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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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黄泉比良坂の父親

何時か娘の美玖に会いたいのだ。

迎えに行きたいのだ。


幾ら金になると言えど、犯罪に手を染めては娘にもっと会うことが出来なくなる。

いや、主演女優賞を貰って頑張っている娘の足を引っ張ることになる。


だから、会社を辞めて犯罪に関わらないようにしたのである。


立ち尽くす有栖川優一に火無威は

「あ、俺は甥っ子の付き添いで」

と言い

「会社を辞められたのなら時間ありますよね」

少しお茶でも

と誘った。

「甥っ子がここへ来たのは貴方に会うためなので」


優一はそれに

「私に、会うため?」

と巳湖斗を見た。


巳湖斗は頷き

「はい」

と答えた。


優一は息を吐き出すと

「分かりました」

確かに時間が出来たので

と火無威の誘いに足を踏み出した。


ビルを出て御堂筋線の列車に乗り新大阪へ移動した。

駅ビルの中に食堂街があるからだ。


三人は昼前の人の少ないスパゲッティ屋に入ると奥の席に座った。

その後を追うようにカジュアルスーツを着た二人の男女が少し離れた場所に座ったのである。


巳湖斗はスパゲティーが来て、ウェイトレスが去っていくのを見計らって

「あの、美玖さんは3年ご両親に会っていないと言ってました」

俺がお父さんに会いたいかを聞いたら会いたいと言ってました

と言い

「その…どうして3年会っていないのかなどの経緯は聞けなくて」

差支え無ければ

と告げた。


優一はそれに息を吐き出し

「あの頃、美玖が売れっ子のアイドルになって妻も私も何処かおかしくなっていたんだと思います」

妻は高級な鞄や衣装などを買い漁り

「私は仕事を辞めて美玖の側でマネージャーがするようなことをするようになって」

と告げた。

「美玖のギャラでは到底足りない生活を送って気付けば借金まみれになっていたんです」


火無威は心の中で

「なるほど」

と呟いた。


優一は更に

「それで美玖のギャラをあげて欲しいという話になりましたがプロダクション側は…今考えれば当たり前ですが出来ないと」

それでいざこざになり

「最終的には借金を返済してもらう代わりに美玖とは会わないと約束させられました」

まあ当然と言えば当然で

と苦く笑い

「妻は稼ぎのない私に愛想をつかして一年も経たないうちに離婚して、私の元の会社の上司と結婚して今は二児の子供がいます」

妻とも離婚後は全く

と首を振った。

「私は大阪に移転して色々仕事をしながらプロダクションの方にお金を僅かずつですが返済を」

返し終えたら娘に会いに行こうと思っていて


巳湖斗は笑むと

「お父さんは美玖さんに会いたいんですね」

と告げた。


優一は微笑むと

「勿論です」

と答えた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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