初めての決闘
彼が特別詳しいのか、それともAクラスそのものが贔屓されているからか。
決闘する為の準備、それも場所を用意するなんて新入生が難しそうな事を、ラウッセルは驚く程スムーズに準備していった。
訓練場の一室ではなく小さいとはいえ棟そのものを借り切り、誰にも決闘を見られない様にした。
曰く『敵とは言え初日から敗北という風評被害に苛まれるのは可哀想だからな』という事らしい。
そして訓練場中央で丁寧にテープを張りながら距離を測り、フィールドの設立を行う。
『本来ならば倍は広いのだが……今回は十一メートル四方の近接決闘範囲で良いだろう。これはハンデではない。弱者への単なる施しだ』
『加えて俺は初等階級の魔法しか使わん。こちらは純粋なハンデだ。ただし貴様に対してではない。リュエル・スタークの様な特別や上級生でない限りそうすると予めて決めておいた』
『これでも尚俺に有利過ぎる。故に、一撃でも当てたら貴様の勝ちとする。これはハンデというだけでなくこれが野蛮な殺し合いや下らない喧嘩ではなく誇り高き決闘であるからだ。決闘の作法も知らぬ内はついついやり過ぎてしまう相手を殺してしまう。だから決闘の経験が薄いん場合はこの様に……』
懇切丁寧にルールを説明しながら石レンガを運び、観客席を作りと、自分だけでてきぱきと場を整えるラウッセル。
そう、彼は全ての準備を何故か自分だけで行っていた。
取り巻きの四人もまた見ているだけとなり、若干困惑していたというのに。
クリスはにこにこしながら、リュエルに「ね?」と得意げに言った。
「え?」
「彼、良いでしょ?」
「……そ、そう?」
「うん。出来なら仲間にしたいな。その位良いね、彼」
そう聞いたリュエルは最初こそどうでも良い事として受け流していたが、時間が経ってそれがとても大切な事であると気が付いた。
じーっと、何か良い汗掻いてるラウッセルを見て……気づいてしまったのだ。
自分は『仲間にして欲しい』と懇願した後に面接が始まり、割としょうがない感じでパーティー入りとなった。
正直間にアルハンブラが入ってなかった駄目だっただろう。
それに対し、ラウッセルは誰が見てもわかる程の険悪ムードなのにいきなりのスカウト。
つまり……あの貴族野郎にクリスきゅんからの好感度で負けているという事だ。
そんな悲しい事実に、リュエルは到達してしまっていた。
「……これは……負けられない……」
リュエルはぐっと、拳を握った。
「え、戦うの私だけど……」
決闘チャンスを取られると思い、ちょっとだけリュエルに対し不信な気持ちをクリスは向けた。
「さあ、準備は終わった。上がって来ると良い! 誇り高き決闘の作法をお見せしよう!」
今度は正しき実戦用の杖を持ち、先端を空に向けながらラウッセルは叫んだ。
事前に相手に向ける事はしない。
威嚇を行わないのは当然、事前に狙いを定める様な反則もしない。
正々堂々と戦う為に、武器を向けてはならない。
これは殺し合いではなく、誇りを競う決闘である。
故に始まりの合図まで決して攻撃しないという誓いがあった。
「うぃ!」
元気良く返事をして、コート内に入るクリス。
その姿は……。
「いや、貴様、何だ……その……何?」
どこをどう突っ込めば良いのかと困惑した様子で、ラウッセルはクリスの左手を凝視していた。
持っている剣はプラスチックっぽいちゃちな玩具。
しかも何故か手を包帯でぐるぐる巻きにして玩具を縛り付けていた。
「気にしないで」
