黄泉比良坂の自殺志願者
留美子は戸惑い暫く沈黙を守ったものの意を決すると
「うん…そう」
ずっと深夜まで一生懸命仕事していたんだけど
「今朝になって凄く暗い顔をして『会社辞める』って『もうだめだ。死にたい』って」
と言い
「それから死にたいって顔を伏せて…お母さんは会社辞めたいって時は冗談かと思ってたみたいで『一生懸命頑張っていたんだから少しくらい嫌なことがあっても頑張って』って言っていたんだけど」
兄が『もうだめだ』とか『死にたい』とか言い始めたら直ぐに
「どうしたの?って理由を聞こうとしてそれでも言わないから、色々理由をつけて台所に兄をずっと引き留めてるの」
と告げた。
それを聞き巳湖斗は
「十中八九、今言っている会社がらみだと思うけど」
これまで鈴木さんのお兄さんに事件とか事故とか…そう言う過去はなかった?
「友達が亡くなったとか…」
と聞いた。
留美子は「えーんー、そう言うのはないと思う」と言い
「だって極々普通だったし兄の同級生で亡くなった子とかいないし」
兄は真面目だったし目立つタイプじゃなかったから暴走族とかそう言うの入ってなかった
「会社だって同期の人と凄く気が合って残業続きでも楽しいって言ってたわ」
と告げた。
巳湖斗は頷きながら
「その同期の人って名前分かる?」
と聞いた。
留美子は頷いて
「前に遊びに来たけど…氷室って人」
氷室ひろしさん
と告げた。
巳湖斗は「わかった」と言い
「鈴木さんはとにかくお兄さんを一人にしないようにしてて」
俺は原因を調べられるだけ調べてみる
「もし聞けそうな何があったか聞いてみて欲しいけど…無理に突っ込まないようにして」
と告げた。
留美子はそれに
「わかった、ありがとう」
と携帯を切った。
巳湖斗は八重子に携帯を返し
「会社へ行って氷室ひろしさんから話を聞こう」
と告げた。
武士と八重子は驚いて
「「ええ?!」」
と声を零した。
巳湖斗は2人を見ると
「もし自殺が理由で平坂に現れたのなら」
原因を取り除かないと本当に死ぬ
「それは止めないと」
と告げた。
「鈴木のお兄さんが死ぬのも嫌だし…彼女が死ぬのも止めたい」
武士はその言葉に少し笑みを浮かべ
「わかった」
と応え
「じゃあ、そのサイトにある所在地を印刷して移動しよう」
と言い
「あ、その前に手早く昼食」
腹が減っては戦は出来ぬだろ
「その間に会社の口コミとかサイトで調べられることを調べておく」
巳湖斗、悪いけど素麺頼む
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




