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Twin knives  作者: 呑み気
7/8

Already inside

真面目に 何も 起こらない…

なんかを コメントして欲しいのが 本音です。

先輩…


やっと安心出来るものが見えて 力が抜ける。

先輩が 部屋の中央に 向かっていったので 私もそれに ついていく。


「久しぶりだね。ちょっと待っててね」


先輩は そう言うと 指を鳴らした。

それと同時に 部屋の中の明度が 一気に明るくなる。


部屋が 一望できるようになった。

ただ 私にとってそれは さっき見た生首との対面を 指していた。さらに 扉の向かい側にある壁の方には 首なしの死体が 横になってた。


先輩は 生首を 持ちあげ、首なしの体に持っていく。先輩が 何処からか出したであろう薬みたいなのを 切り口のところにかけ、接合させた。ついでに 先輩の手は 片手は首を抑え、もう一方は なにやら空を仰いでいた。


首が 接合してから 切り口のところが淡い赤色に光った。そして しばらくすると切り口が 何もなくなった。


私に見えるのは 生首でなく、先輩と 壁に腰掛けていて 血塗(ちまみ)れである 青年との ツーショットだった。


「あ、あ〜。う゛う゛ん」


生き返ったであろう その男の人は 壁に持たれかけながら 声を出した。結構低音な声である。


「どうですか?」


先輩が その 青年に向かっていった。


「問題ない。切られる前と同じだ。」


青年は ついでに 感謝の言葉も述べて 私の方を向いた。


「お前が ニノマエが 言ってたレイムか。」


どうやら 私のことを 知っているらしい。

続けて 先輩が 説明に入った。


「この人は (カシワギ)さんって 言って、少し前に知り合った。」


先輩と 別々に なったのは 昨日なのに 何か色々凄いことになってそうだ。


「さっき見ての通りに 生首だったけど、今、人に戻ったとこです。」


どうも 先輩の言うところによると、カシワギさんは 結構前から 生首状態になってたらしく、人と話すのは かなり久しぶりなんだという。


そういえば 私のことを知っているのだったら、最初 生首の時に 私に話しかけてくれれば良かったのにと思う。まぁ、その時に 私が驚くかどうかは別として。


「生首だったからね、肺とつながってないから 声が出せなかったんだよ。」


先輩は 少し 気を使うように言った。

ついでに 私は どうして 生首で 生きていられたのかどうかを聞いてみることにした。


「ちょっと 話が長くなるよね。わかりやすく言うなら… レイムに 質問を返すようだけど、カシワギさんと 僕は いつ知り合ったと思う?」


突然の質問に 私は 戸惑う。 選択肢からすると 昨日か今日しか無いはずなんだが。


「答えは 2週間前…どう?僕の言いたいことが分かる?」


私が 長い間 気絶していた事なのか、若干混乱した。


「ついでに 僕が ここに来たのは 3ヶ月以上も前の話だよ。」


しかし、かなり ひっちゃかめっちゃかな 話になってしまった。

私は 先輩から 2つ質問された。

一つは いつ転移したか? もう一つは 先輩の ことを覚えていたか?


「僕がいろいろ知っているのは 情報を集めたからで、信憑性は あまりわかってない。間違えかもしれないし、全て正しいのかもしれない。」


先輩は 払い除けるような手の動かし方をすると さっきまで作っていた血溜まりが なくなった。そして、カシワギさんの首が乗っていた机を持ち出して 椅子を取り出し座った。カシワギさんも それに習う。私も座った。


「誰かが書いた日記があったんだよ。持ち主が わかんないで、その代わりに その人の気づいたことが書き込まれていた。多分 2年分ぐらいだと思う。で?レイムは いつ転移したの?」


先輩が 質問を もう一回聞いてきた。


「先輩が 転移した 次の日の筈です。そのまま寝落ちして 時間感覚曖昧でしたけど。」


起きたら 夕方だったのは 内緒にしておく。


「実は ここは現実(リアル)とは時間の流れが違うみたいで、こっちの方が 100倍速いらしいんだよ。レイムが1日経ってこっちに来たんなら ここで 僕は100日過ごしていることになる。」