「いや、気にしないって……もしかして、馬鹿にしてるのか? いや、そういう事か。一撃当てたら勝利と言ったからなりふり構わずに勝ちを狙う為そんな玩具を武器に選んだという事か。あらゆる手段を持ってという努力だけは認めよう。だが、あまりにも誇りがない。それは無粋が過ぎる」
「……違うの」
「うん?」
「これしか持てる武器……ないの。手が小さいから」
そう言って何も持っていない右手を見せる。
腕全体で見てもほとんどコッペパンに等しい形状。
その小さな手を考えたら、確かに既存の武器の持ち手は……。
「……失言だった。許せ」
本当に申し訳なさそうに、ラウッセルは呟いた。
ラウッセルがつい謝る位に、悲しい空気が決闘の場で広がっていた。
「うぃ。それと、こっちも一つ提案」
「何だ。詫びもある。多少は融通を利かせよう」
「こっちも一撃喰らったら負けという事にして欲しいの」
一瞬、無礼なと激昂しそうになる。
ラウッセルは自分がどれだけ有利な事をしているか自覚を持っている。
恵まれた家系、恵まれた環境、恵まれた能力。
その上で非魔法使いかつ非貴族相手に決闘という自分のフィールドでの戦闘。
さっきまでのハンデなどあってない様なものである。
その位圧倒的有利な状況にあった。
だというのに、その有利を捨てようとしている。
侮辱と捉えてさえ良い位の暴挙である。
それでも、その感情を表に出さない。
決闘の場に立つという事は、誇り高くあるという事。
その誇りが、理性を失う事を孤絶した。
「……訳を聞こう。正直、まだ俺の有利は覆っていないと思うのだが」
「うぃ。単純な理由。実戦を想定したなら、それが当然だから」
実践において近距離で魔法が直撃するという事はそのまま敗北を意味する。
そう想定する事はあながち間違いとは言えない。
少なくとも、どうしてそう考えたのかラウッセルが理解出来てる程度にはクリスの考えはわかりやすい物だった。
「……なるほど。理屈は理解した」
実戦を想定したら。
その発想はラウッセルにないものだった。
実戦は実戦、決闘は決闘、完全に別物である。
むしろ決闘は誇りを重視するという意味もありスポーツの方が近い位だ。
だが、決闘が戦いの側面を持っている事は否定出来ない事実である。
気高さを魅せる為己の力を示す。
であるならば、その理屈も間違いとは言い切れなかった。
「俺としては構わない。だが、それで良いのか? 俺はハンデがあって負けた位でごねる程恥知らずではない。遠慮なくもっと要求しても良いぞ」
「ううん。必要ない。それより、作法を教えて。私、決闘は初めてだから」
「これ以上は俺が無粋となるか。良かろう。己が武器を相手に向けずに持ったまま、互いに一礼。その後互いに見つめ合いゆっくり頭の中で五数えてからスタートだ」
「開始の合図とかないのん?」
「ない。決闘は正しさを証明する場でもある。姑息な事をする様ならそれ以前に決闘に相応しくない。とは言え……作法はあまり気にするな。決闘を知らぬ者に作法を強要する程俺は狭量ではない。好きに戦えば良い」
「うぃ! とりあえずぺこり」
あわせ、ラウッセルも丁寧に一礼をする。
伊達や酔狂で貴族を名乗っている訳ではなく、ラウッセルのお辞儀の作法は首が曲がらず体もブレずと非常に綺麗な物だった。
そしてゆっくりと杖をクリスに向け、ラウッセルは全く動き出そうとせずじっとクリスを見つけ続けた。
弱き者に先手を譲り、相手が動くまでは何もしない。
決闘の作法、つまり暗黙側のルールの一つであった。
誘っているのではなく、待ってくれている。
そう気づいたからクリスは即座に動いた。
普通の人の背丈なら数歩前に出たら剣が当たる距離という間合い。
それだけの距離だからこそ、剣士の最適解はまっすぐ突っ込むとなる。
――速い!
