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インセクトマスター  作者: 天野げる
1章 死にたくないからダンジョンを創る
2/26

コウは自分のダンジョンでランナウェイする

 

 取り敢えず衣食住から始めよう。


「食べ物ってどのくらいのポイントで買える?」


『乾パンが3DP弁当が5DPです。どちらも一食分となっております』


「じゃあ乾パン一つ。俺の部屋に井戸設置できないかな?」


『井戸は500DPで設置できます。また井戸には、鉄のバケツも付属してます』


「それもお願い。ああ、後俺が召喚した魔物のエサはどうしたらいいかな?」


『召喚された魔物はダンジョンに勝手に住み着いた魔物をエサにするので、放置しておいても問題ありません』


 魔物のエサを買わなくていいなら、だいぶ負担が軽くなる。畑でも耕そうかな。


「野菜を育てたいな。安いので何ポイントぐらいだ?」


『人参の苗が一畝分で10DPです』


「何か物を保存する手段はないか?」


『アイテムボックスと念じて下されば鮮度を落とさずに収納できるはずです』

「そういうのは先に教えとけよ」

思わず口に出してしまった。


『なにか文句でもありますか?』


 うわっコイツ開き直りやがった。



「まあいいや、スコップある?あ!あと安い剣も」


『スコップは5DPで剣は一番安いので銅の剣20DPがあります』


「それも購入」


DP:1230→692


 目の前に出てきた乾パンと人参の苗とスコップと銅の剣をアイテムボックスに入れる。まだまだ容量に余裕がある気がする。

 次は召喚した魔物でも見に行くか。どんな外見なのか気になるしな。


「俺召喚した魔物見てくるわ。お前どーすんの?」


『私は構造上歩き回ったりできませんが、ダンジョンの中なら、全ての音を拾うことができます。そして、コウ様には距離方位障害物関係なく言葉を届けることができます。これはダンジョンコアとダンジョンマスターが魂レベルでつながっているからできることです』


 それがあれば敵が入ってきたらすぐに分かるしそれを瞬時に伝えられる。なんでこういう重要なことを最初に言わないかね。


「じゃ!行ってくる」


『お気をつけて』




三階



「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


 青い空に膝ぐらいまである草原、遠くには森も見える。


「おいおい、ここって地下だろ!?なんで空がある!?ま、まあ取り敢えず上の階への階段を探そうか」

 あまりの事態にコウは思考を放棄し、先へ進むのだった。




一時間後


「いくら何でも広すぎんだろぉぉぉぉお!!!」

 また叫んでいるコウがそこにいた。


「何か探す手段を見つけないと…地図…ルート……コンパス把握千里眼【マップ】うおおっ!」


 手当たり次第に念じていると突如、目の前に半透明の地図のようなものが現れた。


「この矢印が俺か。ってことはこっちに行けばいいのか」


 しばらく歩いていると…

 

 

「あれ?この階魔物いねーな。そっか創りっぱなしで魔物召喚してなかったな…おーいダンジョンコア!聞こえるかぁー」


『そんなに大きい声を出さなくても聞こえますよ』


「そうか悪い。えーと大イナゴ×10と催涙カメムシ×8大イナゴは草原、催涙カメムシは森に召喚してくれ。あ、三階のね!」



 DP:692→522




「でけぇ!イナゴなのに俺と同じくらいでけぇよ!」


 そこには、成人男性が腕立て伏せをしているのより少し大きいくらいのイナゴがいた。


『なにか命令しておいたほうがいいですよ』


 命令か…

「外敵を駆除しろ」


 本来害虫であるはずのイナゴが人間を駆除する…なんか面白いな。




 催涙カメムシは近くの森にいた。

 横に1メートルくらいの大きさで縦は30センチないくらいの高さだ。周りの木が細くて掴まれないみたいだ。


「ダンジョンコアーなんかでっかい木ない?」


『催涙カメムシが全部掴まれるくらいの木となると…神木位しかありませんね。他に無いことは無いんですけど、世界樹とか現在のポイントでは入手できないものばかりです』


「神木は何ポイントで買えるの?」


『200DPになってます』


 どうしようか…正直厳しい!残り半分近くのポイントを使ってまで住みかをつくるべきか!?確かカメムシのエサは樹液だったはず肉食の奴もいたと思うけど魔物ってことは人間とかも食べるんだろうか?まあ何にせよ口がストロー状になってるから樹液も吸えるだろう!それに環境を整えれば繁殖するかもしれないし。


「購入する」



DP:522→322



 いきなり地面から大きな木が生えてきた。

 途端にその木に群がる催涙カメムシ達。一応命令しておこう。


「草原で戦う時は大イナゴに気を取られている相手を倒せ。森では気づかれないように複数で倒せ」

よし!これでいいだろう。再びマップを開いて…おっ!割と近くに階段があるな。よし!行くか!




 階段を登るとザ・ダンジョンって感じの階層に着いた。


「確かこの階には兵隊アリがいたはず…」


 階段を登りきると血だらけの剣を持った緑色で背丈は子供ぐらい鋭い目をした魔物ーーーゴブリンと目があった。




「しっ、失礼しましたぁ~」

 二三歩後ずさりしてから


「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」

 全力で階段を駆け下りた。

 

 





 あぁ死ぬかと思った。階段を駆け下りてゼェゼェいってる息を整える。心臓がバクバクとなっていないことに凄く違和感を感じる。


「ダンジョン…ハァコア…俺…ハァもう…帰るハァ…」


『あっそういえば、ダンジョンマスターとコアはダンジョンの中ならどこでも一瞬で移動できます』


「だからそういうのは先に言えよぉぉぉぉぉおおお……ケコッ……………」


 限界を超えて叫んだコウは地面に倒れるのだった。


《称号:限界を超える者を入手しました。それによりスキル『限界突破』を習得しました》



-------------------------------------------------------------

名前:コウ


職業:初心者ダンジョンマスター


称号:インセクトマスター 限界を超える者New!


DP:322


装備:無し



スキル


痛覚遮断(Lv3) 初速増加(Lv1)生物的嫌悪(Lv1)野生の勘(Lv1)限界突破(Lv1)



配下:兵隊アリ 大イナゴ 催涙カメムシ


 

 ダンジョン階層ごと魔物まとめ

 

 一階:大イナゴ、催涙カメムシ

 二階:兵隊アリ、催涙カメムシ

 三階:大イナゴ、催涙カメムシ

 四階:ダンジョンマスターの部屋

(一階と二階には支配下にない魔物や動物も住み着いている)

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