ペリーヌ物語
最近、カルピス名作劇場を少しずつ見ている。
アルプスの少女ハイジとか。ペリーヌ物語とか。
母が見たがるかと……まあ。
で、ペリーヌ物語をざーっと流し見していて思った。
「あ。これ。あ〜あああ、これか、これだったのか〜!」
意味不明。いや。
ペリーヌ物語は、「家なき子」を書いた作家、エクトール・マロの晩年の作品「アン・ファミーユ」(邦題、「家なき娘」)を原作として、
かなりな付け加えと大胆な解釈で、アレンジされたアニメ。
でも原作の雰囲気が壊れてない、すごい。
という作品。
個人的にも好きな作品でした。
インド系イギリス人の母親と、フランス人の父親の間に生まれた少女ペリーヌが、
両親を亡くした後、祖父を探すが、両親の結婚に反対していた祖父に名乗り出ることができず、偽名を使い、工場で働いて、
ひそかに祖父を案じながら、周囲からの信頼を勝ち得、最後に祖父と和解し、後継ぎになる…という内容。
発表当時、猛反発をくらいました。
工場で働く人々の、環境が劣悪である描写と、
工場主である祖父が、孫と知らないまま、貧しい女工として働いていたペリーヌから、もう少し、彼らの住まいをなんとかしてほしいと懇願され、
きちんとした寮や、保育所などを建設する描写があった為です。
今で言う、労働者の福利厚生みたいなことをやり始めた描写に、
当時、あちこちで工場を経営していた人々が猛反発。使用人が付け上がる、こんな作品出版するなと、ネガティブキャンペーンを繰り広げたという。
しかし現代まで、しっかり生き残りました。名作です。
それはさておき。
下宿の環境があまりにひどくて、ペリーヌが池のほとりの狩猟小屋で生活を始める部分があります。
小屋を掃除して、シダを床にしき、アシで靴を編み、
布地を買ってきて服を作り、
空き缶で鍋を、小枝を削ってスプーンやフォークを作成し、
スグリの実をつんでジャムを作り、魚を釣って料理をする。
それを見ていて、「ああ〜…!」と。
いわゆる森の中の魔女ライフ。なんですが。
「あれか。
永き夜の大陸のユーラの生活、
これから来てたのか〜!」
このイメージ。あ〜これだったんだ〜とひとりでワタワタしていました。おそるべし、子供のころに強烈な印象もらった名作。
なんかこう、自分の原点を見た気がした。ありがとう、エクトール・マロ。ありがとう、日本アニメーションと当時のアニメーターの皆さん。
私の作品とは、内容、全然違うんですがf^_^;
ペリーヌ物語を見ていたから、ユーラの生活のイメージが生まれたのは確かでしょう。
良い物は、時を越えても良いし、多くに影響を与えるものですね〜…。
あ。工場長(←小物の悪役)が変な悪巧みしてる。
2013年01月21日




