とんでもないことでございます。
「とんでもない」
思いがけない。意外である。冗談ではない。などといった意味ですが。滅相もない、という意味にも使うか。
これを使って、おそれ多いとか、気にしないで下さいとかいう意味の事を、自分を低くして言う場合。
「とんでもございません」
「とんでもないでございます」
「とんでもありません」
どれも間違い。わりと有名な誤用です。
正解は、
「とんでもないことでございます」
「とんでもない」が元々の言葉だから、「とんでもない」+「こと」で。自分を低くして、丁寧に言おうとしたら、「とんでもないことでございます」。もしくは、「とんでもないことです」。
かなり大げさな言い方なので、それこそ執事とかしか使わない。普通は、「お気になさらず」とか「大した事はありません」とかいう表現をする。だから逆に、執事の出てくる話で、この表現が出ると、「ああ、この作者、わかってらっしゃる」と思ってちょっとほっとする。
しかし。
「とんでもございません」を、正しい事にしよう。という動きが。
え~~~~~?
違和感あるよ、それ! 私はそう思いました。
でも世間では、「とんでもないことでございます」の方に違和感を抱く? らしい。そうなんですか?
うーん、と思いましたが、現在でも執事を養成する学校では、「とんでもないことでございます」の方を教えているはず。そう簡単には変わらないだろう、と思い直した。
そういうわけで、これからは、小説などで執事が出てきた時。
「とんでもございません」を使っているか。
「とんでもないことでございます」を使っているか。
注目してみて下さい。昔ながらの執事学校で育った執事は、「とんでもないことでございます」と言うはずです。たぶん。
2010年 06月06日
※本当にあります、執事を養成する学校。日本人女性で海外の執事学校を卒業された方がおられて、ブログ書いていたのを少し読みました。
体育会系……?
「かしこまりました」の一言しか許されないらしい。執事って。そうして耐え忍びながらしかし、耐え忍んでる所は決して見せてはならないプロフェッショナル。
ニンジャか。
体力も精神力もいるもんなあ……。いろいろファイトです、執事と、執事を目指す方々。




