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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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黄泉比良坂の父親

彼女の『会いたい』の文字を見た時に幼い頃の自分を思い出した。

愛されてない事は分かっていた。

なのに…片隅ででも愛されていると思いたかった。


肯定と否定と。

その狭間で座っていた自分に叔父が手を伸べてくれたのだ。


「一緒に住もうか」

優しく微笑んで自分を見てくれていた叔父が、その手が、自分には闇の中に垂らされた細いが強く輝く蜘蛛の糸だったのだ。


彼女にはその糸があるのだろうか?

ないのではないのだろうか?

そう考えたのである。


だが、今の問題は彼女の父親を救う事である。


巳湖斗は肩を動かして息を吐き出し気持ちを整えると

「取り敢えず、俺…彼女のお父さんに会う」

と告げた。


火無威は頷いて

「ああ、そうだな」

俺も一緒に行く

と告げた。

「これまでの傾向から事件がらみの可能性が高いからな」


巳湖斗は「ありがとう」と応え

「明日早速行く」

と告げた。

「けど」

叔父さん締め切り!

「無理しなくていいから」


火無威は腕を組んで

「まあ、ネームは終わったから仕上げは久しぶりにアシさん誰か頼むことにする」

穴川さんに声を掛けておくから問題ない

と告げた。


巳湖斗はう~んと唸りつつも

「わかった、ありがとう」

と答えた。


翌日、巳湖斗は武士にLINEでその事を伝えて、火無威と共に大阪へと向かった。

時間的には4時間とまだ東京よりは近い。

JRの特急で岡山まで出てそこから新幹線である。


早朝5時ごろに出ると9時ごろに到着する。


巳湖斗は列車の中で寝ながら新大阪に到着すると欠伸をしながら降り立った。

火無威も同じであった。


2人は新大阪からメトロ御堂筋線に乗り換えて新大阪の隣の駅の西中島南方で降りると住所の場所へと向かった。


駅の周辺にはホテルや商店街など店が御堂筋線と並走する道路に建ち並んでいるが、その奥に入ると団地や住宅街が広がっている。


その鄙びた団地の一角に有栖川優一…今をときめく有栖川美玖の父親が暮らしているのだ。


巳湖斗は住所を入れておいた携帯のナビを頼りに新大阪広域団地のF棟の3階…F3-2号室の前に立ち表札を見た。


『有栖川』となっている。

間違いないようである。


火無威は冷静に

「ここだな」

と呟いた。


巳湖斗は固唾を飲み込み、インターフォンを押した。

が、反応はない。


2、3度押して

「いないかも」

と呟いた。


そこへ階段を上って一人の女性が姿を見せた。

女性は意味ありげに二人を横目で見ながら隣の扉を開きかけた。


巳湖斗は慌てて

「あ、すみません」

有栖川さんを訪ねて来たんですが

「もしかして仕事かもしれないんですが、例えば仕事場所とか知ってらっしゃいますか?」

と尋ねた。


女性は少し考えながら

「そう言えば、高校生の子供がいるって言っていたけど…息子さん?」

と聞いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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