ラウッセルは想像以上の速度に少しだけ驚きを覚える。
並の狼と同じかそれ以上の敏捷性を感じた。
小さいから素早いだろうとは思っていたが、想像よりも遥かに速い。
それもただ早いだけではなく、踏み込みのタイミングや行動の省略可という目を誤認させる様な動作も混ぜ、こちらに動きを測らせない様な工夫もあった。
とは言え、それだけだが。
「だが、その程度予測済みでしかない! 『氷礫』!」
ぴったりと杖の先端はクリスの姿を捉え、ラウッセルの表面を塞ぐ壁の様に無数の氷の礫が射出された。
きゅっきゅっと足音をたてて急停止からの九十度方向転換での側面回避。
クリスに礫は当たらなかったが、代わりに距離が開いてしまう。
あと一歩で戦士の距離であったのに、もう魔法使いの距離となってしまった。
ラウッセルは最初から礫を当てるつもりがなかった為、礫の速度を半減させていた。
まぐれ当たりの勝ちを誇り高き決闘の終わりにはしたくないからだ。
決闘とは、互いの力と知恵をぶつけ合い、その末に導かれるもの。
相手との稀有な相互理解の場という側面もあった。
「これからは貴様を傍にも寄せぬ! 何かあるのなら早く出すが良い! 『氷槍』!」
大体一メートル程、クリスとほぼ同サイズの氷柱がクリスに襲い掛かった。
戦いには、セオリーという物が存在する。
勝つ為の方法、多くの経験と知識、歴史が生み出す限りなく必勝法に近い研鑽。
そういった歴史を、ラウッセルは強く受け継いでいる。
だけど、戦いと決闘は異なる物である。
決闘においてはわかりやすい必勝法の様な物は存在し得ない。
そしてもし必勝法とも呼べる者が存在したとしても、それは無粋の極みというレッテルが張られ、決闘において行わない事が暗黙の了解となるだろう。
自分の誇りも相手も誇りも汚す事を禁じ、戦う相手にも心からの敬意を払う。
それこそが決闘である。
そりゃあ、誇りを無視すれば勝つ方法など幾らでもあるだろう。
だが勝つ為に誇りを無視したその時点で、決闘を行うに相応しくない、『愚者に劣る誇りなき者』と成り果てる。
故に、決闘において一般的なセオリーは存在しない。
存在するのは、己の誇りを正しく理解し、それを戦いへと昇華し相手に押し通すという『己だけの気高き誇りを示す手段』位だろう。
つまり、誰かの真似ではなく己自身で『誇りある戦い』を見つける事が決闘における唯一のセオリーという事である。
そして、そのセオリーを若い身でありながら既に確立しているのがラウッセルであった。
ラウッセルの勝つ為の方針、その手段は非常にわかりかすい。
『相手に択を与える』
ノブレスオブリージュに乗っ取り相手に塩を送る……的な意味ではない。
もっと端的に言えば、相手を選択肢に縛る事がラウッセルの常套戦術である。
例えば、氷の槍が正面から来た時に、多くの人は左右のどちらかに回避しようと試みる。
他に選択があったとしても、わかりやすい回避手段を優先するのが人の性であるからだ。
この様に実際には無数の選択肢がある中で二択や三択しかないと思い込ませ、相手を縛り行動を狭め追い詰めていく。
つまるところ、チェスの様な発想である。
正方形の盤面で相手を追い込み、自分の有利を拡大させながらチェックメイトを狙っていく。
武力、魔力だけでなく戦術でも相手を追い込み完膚なきまでの敗北を与え、尚且つ互いの誇りを汚さない。
相手の長所を潰さず真っ向から受け止めた上で、総合的な勝利を目指し敗者の長所を褒め称え、双方の誇りを維持したまま終わりを迎える事。
そんな終わりをラウッセルは好んだ。
気高い事に拘るラウッセルの方針が如実に表れる戦術と言えるだろう。
襲い来る鋭い氷柱を左右に回避しながら、少しずつクリスは後退していく。
魔法使い相手に距離が開けていくのは不味い。
