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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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25/96

黄泉比良坂の同期生

今日は少しドキドキしながらメイクをしてもらった。


有栖川美玖は鏡に向かって笑みを浮かべすぅと息を吸い込むと吐き出した。

メイクをしていた桜庭かおりはそれにクスクス笑って

「珍しいわね、美玖ちゃんが緊張しているの」

と告げた。


美玖が中学に上がった頃からの付き合いである一寸した仕草で分かるようである。


美玖は少し焦りながら

「ん、その…映画祭だからかも」

と答えた。


かおりは笑いながら

「なるほどー」

でもちゃんと可愛くしているから安心して

と言い、彼女は

「でも3年参加しているけど今年ほど緊張しているのは見たことないなー」

と心で呟いていた。


美玖はスタッフが呼びに来ると

「じゃあ、行ってきます」

とかおりに言って部屋を出ると会場へと向かった。


昨日チケット渡したし来てくれるって言ってくれてたし…来てくれているよね。


彼女はハワワと

「日本語おかしくなってる」

と自分で突っ込みながらAゾーンのノミネートされた者が座る席に案内されて『午後の雨に』で共演した俳優や相手役の辰見政次に軽く会釈して座った。


辰見正次は彼女を見ると

「主演女優賞ノミネートおめでとう」

と笑みを浮かべて告げた。


美玖は笑顔で

「ありがとうございます」

辰見さんは助演男優賞ノミネートされているんですよね

「おめでとうございます」

と返した。


正次は頷いて小声で

「監督には大声で言えないけど…ダンクシュート!の方でだけどね」

と告げた。


それに横に座っていた監督の大友春光は咳払いをして

「聞こえているぞー辰見君」

と業とらしくチラリと見た。


美玖と正次は顔を見合わせると小さく笑って肩を竦めた。


美玖は前を向くと

「今日は、主演女優賞…取りたいなぁ」

誰かが来てくれていると思うと欲張りになるのかな

「少し見栄っ張りになってるのかも」

でもでも

とそっと祈るように両手を合わせた。


去年も。

一昨年も。

誰も来てくれていなかった。


だから、誰か喜ぶ人が取れば良いと思っていた。


だけど。

今年は少しだけ欲しいなぁと思ったのだ。


脚本賞。

音楽賞。

助演男優賞。

助演女優賞。

そして、主演男優賞。


美玖はスゥと息を吸い込み両手を膝の上で握りしめた。

「ダメもと、ダメもと」


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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