3/11 1:29 僕の教育係(後編)
ってことで後編です。
後輩逆ギレ事件があってから、少しずつ話をするようになった。
仕事のことは当然だけど、自然とプライベートの話もするようになった。
すると、邦楽ロック好きというところで共通点があることが分かった。
もちろん年代が違うので、好きなアーティストが違うのだけれど、僕自体は若い子ってどんなバンドを聴くんだろうと興味があったので、話を聞くことが多かった。
当時の後輩は月に一回はどこかのバンドのライブに行くようなタイプだったので、ライプの話を聞いては「へー」と関心していた。
当時の僕は全然ライブに行くことはなかった。音楽はCDで充分と思っていたからっていうのとライブはなんとなくハードルが高い気がしたから
だから、僕が年に少なくとも一回はライブへ行くようになったのは後輩のお陰ともいえる。
こうして少しずつ後輩にまつわる色々な話を聞くことになった。さらには後輩の後に入社してきたパートさんも含めて三人で聞くことが多くなった。(このパートさんも結構パンチの効いた人なんだけど、それはまたの機会に)
本当に後輩に関してはここで書けるようなネタがいくつもある。
いつか書く機会があれば書きたいなぁと思ってる。
例えばエピソードの一つとして、突然仕事ぶりが悪くなった後輩へ注意するために面談する機会を持ったところ、後輩が突然泣き出した。また逆ギレかなぁと思ったら……
「昨日、彼にフラれたんです~!」と言った時は『知らねえよ!』と思ったものの、そこからしばらく会議室で後輩の恋愛話を聞く羽目になったのは今ではいい思い出。聞きながら「なんだこの状況は」と思ったものです。
これ以来、パートさんと共に入社からの歴代彼氏の話を聞く羽目になってしまった。いや、本当になんだよと思ったものですよ。
他にも僕の同人活動に対して「なんでそんな趣味に夢中になってるかわからない」と言いながら、自分は写真を趣味としており、友達と一緒に写真展を開催していた。僕に写真を見せて「どうです?」とか言って感想を求めてきた。
やりとりを重ねていく内に後輩がずいぶんお調子者だということが分かってきた。入社当時のスンとした態度はなんなんだと今では思う。
他にも後輩の親が毒親っぽくて……とか、まだまだあるんですけど、ここには書ききれないので別の機会にでも書きたいと思います。
長々と書いてしまいましたが、後輩とは多分数々の後輩史上一番仲良くなったのではないかと思います。一回り離れた年齢差ではあったもの、なぜか気が合いました。(まぁ、それは僕が勝手に思っていることなんですけど)
そんな三人のチームが三年半前ぐらいに解散し、別部署へ配属に。
後輩とは同じ部署だけど、仕事内容は別々になり、ほとんど会話することもなくなったのですが、時々昼食を食べに行って話をする程度の付き合いになりました。
そして後輩は去年結婚、半年後にはおめでたの報告を受けました。
十年前から知ってる人間の人生の移り変わりを思うと、「なんだかすごいなぁ」と思ってしまいました。
少しだけ、ほんの少しだけ、置いて行かれたような寂しさもあったことは事実です。
産休の日程も決まり、仕事を引き継ぐことが決まってしばらくしてから、後輩が僕に書類の束といくつかのテキストファイルを僕にくれました。
そこには事細かに自分の仕事内容が項目別にマニュアル化してありました。
入社してきたときは、前職がアパレル系だったこともあり、事務仕事のノウハウがあまりわからず、四苦八苦していたのに、いつの間にか一人前の事務員になっていたのが驚いたと同時にいつの間にかこんなに成長してたんだなぁと親心みたいな気持ちになりました。
年明けからマニュアルを元に後輩からの引継ぎが始まり、今度は彼女が僕の教育係になりました。
まさか十年を経て立場が逆転するとは思わなかったけど、少なくとも僕よりは良い教育係だったと思います。
そして最終日。後輩が仕事終わったらラーメン食べたいと言ったので、連れて行くことに。
久しぶりに仕事以外の話を二時間ほど話して、後輩とはお別れということになりました。
もちろん最後に十年間の感謝は伝えました。
……と綺麗に終わったら良かったのですが、今でもたまに仕事でわからないことがあったら、ラインしているんですけど。(ダメじゃん)
そんなわけで、僕なりのけじめとして今回のお話を書いた次第です。
さて、明日からまた頑張りますか。
ってことで、今週はここまで。
では、明日から学校や仕事に勤しむ人も、(ゆっくり休日の人も)
次回更新まで、ぼちぼちと日常を頑張りましょう!
おつぼちでした~。