それは最初からわかっているのだが、前に出る事をラウッセルは絶対に許さなかった。
近寄りたいクリスと、近寄らせたくないラウッセル。
互いの目的が読み止めるなんて相互理解が行われているからこそラウッセルの戦法は成り立っていた。
クリスの事を雑魚だとは思っているが、それでも過度に侮る様な事はしない。
他の時はともかく、決闘という舞台で相手を侮辱する事は己の誇りを汚すのと同等の行為であった。
それに、想像よりもずっと粘っている。
既に氷槍は十発以上叩き込んだ。
それでも尚詰まずに回避出来ているのは、実力差を考えたら十分賞賛に値する。
戦術のせの字も知らない相手ならそんな事は出来ない。
つまりあの獣は見た目と異なり、十分戦い方を熟知しているという事であった。
「……先に言っておこう。初等級の魔法なら俺は一日千発でも打てる。故に、疲労狙いであるのなら無駄な行為だ」
「大丈夫。そんなつまらない事は考えてないから。そっちも、得意の火炎系使っても良いよ?」
「……は?」
ラウッセルの脳が、一瞬硬直反応を起こす。
その位衝撃的な発言であった。
あてずっぽう……と呼ぶにはあまりにも確信を持ちすぎている。
揺さぶりとさえも思えない。
つまり、事前に自分の事を知って……とも一瞬考えたがその可能性はあり得ない。
ラウッセルという存在を知っているにしては、魔界貴族に理解にあるにしては、あまりに決闘という物を知らなさすぎる。
だがすぐ考える事を止め、戦いに意識を向け直す。
わからない事に頭を悩ませた挙句無駄な負けを拾うなんて恥以外に表現出来ない。
そう、わかる訳がないのだ。
純粋に戦術レベルが違い過ぎるなんて事、その外見とその能力からわかる訳がなかった。
――なーるほーどねー。
一撃目の氷柱とその前のスローな氷の礫。
その二つでクリスは択絞りの戦術を把握した。
連撃が出来るだけの技量があるのにそうせず、むしろディレイをかけて単発で勝負するその在り方。
それは追い込む事に特化した戦術であった。
同時に相手を追い詰めるだけでなく、相手の行動に後からカウンター気味も対処するという意味も含まれる。
ターン製の様に相手の行動を見てから動くというのは相手に活躍の場を与えるという事。
その上で自分はそれに対処出来るという自負の現れである。
つまるところ、ラウッセルは本当の意味で気高いという事であった。
クリスはますます彼が気に入った。
――ただ、負けたくはないなぁ。せっかくの決闘だし……。
誰かと戦った事はある。
負けた事だってある。
だけど、正々堂々とした一対一の戦いで、尚且つ自分が負けそうななんて状況はこれまで経験した事ない。
クリスにとって今この機会は、これまでの人生に比例する位大切な物であった。
その位、彼は今まで本気を出す事が許されなかった。
繰り返し放たれる氷柱の数が五十を超え、地面がボコボコになり周囲の気温が冷え込む。
寒い時期の冷気はなかなかにしんどく、中の人たちではなくラウッセルの取り巻き達が寒さに身を縮めていた。
どうしてラウッセルが丁寧に自分で場を作ったのかリュエルや取り巻き達は理解出来た。
訓練室そのものへの被害が最小限にする為だった。
もしもラウッセルが事前に石レンガをフィールドとして設置していなければ、確実に床を張り替える事となっていただろう。
戦うの絵面自体は、本当に地味な物であった。
氷柱が一発襲い掛かり、それをもふもふが避けるだけの繰り返し作業。
だけど、同じ状況にはならない。
少しずつ距離は離れ、そしてついには……。
「ようやく壁際ぁ! ラウッセルさんの追い込みコンボの完成だぜぇ!」
震えながらの取り巻きの一言にリュエルは状況を理解する。
角に追い込み逃げ場を塞ぐ。
