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3/11 0:08 僕の教育係(前編)

今回はフリー文章のコーナ―です。


年明けてから仕事の引継ぎをしていたってことは何度も書いてきたけど、ついに2月いっぱいで後輩が産休に入り、僕が正式に仕事を引き継いだ。


休みに入った後輩とは10年ぐらい一緒に働いていたことになる。

後輩が今の職場に配属された時、僕は彼女の教育係だった。

というか、彼女が面接に来た時も面接官の一人として参加していた。


印象はこれといってなく、なんとなく続けてくれそうだなあと感じた程度だった。

とはいえ、当時の僕にはそれが一番重要と考えていたので、採用には特に反対もしなかった。(僕は面接に参加しただけで決定権はないです)


当時僕が担当していた仕事は三人チームで行っていたんだけど、二人が産休きっかけで退職してしまってて、とにかく人員の補充が急務だった。

入社当時二十代前半の彼女と干支一回りぐらい違う僕だったので、多少コミュニケーションに不安はあったものの、面接からほどなくして彼女が配属された。


最初は特に仲良くなることもないけど、悪くなることもなく、過ごしていた。

仕事ぶりは、お世辞にもできるタイプではなかった。今まで何人かの教育係をしてきたけど、中の下といった感じだった。(偉そうなのはご勘弁を。教育係だったので)

会話と言っても「~~お願い」「はい」程度の会話。


雑談もたまにはするけど、おっさんの僕と話が合うはずもなく、「何言ってんだこのおっさんは」という視線を向けられたような気がしてた。(被害妄想。ちなみにセクハラ発言とかじゃなく、ジェネレーションギャップ的なことです)


とはいえ、仕事してたらいくつか壁にbぶつかることがあるわけで、彼女も例外ではなく、仕事を全体的に理解していないことによるミスが増えてきた。

さすがに周りから心配する声が聞こえてきたので、僕がミーティングする機会を設けた。


そんなつもりはなかったんだけど、どうして間違いが起こるかという説明をしているうちに、説教しているような形になってしまって、後輩は黙り込んでしまった。

「あっ、しまった」と僕自身思ったのだけど、時すでに遅し、彼女の目には涙が溜まっていた。


話は少しずれるけど、僕は彼女の教育係になる前には十人ほど担当したことがある。

実は皆、数か月から数年で辞めていった。これにはある程度理由があるんだけど、仕事に関する詳しい話になるため、割愛する。ただ、言えることはこの仕事を続けても将来的な発展性が乏しい仕事内容だったため、仕事を覚えたら、限界が見えて、辞めていくことが多かった。とくに男性はそういう見切りが早いので長くても1、2年と続かなかった。


さらには僕が上記の後輩のようにミーティングする機会を持っても、その場限りの軽い返事で流されることが多かった。(僕が舐められてたってこともあるでしょうが)


話は戻って。涙を溜めた後輩はしばらく僕の話を聞いていたけど、意を決したのか顔を上げて僕に言った。


「できないものは仕方ないじゃないですか! 私だって頑張ってるんですよ!」


おそらく後輩から初めて聞いた感情的な言葉だった。一聴するとただの逆ギレである。

だけど僕はその瞬間「これは本当に仕事を長く続けてくれるかもしれない」と思った。


前述したように今までの後輩たちの殆どが、やり過ごせばいいやって態度が透けて見える態度がだったから。


そこで初めて僕は後輩に「じゃあ、できるように方法を一緒に考えよう」と提案した。後輩は頷きながら「見捨てないでくださいよ……」と言った。僕は「するかよ!」とツッコミをいれた。

このことがあってから後輩が少し僕に心を開いてくれた気がした。(勘違いかもしれないけど)


続く。


あと一回ぐらい更新できそう! 多分。


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