表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/60

シェイドコーヒー

 ゆずはらは、紅茶やティザン(ハーブ茶)を良く飲みます。受験勉強中にコーヒーを飲みすぎて、胃を壊した事がありまして。それ以来、コーヒーは何となく敬遠気味。


 飲まない訳ではありません。でもブラックは苦手になりました。高校時代、やたら濃いブラック飲んでた反動でしょうか。


 それはさておき。シェイドコーヒー。


 シェイド(日陰)で作られているコーヒーです。呼び方はいろいろありまして。シェイドツリーコーヒーとか、シェイドグロウンとか。意味は同じです。


「日陰で育てたコーヒー」


 何で日陰なんだ。と言いますと。


 現在、大半のコーヒーは、森を切り開いて作った畑で、プランテーション方式で作られています。大きい土地で、同じ種類の作物ばっかり作るアレです。中学、高校の社会の時間を思い出して下さい(←。


 農家の人が、生産量を上げようとすると、大きな木は切り倒して、太陽がたくさんあたるようにして、コーヒーの木ばっかり植えて、豆を作る。というのが、一番効率が良い訳です。


 しかし。そうすると、森が消えてゆく。


 どんどん大きな木が切り倒されて、畑に変わっちゃうわけです。しかも、同じ種類の木しか植えていないので。鳥や動物がそこに住む、という事もできません。畑だし。


 そこで考えられたのが、「大きな木の日陰にコーヒー植えたらどうかなあ」という発想でした。


 コーヒーは別に、日陰で育てても、味に問題はないんです。


 そうすると、森は消えない。森林破壊にならないんじゃないか、と。


 しかし、これには問題がありました。コーヒーを作っている農家の人々は、大抵、貧しい村の人々なのです。


 生産量が落ちれば、即、明日のごはんが手に入らなくなる。家族が飢え死にしかねない。そういう切実な所の人々がコーヒーを作っています。


 たくさん育ててたくさん売って、明日のごはんを心配しないで良い暮らしがしたい。


 そう考える農家の人々は、森を切り開いて、畑を作りたがります。そりゃそうだ。


 そこで、国が森林保護の観点からシェイドコーヒーを作るよう働きかけたり、企業がそのように指導したり、という動きが。今起こっています。


 しかし、なかなか定着しない。


 シェイドコーヒーを作っても、前より売れないと、即、生死に関わる。だから、農家の人が作りたがらないのです。


 そこで、私たちのできること。


「シェイドコーヒーで、ロマンを飲もう」


 生産量が少ない分、普通のコーヒーよりちょっぴり高めです。


 けれど、シェイドコーヒーを買う人が増えれば。農家の人も、「あ、コレ作ってた方が、もうかるじゃん。ごはん、食べていけるじゃん!」と思ってくれます。


 そうしてシェイドコーヒーを作る人が増えれば。百年後に森が一つ、できている。


 鳥が集い、動物が憩う、森が育っているのです。


 とにかく買え。というのではありません。懐にちょっと余裕のある時で良い。


 少し高めだけど、シェイドコーヒーを一杯。


 その一杯で、百年後の森に、苗木を一本贈っているのだと。今、ここにいる私が、百年後の世界の森を育てているのだと。


 ロマンを感じながら飲むのなら、……何となくお得な気分じゃないかな。



※ シェイドコーヒー(シェイドグロウン) 日陰で育てるコーヒー。機械を入れる事ができず、手摘みになってしまうので、割高になる。でも見方を変えると、人間がていねいに作業しているわけだから、品質の良いものが多いとも言える。この単語で検索してみると、良い点や問題点、企業や国の取り組みなど、いろいろヒットします。


※ シェイドコーヒーを出してくれる喫茶店もあります。豆を一袋買うのはちょっと……という人も、喫茶店で、ちょっと高めだけど、たまには一杯飲んでみるかあ。で、注文してみたらどうでしょう。ただし、できればその一回だけではなく、月に一度とか、給料が入ったら一度、とか。定期的に続けて飲んでもらえたら、農家の人の助けになりマス。


2009年 11月22日



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