それがラウッセルの狙いだったようだ。
魔法使いが己の得意な距離を維持し、相手の逃げ道を塞ぎきった。
つまり、戦士にとってここから勝つ手段はない。
元々あんなプラスチックの玩具の剣なのだから勝てる道理もないのだが。
――負けて落ち込んでたら慰めてあげて、敵を取ろう。次は私がボコボコにしよう。
リュエルはぐっと手を握りそう心に誓った。
良いところを見せて自分の評価をあげようと。
そう……味方であるリュエルでさえここからのクリスの勝利は考えていない。
その位実力に格差があった。
それだけは、どうしても覆らない絶対の真実であった。
だからこそ、それは理不尽と呼ばれ続けた。
角に追い込まれたのにギブアップがない。
まだ負けたつもりはないのだと判断したラウッセルは、チェックメイトの宣言を行った。
「『氷槍』『氷槍』『氷槍』『氷岩』
ほぼラグなしの三連の氷柱は正面と左右から襲い掛かり、極めつけの真上からの氷の大岩。
殺すつもりはない。
だが、敗北に気付かぬ者に情けをかける程愚かでもなければ、勝ちを諦めぬ者を侮るつもりもなかった。
氷柱と岩に襲われるクリスをそれでもしっかりと見据えて……そして、ラウッセルはその行動に気付く。
クリスは氷柱で壊れ剥がれた石レンガ床を組み合わせ、小さな洞窟の様にして下に隠れていた。
幾ら丈夫な石レンガ製の床とは言えこの程度で防げる程ラウッセルの魔法は弱くない。
だが、その行為が無意味という訳ではなく、ラウッセルは悔しそうな顔でクリスを睨みつけていた。
チェックメイトと確信していた。
確信してしまった。
だから、安置に隠れたクリスの行動に悔しさを覚えていた。
氷柱全てと氷岩がクリスの隠れる前まで居た場所にて衝突し、砕け散る。
細かい氷が周囲に散り、霧の様になった。
光を集め輝く美しい霧。
その霧の中から小さな小石がラウッセル目掛けまっすぐ飛んで来た。
対して早くもないし当たって危ない程でもない。
そんな小石だと油断した瞬間、はっと我に帰る。
どれだけ弱くても、当たったら負けというルールである。
もし弱者の牙を馬鹿にして敗北するなんて事になれば、相手どころか決闘そのものへの侮辱となり自害する位の恥である。
だから、ラウッセルはその小石を命を賭けた渾身の矢と同等の物であると仮定した。
「『緑防』!」
緑色の半透明な障壁が正面に貼られ、飛んで来た小石を弾く。
その直後だった。
クリスが背後からその姿を現したのは。
「な!?」
油断した訳ではない。
霧の中からクリスは一度も姿を見せなかった。
ひと時も目を離していないから、未だ霧の中にいるはずである。
だが、クリスは突如として背後から出て来た。
正面に見据えていて、距離をとった相手が真後ろから出て来る。
それはワープでもない限りあり得ない事。
だから、ラウッセルにとってこの状況は完全に想定外な事であった。
故にその行動を避ける事など叶う訳がなく……。
「たー!」
間抜けな掛け声と共に、プラスチックの壊れかかった剣が、ラウッセルの肩にとんと当たった。
……。
…………。
……………………。
沈黙が、流れる。
友達が声をかける時に肩をとんと叩くよりも弱弱しい一撃。
それは、敵も味方も傷つける事なく、ただ静寂を生みだすだけだった。
「それは、……馬鹿にしてる……のか?」
おずおずと、不安げにラウッセルは尋ねる。
クリスは静かに、首を横に振った。
「ううん。全力」
「……そうか。……そうか…………」
全く痛くない肩に手を触れて、空を見上げる。
こんなのに負けたという事実が、こんなどうしようもない攻撃で敗北を迎えたという事が、激昂するタイミングも逆グレする気持ちも、何なら言い返す気力さえも彼から奪い取っていた。
ありがとうございました。




