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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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黄泉比良坂の父親

武士はフムッと息を吐き出すと

「週刊誌の内容が本当ならそれがいいかもな」

プロダクション裏切るわけにもいかないし

「死活問題になるからなぁ」

と告げた。


巳湖斗は頷いて

「わかった」

と言いLINEを打った。

『昨日のことごめん。色々知らなかったから無理書いてごめんな。じゃあ、また連絡する』


それに返事が早かった。

『私の方がごめんなさい。本当は私お父さんにもお母さんにも3年間会ってないの』

『どこにいるかもわからなくて、どうしていいのか分からなくて、ごめんね』


巳湖斗はそれを見て少し考えた。

「有栖川さん自身は両親のことどう思ってるんだろ」


武士は「んー」と横から見ると

「…自分の将来食いつぶそうとしてる両親だったら嫌なんじゃないのか?」

けど両親だからなぁ

と呟いた。


巳湖斗はタブレットで授業の動画を流しながら下で携帯を置いて見つめ

『その、お父さんと会いたい?会いたくない?』

と打ち込んだ。


自分は確実に彼女の父親に会うことになる。

彼は死ぬ運命にある。

それを止めなければ彼女も死ぬ。


だから、その理由を探して彼女の父が死なないようにしなければならない。

その為に絶対に会わなければならないのだ。


美玖は撮影の休憩時間に椅子に座って携帯を見つめた。

「巳湖斗君って直球だよね」

そう小さく笑って震える手で打ち込んだ。


プロダクションには絶対に知られてはいけない。

本当の気持ち。


『会いたい』


会いたい。

会いたい。

ずっとずっと会いたかった。


「私、お父さんやお母さんにまだ愛されてるよね」

まだ…愛されてるんだよね


美玖は携帯に落ちた涙に気付くと直ぐに電源を切って涙を拭った。


巳湖斗は返事を見て静かに笑むと

「会わせてあげよう」

と小さく呟いた。


武士は巳湖斗を横目で一瞥し笑みを浮かべた。


その日の夜。

巳湖斗は家に帰ると火無威から一枚のメモを受け取った。


火無威は渡しながら

「穴川さんがエンタメの週刊誌に携わっている知り合いから得た情報だ」

と告げた。


「有栖川美玖の両親は3年前にプロダクションと揉めて彼女と会わない代わりに借金の返済をしてもらい、その一年後に離婚して母親は埼玉で新しい旦那との間に二児の子供をもうけて暮らしている」

父親の優一はそのメモの住所で仕事をしながら一人暮らしをしているそうだ

「大阪だ」


巳湖斗はそれを手に

「そうか…お母さんは再婚してるんだ」

と呟いた。


巳湖斗自身は父親も母親もそれぞれ再婚して自分のことは気にもかけていない。

つまり最初から愛されていなかったのだ。


火無威は巳湖斗を心配そうに見た。

「巳湖斗」


巳湖斗は呼びかけに顔を向け笑顔を見せると

「俺は大丈夫」

叔父さんがいたから

「すっごく救われた」

と告げた。

そして、紙を見つめたまま

「…彼女はどうなんだろ」

と呟いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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