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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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黄泉比良坂の人質

巳湖斗は自室でパソコンを閉じると

「やっぱり家族構成は個人情報だし」

と呟き、不意に立ち上がると2階の火無威の作業部屋へと向かった。


火無威にIZUMO精機の社長の家族の中に啓二という6歳の子供がいないかを調べられないかと聞いたのである。


火無威は少し考えると携帯を手に御手洗禊に電話を入れたのである。

「悪いな、調べてもらいたいことがある」

御手洗禊は直ぐに理解したらしく

「それで?誰の情報を調べて欲しいんだ」

出雲そば一杯で手を打つぞ

と告げた。


火無威は目を細めると

「出雲そばって…」

あーあ―2杯くらいは奢ってやる

と言い巳湖斗に渡した。


巳湖斗は苦笑しつつこれが2人の遣り取りなのだと理解しつつ

「すみません」

実はIZUMO精機の笹倉社長の親族家族の中で啓二という6歳の子供がいるかどうか

と告げた。


禊はメモを取りながら

「その子を見たという事だね」

と告げた。


巳湖斗は頷いて

「はい」

と答えた。


禊は「わかった」と答えた。


巳湖斗は「ありがとうございます」と言い携帯を火無威に渡した。

火無威は受け取ると

「悪いが頼む」

と告げた。


禊は笑むと

「ああ、大丈夫だ」

と答え通話を切った。


冬の寒い日である。

雪は積もりまだまだ春が遠いことをどんよりとした鉛色の空が知らせていた。


御手洗禊からの返答はやはりプロである。

意外なほど早くその日の夕食時に電話があった。


火無威はテーブルの上で着信を知らせる音楽を奏でる携帯を手に取り巳湖斗を見ながら

「悪いな、分ったのか?」

と聞いた。


巳湖斗はパクリと夕食である水炊きの白菜を食べながら

「御手洗さんだ」

と心で呟いた。


2人用の鍋を挟んで湯気の向こうにいる火無威が頷いては巳湖斗に視線を向けているのが分かり、その会話の長さから色々分かったのだと巳湖斗は理解した。


火無威は最後に

「わかった、すまなかったな」

と言うと携帯を切ってテーブルに置くと

「色々分かった」

と告げた。


巳湖斗は頷いて立ち上がると

「ちょっとメモとってくる」

と告げた。


火無威は巳湖斗が戻ると

「笹倉社長には息子が2人いて一人は先妻の子供で15歳の正一、そして、現在の妻の息子の啓二がいる」

と言い

「その啓二が現在6歳だそうだ」

と告げた。


巳湖斗はメモを取りながら

「じゃあ、俺が見たのは」

と告げた。


火無威はそれに静かに頷いた。

年齢と言い、名前と言い、間違いないと判断できる。


火無威は更に

「先も言ったが笹倉家の兄弟は異母兄弟という事と先妻の正子と笹倉家の当主である笹倉泰介は死別ではなく離縁で別れていて、言わば後妻の啓子は不倫関係の後に妻の座についたという事だ」

と告げた。


巳湖斗は考えながら

「という事は先妻とか長男とかそちらの人が…ってことも考えられるってことか」

と呟いた。


火無威は腕を組み

「一概には言えんが…可能性はゼロじゃない」

次男の啓二がいなくなれば笹倉泰介の遺産は長男1人に行くからな

と告げた。

「会社は家族経営で資産は土地などを含めて2億近くあるらしい」


巳湖斗は「2億」と言うと

「もうどれくらいか想像がつかない」

とぼやいた。

「でも本人が分かったから会いに行って害しようとするのを止めればいい手事だよな」


火無威は頷いて

「そうだな」

と答え

「だが、問題は…根底に遺産問題があると外部の人間は口を出せないから」

難しいところだ

と告げた。

「それに状況はそうだが、実際にその子が殺される理由がそうだと判明したわけじゃないから思い込みも注意だ」


巳湖斗は頷いて

「だよね」

と答え

「だから明日早速見に行くことにする」

取り敢えずは会社から

と告げた。

が、火無威は巳湖斗のメモを奪うとサラサラと住所と小学校名を書いた。

「ここが自宅で」

ここが啓二君の通う学校だ

「平坂のことを知っているからかなり詳しく調べてくれたみたいだな」


言外に気遣いはある。と告げた。


巳湖斗は笑顔で

「ありがとう、叔父さん」

と言い

「俺も今度御手洗さんが来た時は蕎麦代だすから」

と告げた。


火無威は笑って

「あー、気にするな」

アイツは別に蕎麦代をせしめに来るわけじゃない

と告げた。


そして、不意に

「ああ、それから」

前に黄泉比良坂のことを詳しく教えてくれた近松元治教授にこの前の話を伝えたら

「興味があるから近い内に詳しく聞きに来ると言っていた」

と告げた。


巳湖斗はそれに

「あ、ああ」

あの本の人

と告げた。


この平坂を黄泉比良坂の入口の方でだからこそ引き戻せるのではないかと言う仮説を立てた教授である。


火無威は頷いて

「有栖川さんについては恐らくちゃんと引き戻せたと思うが」

お前が倒れた時の気配についても

「神蔵家についてまだ分かっていない」

あの人の知識や考察力は必要になると思う

と告げた。


巳湖斗は頷いて

「確かに」

今回の満月の時は見たけど

「美玖ちゃんを引き戻す前だったし」

次の朔の時にも見れるかどうかは分からないし

と告げた。

「何故見れるのか」

見ていくことで何があるのか

「その辺りは全くだし」


火無威は頷いた。

「だから、報告をしながら力になってもらって行こうと思っている」


巳湖斗は頷いた。

「ありがとう、叔父さん」

俺も知りたいからちゃんと報告していく


翌日、巳湖斗は学校へ行くと武士と八重子に話をした。

が、その時に八重子から思わぬ話を聞いたのである。


高校の教室の一角に授業前に集まり彼女は唇を開いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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