先輩は 続けた。


「そして、ここでは 死ぬことがない。一応物理的には。あとは 転移すると 色々現実に 不具合が生じるらしい。記憶が なくなったり、人が 消えたり。」


話が 掴めてきた。でも これは 突飛すぎる。

私は 聞きたかったことを 聞いてみる。


「先輩…ここは どこですか?」


先輩は 確信を持っているかどうかが 分からないように 答えた。


「えーと 多分ホラゲーの世界じゃないかな?明確には書かれてなかったけど。」


私の聞いてきた話では そんな要素は感じられなかったけど、先輩が そう思うならそうなんだろう。


「日記を 書いた人は 表に出ていなかったようだったから、だからゲーム要素が 感じられなかったんだろうね。あと、言い忘れてたけど、ここは 寝ることも 飲食の必要がないよ。あと 怪我したら 自然治癒が 見込めない。怪我は 治療薬とかじゃないと 回復できない。」


なるほど、確かに ゲームらしい…私も そう思う。まだ 色々知らなきゃいけないことがありそうだ。


「カシワギさんは ここでいう十年前に首を刈られたんだって。」


「十年間も 首がないと 痛みも慣れるものだったな。」


なかなか 凄いことをおっしゃる。

ここで 私は 少し疑問に思った。


「カシワギさんは いつからここにいるんですか?」


「刈られた時と同じ十年前だ。歳は 33。こっちでは 老化も成長も止まるから、実際は 23の見た目をしている。」


なるほど…


「じゃあ、話が大体終わったところで、レイムは これつけてよ。」


先輩は プラスチックの入れ物を取り出す。

中を見ると コンタクトレンズが入っていた。


「何ですかこれ?」


「コンタクト型ステータス」


そう 先輩が答えた。


「本当は 転移先にすぐ置いてあるものだけど、薄暗くて 蹴飛ばしちゃったんだろうね、部屋の隅に落ちてた。」


私は 先輩から コンタクトレンズを 受け取ると 少し それを見た。 見た目は 普通のコンタクトレンズだけど。とりあえず 付けた。コンタクトは 初めてだったが、結構簡単に出来た。


「じゃあ、手を こうやって。」


先輩は タッチパネルを 下から上へ スクロールする様な 手の動きをした。

私も真似てやってみる。


すると、目の前にゲームでいうメニュー画面が 表示された。急に現れるので 少々びっくりする。


「メニューが 出たっしょ?これから 必須になるよ。」


そう言われても…


---------------------------------------------------------

アイテム

魔法

ステータス

死ぬ

詳細

---------------------------------------------------------

これしか メニューの 項目に ない…


「何ですか?この死ぬって?」


明らかに 今までに見たことない 項目だ。


「このゲームは 何か クリアすると 特典付きで 現実に戻れるらしいけど、嫌になったら 死ぬことが出来るんだって。」


詳細っていう項目に書いてあったと 先輩が いう。確かに 物理的には 死ねないけど、死ぬという逃げ道があるのは 少しは 優しいのだと思う。


「メニューさえ表示されれば あとは念じれば操作できるんだけど、さっき 手を使ってメニューを表示したでしょ?」


先輩が問いかけてきた。

そうですが?っと 答える。


「もしも カシワギさん みたいな状態になったら 誰かから助けてもらえるまで 死ぬことが出来ないわけだ。」


いやらしい…… なんか 最悪の事態の回避ができると思ったけど、結果は そうなんだ…


「だから 僕は 単独での行動は 止めた方がいいと思って、この部屋に転移してから 1週間ぐらい 留まっていたけど、レイムが全然来ないから、周りをちょこちょこ調べたってわけ。」


現実への 影響で 僕の事を忘れちゃったのかと心配になったっと 先輩は 笑っていた。


「それで 探索している時に カシワギさんに あって、体と 薬を都合しに 行ったんだんだよ。その間は 意思疎通で会話してて、いや、正直 思ってたより 低い声だなっと。」


先輩は カシワギさんを見て 笑ってた。

意思疎通…

先輩が さっきから 超能力的な ことをしているのを 実際に 私は見てた。 滴っていたはずの血を 消したり、クラップで 電気をつけたりと…


この世界では 当たり前なんだろう…

今のところ 未知数なのは 先輩だ…

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