黄泉比良坂の詐欺師
まゆりは笑うと
「私が死ぬことに?」
騙される方が悪いんじゃない
「脇が甘いから騙されるのよ」
と吐き捨てた。
巳湖斗はそれに
「騙された方が悪い?」
何言ってるの?
「脇が甘くても」
人が優しくても
「甘ちゃんでも」
どんな理由や御託を並べても
「1000%騙した方が悪いに決まってるだろ」
あんたそんなことも分からないのか?
と告げた。
「騙す人間の常套句使ったってあんたの罪は軽くならないよ」
まゆりは笑いを消して顔を背けた。
刑事は敬礼すると初音と早川将司に
「後でお話を聞きにお伺いします」
と告げて立ち去った。
巳湖斗は将司を見ると
「…ごめんなさい」
と告げた。
「俺、どうしても彼女が殺されるのを止めないといけなかった」
だから
「貴方にとっては余計なことをしたかもしれない」
そう言って頭を下げた。
将司は拳を作って大きく息を吐き出し
「…いや」
というと
「今はショックを受けているし」
彼女のことを好きだったからどこかでやっぱり余計なことをと思っているかもしれないけど
「ここで立ち止まらせてくれたことは…きっと良かったんだと思う」
と告げた。
初音は泣きながら
「私の兄は強盗なんて事件を起こして…途中で事故で死んだんです」
貴方がそんな風にならなくて良かったと思います
と微笑んだ。
「あの人に騙されて不幸になる人は兄だけで十分」
貴方は本当に貴方を大切にしてお互い大切にしあえる人と幸せになってください
そう言って頭を下げた。
将司はそれに目を見開くと微笑んで
「ありがとう」
君のお兄さんは気の毒だったね
「君の言葉で頑張ってみようと思えた」
頑張ってみるよ
と頭を下げた。
夕暮れは早く過ぎ去り夜の幕が下り始めていた。
巳湖斗と火無威はホテルに戻りベッドに倒れ込んだ。
火無威は協力してくれた相手に電話を入れて
「警察を動かしたのお前だな」
悪かった
「助かった」
と告げた。
相手は笑いながら
「おお?素直だな」
と言い
「まあ、お前の役に立てて良かったよ」
出雲では美味いそばの店を紹介してくれ
と告げた。
火無威は頷いて
「わかった」
捜しておく
と答え
「その時に事情も話す」
と告げて切った。
巳湖斗はシャワーを浴びて火無威とホテルのレストランで夕食を食べると明日の映画祭を楽しみに眠りについた。
翌朝。
武士から電話があり巳湖斗は美玖と会った場所と同じ東京駅の銀の鈴待合所へと向かった。
火無威は穴川と共に黄泉比良坂の本を書いた教授の元へ出向き、巳湖斗と武士は映画祭へと向かったのである。
後日談になるが、早川将司は半年後に結婚をするのである。
相手は田村初音であった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




