗にする。


「ちょっと外出しようか?」


僕の提案の元、そのまま一同は 扉の外に出る。扉に施錠(ロック)をかけて、光弾(フラッシュ)を使う。端が見えない廊下に立つ。


「カシワギさんは わかると思うけど、ダンジョンは この1本通路だけ!部屋が左右に位置するぐらいしか取り柄がない!」


何もなさすぎて 圧巻したほどだった。最初に外に出てみたのは 転移した初日のことであったが、果てなく見えるその廊下を見て、探索を諦めたのだ。


レイムも少し苦悶の表情である。何せ 何処までも続いている道と扉しかないのだから…

カシワギさんも10年間動けなかったので、僕が拾ってから2回目の外出である。


3カ月間は 大体 この周りにある大量の扉の片付けから始めていた。僕のゲームスタイルは そういう抜け目のなさを売りにしている。とあるモンスターRPGでは 村人達など全員に話しかけるようなことをしているし、アイテムを全て拾うようにしている。


扉のの中を一個一個を確認していくことは 苦ではなかった。ただ 面倒臭いとかそういう類が なければの話になっているが…


「じゃぁ、レイム。カシワギさんはどうして生首状態だったのか分かる?」


レイムは また質問されて、回答を思考する。


「誰かに殺られたんじゃないんですか?」


レイムは答える。普通の答えはこんな感じだろう。問題は 誰が殺ったのか…


見せた方が早いと考えた僕は また魔法を使うことにした。


「召喚」


召喚魔法であるが、少し不便な魔法である。元々は、ただ好きなものを召喚するだけだったのだが、魔法の威力が上がっているので…


「出たな…」


現れたのは かなり色が白い女性だった。ただし、彼女ならは相当なパワーを放っている。召喚魔法の威力が上がっているのが影響して、有り余った魔力が被験者に注がれてしまう。その結果…


「ヒュッッ」


その女性が猛烈な勢いで攻撃してきた。

レイムは 急な出来事により、一歩たじろぐ。

僕は 長剣は しまってしまったので、自分が呼んだ来訪者を素手で対峙する。


「ゲームメニューが 乏しすぎるからね、レベルとかわかんないよ。」


話す程度の余裕はある。

隙をついて 回し蹴りを決め込んだ。勢いが 強く、女性の首が外れる。


「へへ…」


女性は 折れた首はお構い無しと言わんばかりに また襲いかかってくる。僕は 1回身を引くが 彼女の機転は速く すぐさま方向転換してきた。


「僵尸って知ってるよね?」


「えっ?何ですか?」


僕の戦闘を見て唖然としていたのか、間が抜けている返事が 返ってきた。


「またの名を キョンシー」


敵からの攻撃は 殺傷能力が高く、パンチ1本で壁をも破壊する。それが、矢継ぎ早にと撃たれる。だが、それは 彼女だけではない。


破裂(クラップ)


パぁんん


頭上から大きな破裂音が聞こえた。

レイム達は その音源の方に目がいってしまう。敵である彼女もそうだ。首が動かないのか 体ごとむけてしまっているか。しかし、音の元凶である僕は 違う行動をとる。たった一つの動作の違いで勝敗は分かれる。


床を蹴り、一気に距離を縮める。

打撃技は 魔力を使わない… 結構便利な戦闘方法だ。さっきから 魔法ばっか使っている人が言えることではないが…


彼女が 振り向き直した時には 間合いは10センチにも満たなかった。


「覇ッッ!」


僕が 狙ったのは 鳩尾(みぞおち)。人間では急所に分類される。威力により、彼女の胸には穴が空いた。僕の手は 彼女を貫通している。

そのまま 彼女は崩れ落ちた。どうやら 倒せたらしい。


再起不能にしたことを確認し、話の続きを始める。


僵尸(キョンシー)…まぁ 言い方変えればゾンビだ。」


ホントは 細かい設定とかされているが 僕の結論は ある程度固まっていた。


「僕ら 自殺スポットから転移しただろ。 で何か 自殺した人達が 敵になってる。色んな妖怪とかの類になって。」


カシワギさんは 確か別の妖怪だったはず。キョンシーでは あんな切り口は出来ない。


「さて、帰る方法探すか」


ヤル気が出てきた僕と裏腹に レイムは 唖然とした感じだった。

いつかは 使い回しに するだろう…

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