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インセクトマスター  作者: 天野げる
1章 死にたくないからダンジョンを創る
8/26

ダンジョン解放


 

 

 『おはようございます。ダンジョン解放まであと0日……って言うか今日じゃん!正確には後10秒!10…9…8…7…』


 ようやくか…ダンジョンが解放されたらなにか機能とか増えるかな?…おっともう解放されるみたいだ。


『3…2…1…0!現時点をもってダンジョンが解放されました!ワー!パチパチパチ』


《ダンジョンが解放されたことにより、システムに【モニター】が追加されました》


 使ってみるか。ダンジョンが解放された瞬間に冒険者が押し寄せてくることも無いだろうし時間はある。




「【モニター】」

 

 


 目の前にウィンドウが現れる。


「なるほど。テレビみたいな感じだな。どのアングルからでも見れるのも便利だ」


「へぇ!暗闇でも問題なく映像を写せるとは…」


 ウィンドウには、暗視ゴーグル越しにみたような映像が映っている。



『ん!なんか入って来たよ!』


 ダンジョン内ならどこでも音わ拾えるのは便利だな。俺もモニターで見てみよう。

 

 

 コボルトLv20が2匹に、ゴブリンLv25が3匹

 

 

 どうやら外の魔物は中に住み着く奴らより強いみたいだ。鹿を、最低限だが連携と呼べるレベルの動きで倒している。勝手に住み着いてる奴らでは、ひとたまりもないだろう。だが、俺の配下の魔物なら大丈夫だろう。



 兵隊アリの一匹がゴブリン達を見つけたようだ。

 

 すぐに引き返し、隊長アリに知らせにいく。


 

 ここが野生と召喚された魔物との違いだ。召喚された魔物の特徴として挙げられるものは、リポップできること、進化できること。それらに比べるとあまり目だだないが、俺としては一番と言ってもよいと思ってる違いがある。それは知能だ。ダンジョンマスターに召喚された魔物は、最低でも前世で言う所の犬程度の知能を備えている。高位の魔物になると、会話ができるようになる魔物もいるらしい。



 っと考えてる間に戦闘が終わっていたようだ。確かモニターの機能で…


 

 あった!過去ログ閲覧機能!これでさっきの戦闘をみてみよう。



 まずは一匹の黒いアリーーー兵隊アリだね。がゴブリン達の前に姿を現す。


 ゴブリンはコボルトに指示し、反対側に回らせる。要するにコボルトとゴブリンで兵隊アリを囲んだということだ。


 そして一斉に飛びかかろうとするがガサッーーーガサガサッという音に警戒し、辺りを見回す。そして二十匹程の黒いアリと、それを率いる二匹の赤く大きいアリに囲まれていることに気づいた時にはもう手遅れだ。二つの赤に率いられた大量の黒がまるで大きな波のように押し寄せる。大群が通った後に生存している魔物は居なかった。


 

 

 野生の魔物が囲むという判断ができるのに対し、俺のアリ達は囮を使うーーーつまり、より複雑な戦略を練ることができたのだ。囮を使わなくてもゴブリンだを倒すことはできただろうが、犠牲を出さずにというのは無理だっただろう。取りあえず雑魚なら一方的に倒せることが分かってよかった。



『ん!今の戦闘で280DP手に入ったよ!』



 DP: 636→916



 ゴブリンがコボルト連れてたから、ポイント的にはゴブリン一匹で60DP、コボルトが50DPの計算で合ってるかな?さあ次の獲物はいつ来るか。楽しみだ。









 




「………………………………………来ねぇ!来ねぇよ!!待ってる内にもうお昼だよ!!!」


 猪肉を火の魔術で加熱して、マンガ肉みたいな形に整えた肉をかじりながら叫ぶ。


「あーあ。こんな事なら剣術のスキル上げに素振りでもしときゃ良かった」


 植えていたきゅうりを引きちぎり、塩もかけずにかじりながらぼやく。


 

 

 

 もしかしたらこのダンジョンの入り口ができた辺りは人間が住んでいないのかもしれないな。少し残念だ………残念?ヒマすぎて思考がおかしくなっていたみたいだ。俺の目標である死なないように頑張る!からしても、人との接触は少ないほうがいいに決まってる。命を守るためにポイントを集めてたのに、いつの間にかポイントを集めることが優先されてた。やっぱ人って密室空間に長いこといると、おかしくなっちまうのかね?俺もう人じゃないけど。一度外に出てみるか。


 コウがダンジョンマスターの部屋から出ようとしたときーーー


『コウ!ダンジョンに敵が来たよ!人間!相手は人間だよ!』


 ダンジョンコアの知らせは本来ならば、不幸の知らせのはずだったが、コウは思わず笑みがこぼれるのだった。


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