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黄泉比良坂の名探偵  作者: 如月いさみ


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18/96

黄泉比良坂の詐欺師

食べ終わってドリンクを飲んでいる最中に巳湖斗はマンションの出口から見えた姿に

「彼女だ」

と告げた。


火無威は頷くと

「お前は彼女を追え」

支払いしたら追いかける

と告げた。


巳湖斗は頷いて彼女の後を追いかけた。


話しを聞くにしても

『貴方、詐欺をしてますか?』とか『名古屋で詐欺をしたと思っている人が命を狙ってます』とか『貴方は近いうちに死ぬ運命です』など全て言えることが出来ない内容である。


巳湖斗は溜息を零すと

「はぁ~」

どうする、俺

「けど、なんか坂で見たのと雰囲気違うよな」

と呟いた。


火無威は支払いを済ませて巳湖斗を追いかけた。

二人は取り敢えず女性の後を追いかけることにしたのである。

が、彼女は人通りの多い駅前へいき不意に東都銀行新宿支店前で立ち止まった。


巳湖斗はそれを見て

「中に入らないのかな?」

と呟き、出てきた一人の男性が袋を出すのを目に思わず携帯を取り出した。


その男性が彼女に袋を渡し、彼女はハンカチで涙を拭いながら受け取ると封筒の中から札の端を出して直ぐに鞄へと入れ頭を下げた。


火無威はそれを後ろから見ながら

「なるほどな」

現金を手で受け渡しか

と呟いた。

「入金なら足がつきやすいが…手渡しだと立証は難しい」


男性は恐縮した様子をしながら近くのレストランに二人で入ると食事を始めた。

巳湖斗も火無威も中へ入りそれぞれジュースと紅茶を頼んだ。


巳湖斗はジュースを飲みながら

「んー」

と呟いた。


火無威は不思議そうに

「どうした?」

と聞いた。


巳湖斗は女性を見ながら

「あのさ、住んでいる場所があれだけ凄いマンションなのに服がさ」

と告げた。

「なんか冴えないと言うか」

俺が坂で見た時は凄く派手な服着てた


火無威はじっと見ながら

「…確かに」

と告げた。


ブランド品らしいものはない。

服もそれなりに清潔感はあるが派手で目立った感じはない。


女性は食事を終えるとレストランを出たところで男性と分かれて元来た道を戻り始めた。


巳湖斗はハッとすると女性を一瞥し、携帯の録音アプリを立ち上げながら男性の元へと走った。


火無威は驚き

「巳湖斗」

と呼びかけた。


巳湖斗は男性が改札を潜ろうとしたところで

「あの、中川さんのお知り合いですか?」

と聞いた。


男性は振り返り

「え?」

君は?

「彼女と知り合い?」

と返した。


巳湖斗は頷いて

「はい、中川のお姉さんの知り合いです」

と言い

「先ほどお姉さんと銀行の前でお金を渡しているのを見て」

もしかして困っているのかなぁと思って

とドキドキしながら告げた。


火無威は足を止めるとそっと遠巻きに巳湖斗を見た。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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