6/18 20:27 『リープ謝罪会見会場』
ここはホテルの催事場の一室。※1(「※」については後書きで解説をしています。暇な人は読んでみてください)
入り口には「リープ謝罪会見会場」と書かれた紙が貼られていた。五十人ほどが入れそうな室内。正面には長机。その上にはマイクが置いてある。
長机と向かい合うように記者が所狭しと座って、リープの登場を待ち構えている。
記者A「リープはちゃんと来ますかな……」
記者B「来るだろ。一カ月以上更新ナシなんだぞ」
記者A「どの面下げて現れることやら……」
すると長机の端で待機していた全身黒で固めた司会者がおもむろにマイクを持ち立ち上がった。
司会者「これより、リープによります、謝罪会見を始めさせていただきます」
司会者の声と共に入り口に向かってカメラのフラッシュが集まる。
数秒後、神妙な面持ちのリープが入り口に現れた。
入り口で一礼をするリープ。カメラのシャッター音が鳴り響く。
リープの表情は硬く、ゆっくりとした歩みののち、長椅子の中央に進む。
記者たちと正対すると、リープは再び深々と頭を下げた後、マイクを手に取った。
リープ「この度はリープの謝罪会見にお集まりいただき、ありがとうございます」
記者A「いや、そんな挨拶はいんですよ。とっとと始めてください」
司会者「お静かにお願いします。まずはリープ本人から説明がございますので」
記者A「一体どんなご説明なんでしょうかねぇ……」
記者たちは睨みつけるようにリープに注目する。
リープは目をそらさずに、ゆっくりと話を始めた。
リープ「この度は、ひと言、お詫びをしたくて、この機会を設けさせていただきました」
記者A「(こっちは忙しい中集まってんだぞ)……」
リープ「多大なるご迷惑をかけ、批判の言葉もあると思います」
記者B「(文句しかねえよ。さぁ、言い訳を始めろよ)……」
リープ「まずは、内容を説明した上で、謝罪させてください」
小さく頭を下げたリープが顔を上げると、意を決したかのように話を続けた。
リープ「この度は……貴重な電話する機会にもかかわらず、ウマ娘の新作アニメの出来に納得がいかず、『ぼくのかんがえたうまむすめ』を1時間近くにわたり、話し続けたことを反省し、謝罪いたします」※2
記者A「は?」
リープ「は?」
記者B「いやいや、謝る内容、違うでしょ!」
リープ「は?」
記者B「はぁ!?」
司会者「リープさん。ちゃんとふざけないでお願いします」
リープ「確かに……そうかもしれません」
記者A「ほっ(安堵)」
リープ「僕はウマ娘のゲームをやったことないくせにアニメだけ見て判断したことを深く反省し……」
記者A「え?」
リープ「え?」
記者A「それもかなり悪いことですけど! 何回このやり取りするつもりですか!」
司会者「ちーがーうーだーろー! 違うだろ! って記者さんも怒っていますよ!」
リープ「僕はまだギリギリハゲてません!」
記者A「誰が古い女性議員ネタだとわかるんですか! もうちゃんとしてください!」※3
リープ「わかりました。確かに僕が電話で話している途中で『はぁ』とか『うーん』とか『もういいだろ……』っていう圧を感じていたにもかかわらず『ぼくのかんがえたうまむすめ』を披露してしまったんですよ。ちゃんと謝らないと!」※4
記者B「それは個人的にやってください」
リープ「誰に謝るの? Cygamesに? アヤベに?」※5
記者B「謝られたゲーム会社もポカンだわ!」
記者C「いやいや。ウマ娘ファンに謝ってくださいよ!」
記者A「話ややこしくしないでくれる?」
記者D「そうだーあやまれー」
記者E「あやまれー、あやまれー!」※6
記者A「増えるな、増えるな」
リープ「ガタガタ」
記者A「『震える』じゃなくて『増える』な なんだこのネタ!」※7
リープ「あの……本題からずれているような……」
記者A「お前がずらしたんだからね?」
リープ「わかりました。それでは本題に」
記者A「(やっとかよ……)」
リープ「では、まず第1話の展開ですが――」
記者A「まだやるの? ねぇ、まだやるの?」
記者B「さっさと連載休んだことを謝ってくださいよ!」
リープ「連載? ……連載なんて……誰がやっても同じや……グスン」
記者B「は? 急に泣き出し――」
リープ「れぇんさいなんて……ヒック、誰がぁぁやってもぉぉぉー、ウウウッ、同じやぁ、同じや思てぇぇぇーー!」
記者B「ちょっ――」
リープ「離れぇぇやすいぃぃぃっ! ヒィッッフゥゥゥ! 戻りやすいぃぃぃウワアアァァァン! ハァァァンッ! ウグッ! ウグゥゥゥゥ! アァァァン、世の中にィィィ……したいんでずよぉぉぉぉおおおおお!」
記者A「さっきからやってるネタが古いんだよなぁ。今更野々村議員ネタやられても……」
リープ「世の中をォォォォ! アーハァツ、アハッツ、面白くゥゥゥしたあアァァァァァい!」※8
記者B「泣きマネはいいからさっさと謝ってよ!」
リープ「やばい……この空気感……ヤバい……」
司会者「リープさん、リープさん。……謝っちゃお! 父さん、謝るの年季が入ってるから。かぼちゃも持ってくし」
リープ「父さん……誠意って何かね」
記者A「お前が言うなよ。ってか、北の国からって。ネタがどんどん古くなっているぞ!」※9
リープ「別に誰にでもわかるネタを目指してやってねえし。したり顔で『これじゃあ若い子にはネタわかりませんよww』とか頼んでもねえアドバイスという名の『お気持ち表明』言ってくる馬鹿が増えて困るよ。『皆にわかってもらいたい!』とか一言も言ってねえのによー……って、要するにそう言いたいんでしょ、記者さん達は!」※10
記者A「なんでこっちのせい? こっちのせいにしてさらっと毒を吐くなよ」
リープ「吐かせてくださいよぉ。吐かなきゃやってられねえんですよ。大将、もう一杯。ヒック」
司会者(大将)「もう。後一杯だけだよ。はい、熱燗」
記者A「いや、そういうコントはもういいから謝ってください。そろそろ終わらせてください」
司会者「(このたびは……)ボソボソッ」
リープ「……こ、この度は」
司会者「(誠に)ボソッ」
リープ「ま、誠に……」
司会者「(申し訳ござい)ボソボソッ」
リープ「申し訳ござい……」
記者A「いや、ささやき女将! 古っ! 好きだけど古っ!」※11
記者B「おい、あの司会者……よく見たら、サボローだろ!」
司会者「はっ!?」
記者A「あのやる気出そうとしている人に絡んでくるアイツか!」
サボロー「リープさん、そろそろ……」
記者B「ああ。だって、黒ずくめの体に『サボロー』って書いてあるじゃん。あれ、絶対サボローだよ!」※12
リープ「えー。ずっと、フザけていたいよ~」
記者A「リープとサボローが仕掛けた会見だったのかよ!」
記者B「ふざけんな!」
サボロー「はい、これで記者会見を終らせます! スタッフ~、ニューヨークエンディングお願いします!」※13
サボローが叫んだ瞬間、リープの背後から爆発が起こる。
辺りは、あえんびえん。もとい、阿鼻叫喚。※14
会場は粉々に。
やがて煙が収まり、瓦礫から姿をみせた人影。
瓦礫から記者Aが顔を出した。
記者A「いや、もうムリ~!」※15
劇 終 ※16
※1
昔はよく記者会ネタを当時のHPの日記や、なろうでの雑談連載で書いていた。
久しぶりに書いてみたが、すごく楽しかった。ずっと記者会見を書いていたい。
……うそ。あんまり書きたくない。楽しいけど。だってこの記者会見と解説部分書くのに2週間ぐらいかかってるんだよ。つまり、2週間前には連載を再開させることができたってこと。楽しいけど毎回は難しい。昔はこれぐらいなら一瞬で書けてたのにブランクって怖い。
ちなみにこのやり方は小説「偶然の聖地」宮内悠介から採用してます。
※2
GWに3話が更新されたタイミングで1話から鑑賞(全4話)したが、展開にまったく納得いかず、「ぼくのかんがえたうまむすめ」の簡単なプロットまでその日の勢いで書いてしまった。お陰でGW中はそれ以外は全くやる気が起きなかった。(なにこの言い訳)
※3
豊田元議員ってあれだけのインパクトと怖いイメージにも関わらず、しれっとコメンテーターとしてテレビ出演してるところをみると、芸能界の得体の知れなさが感じられる。(懐の深さともいえなくもない)ちなみに僕はまだ完全にはハゲてはいない。
※4
いつもなら大体聞き役に回ることが多いのだけど、この日ばかりはこのネタを話したくて早口で話続け、見事なオタクムーブを繰り広げた。相手にとってはいい迷惑である。ただ困惑していただろう。しかし、オタクの早口は聞いている側とって「お、おう……」ってなることが多いのは、なぁぜなぁ~ぜ?(クソみたいなTickTokerムーブ)
※5
アヤベとはニューヨークにいた又吉の相方ではない。アドマイヤベガのことである。
※6
これはオードリーの漫才中に春日がお客さんの声として囃し立てるシーンの再現である。(誰にも伝わらない)
※7
特に誰のネタでもない。急に書きたくなったから「ガタガタ」って書いてみた。
※8
伝説級の記者会見だったので、この先も語られ続けられると思う。きっと「あの人は今」で定期的に取り扱われるんだろうなぁ。そして、記者会見の書き起こし全文はいつ読んでも爆笑してしまう。ちなみにこのくだりを書いている途中もリープは爆笑しながら書いてました。読んでる人はポカーンかもしれないけど。(そして野々村議員に真面目に怒っている人にとっては不謹慎なんだろうけど)
※9
「北の国から」は実はほとんど見ていない。なんだか見ている内に気恥ずかしくなってしまうのだ。ちなみに北の国からネタの殆どがナイナイのラジオから仕入れている。
※10
伊集院光の「深夜の馬鹿力」の「勝ち抜きカルタ合戦改」のコーナーでたまに読まれる、テーマに沿っているようでまったく沿っていないただただ悪口言っただけのネタが好きだったりする。これはそのオマージュ(?)である。こうやって急に毒づく展開大好き。
にしても、ときどき感想とかに散見するアドバイスにみせかけて単に逆張り発言に過ぎないクソアドバイスってなんなのだろう。エンタメにふって書けば「もっと登場人物の心の機微を……」とか書いたり、芸術作品よりに書けば「もっとわかりやすく書いた方がいいですよ」とか。大人向けに書けば「子供にもわかるように」、子供向けに書けば「もっと深堀して話し書けよ」とか。逆張りすればどうとでも書けるわな。しかも自分は大して頭働かせてない。逆張りしてるだけだから。楽でいいね。バランス取ってるつもりかもしれないが、読んで側からしたら「こいつ頭ちっとも使ってねえ表面だけの感想書いて『なにか言ったつもりになってるな』って筒抜けですよ。
……はっ。解説の欄なのに一回の更新分ぐらい書いてしまった!
嘘ですよ~、好きなように書いてくれればいいですよ~。(もう遅い)
※11
野々村議員ぐらい語り継がれそうな記者会見ネタである。マイクにめちゃめちゃ拾われている女将のささやき。この親子関係が垣間見えるし、女将の迂闊さにもちょっと笑っちゃう。(被害者の人がいるのは分かっているが)こういうのめちゃめちゃ好き。(分からない人は自分で調べてください)
※12
唐突に思えるサボローだが、実はちゃんと最初に司会者は全身黒で固めたと書いてある。叙述トリックである(違う)。僕が思う黒ずくめは、サボローとモジモジくんと名探偵コナンの犯人である。
※13
ニューヨークエンディングとはライムスター宇多丸さんが言っている、MVの締めに爆発シーンで終わる方法のことをさす。これは便利。
※14
「あえんびえん」はVtuberのさくらみこの言葉である。この人の言語センスは大好き。天然でもワザとでもどちらでもよい。
※15
ロバートのコントの終わりで山本がいう台詞。これがないとロバートのコントが終わった気がしない。
※16
香港映画とかの終わりに流れることが多い。なんか文字のサイズ感が変なのも好きだったりする。




