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11/5 2:05 週ぼち連載会場はこちらです。

ここは、週ぼち市、週ぼち町にある、週ぼち市民会館。

入り口には「リープ週ぼち連載会場」と書いてある。

市民会館の大ホールにはまばらなお客さんが、スマホを見ながら開催を待っている。


ナレーション「まもなく『週末ぼちぼち頑張る人の連載』の連載が始まります」


会場の照明の明かりが落とされ、スマホの明かりが蛍のように光っている。


しばらくして、リープがステージの端から登場。

中央にある机とパソコンの前に座る。お客さんの視線が彼に集まる。

お客さんとパソコンのディスプレイ越しに対面したリープのカタカタとタイプ音だけが会場に響く。


リープ「はい、どーも。『週末ぼちぼち頑張る人の連載』始まりまーす」


文字がステージに設置された大きなプロジェクター画面に表示された。

無表情で見つめるお客さん。リープはパソコンの画面に向かってカタカタタイプする。


リープ「はい。ってことでね。今週も更新始めます」


リープ「今日も、のんびり見守ってくれる人、この時間だけでも一緒に執筆してくれる人も、ぼちぼち頑張っていきましょう!」


リープ、ちらっと画面越しにお客さんを見る。

意味なく頷くと再びタイプを始める。


リープ「さっそくですが、今週のリープのコーナーを……と言いたいところですけど」


するとリープはゆっくりと腕を横に広げ、さらに肘を上に曲げ、ゆっくりと手をキーボートまで伸ばした。

カタカタとタイプ音の後、画面に文字が映し出された。



リープ「今日はあんまり文章書きたくない」※1



リープ「歌いたい気分なんで、歌いまーす。セットリストは以下の通りです」


Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆/宝鐘マリン

もぐもぐYUMMY!/猫又おかゆ

人生リセットボタンぽちーw/沙花叉クロヱ

♯あくあ色ぱれっと/湊あくあ

みちづれ/星街すいせい

夜光通信/大神ミオ

ぺこらんだむぶれいん/兎田ぺこら

ぐるぐる@まわる@まわルーナ/姫森ルーナ


リープはマイクを持って歌おうとした。

すると客席から罵声が飛び込んでくる。


観客A「おっさんの選曲がキモい!」

観客B「野太い声で聴きたくない!」

観客C「猫又おかゆだったら、『カミサマ・ネコサマ』がいいです」


お客さんの声に舌打ちするリープ。

一旦マイクを置いて、カタカタとタイプをした。


リープ「それじゃあ、今日の連載分は全てホロライブについて皆と語りたいな」


観客A「興味ない! 違う文章書いてー!」

観客B「もうChat GPTに書かせれば?」

観客C「だったら今日のホロライブ大運動会2023がいいです」


リープはお客さんを見ずにカタカタとタイプした。


リープ「いや、大運動会より今日の船長の配信のヘラりぶりについて語ろう。リスナーがなにコメントしてもネガティブだったね。それを3時間オーバー。す、すごい……だけど、それが宝鐘マリンだもんなー。思わずずっと見ちゃったww」


観客A「中身のない会話、もう帰ります!」

観客B「Chat GPTの回答載せないなら帰る!」

観客C「ホ、ホ、ホ、ホロライブ大運動会語ってよ、今から。ホ、ホ、ホ、ホロライブ大運動会語ってよ、ねぇいいでしょ、ホロライブ大運動会語ってよ」※2


数人のお客さんは席を立ちあがった。

まばらだった客席がさらに寂しくなった。

リープは震えながらも、必死にタイプした。


リープ「たまには良いじゃん! たまに変なことしても、『今日は得したなぁ』って思ってくれてもいいじゃん! ライブ感ってこういうことなんですよ。生き物としての作者を楽しまなきゃ! 作者は文章書く機械じゃないですよ? それでもダメですか? わかりません! 教えてください!」


静まる客席。

リープは気持ちが伝わったと、ホッとしたのも束の間、再び客席からの声が届いた。


観客A「連載している者だったら、ちゃんと責任もって文章書いて欲しいです」

観客B「初めてこの連載を読む人もいるんですよ? 連載に触れるのも一生に一回かもしれない。歌ったり、ホロライブの話始めたりなんなんですか? 連載舐めてるの?」

観客D「●×さんは真摯にちゃんと連載してますよ? ●×さんはなろう魂の塊でした。まぁ、●×さんと比べるのが間違いなんでしょうけどww」

観客C「なんでさっきのセットリストに『ねねねねねねね!大爆走』が入ってないんですか? そもそも桃鈴家がまったく入ってないじゃないですか。舐めてるんですか? 舐めていいんですか? ぺろぺろ」※3


次々と席を立つお客さんにリープの顔面は蒼白に変わっていく。

ここまで大騒ぎになるとは……ちゃんと謝ろう。ここに来ている人たちは少なくともリープの連載を読みに来ているんだから。


リープは申し訳なさそうにタイプしだした。


リープ「ご心配をお掛けしました。調子に乗って文章書きたくないって言ってすいませんでした」


それでも無視してお客さんは会場を次々と去っていく。


リープ「以下、丁寧に謝罪文章書きます」


リープは深呼吸をする。

しばらく目をつむって神経を集中させていた。

そんなリープの姿をみて、お客さんの視線が少しずつ集まる。


やがて、ゆっくりと手を挙げて、リープは力強くタイプを始めた。





リープ「リープ、ですよーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」※4


カタカタカタカタ


リープ「リー! リープ! ですYO! リープ! リープ! ですYO!」


リープ「リープの!」

リープ「最近は!」

リープ「謝ることばっかーーーーーー!」


リープ「今日も!」

リープ「昨日も!」

リープ「おとといも!」

リープ「謝ることいっぱーーーーーーーーい!」


カタカタカタカタ


リープ「リープ、この前さぁ~、大きな電球替えようとしてさぁ~、ソケットに入れたんだけど全然入らなくて、電球をよく見たん・で・す・YOぉぉぉっ!」


リープ「そしたら~~~~~~~~」


リープ「SOぉぉぉぉっ! チョココロネだったんだよぉぉぉぉん!」


カタカタカタカタ


リープ「あーーーい! とぅぃぃぃぃまてぇぇぇぇんっっっ!!!」


口に手を当てのけぞるリープ。

余韻を楽しむかのようにしばらくそのままの態勢でいた。


カタカタカタカタ


リープ「リー! リープ! ですYO! リープ! リープ! ですYO!」


リープ「リープの!」

リープ「最近は!」

リープ「謝ることばっかーーーーーー!」


リープ「今日も!」

リープ「昨日も!」

リープ「おとといも!」

リープ「謝ることいっぱーーーーーーーーい!」


カタカタカタカタ


リープ「リープ、この前さぁ~、お昼におにぎり食べようと思って、食べたんだけど、全然米の味しなくて変だな~、おかしいな~って思ったら、チョココロネだったの。あぁ、だからかぁ~と思って、水飲もうとタンブラー持ったんん・で・す・YOぉぉぉっ!


リープ「そした~ら~~~~~~~」


カタカタカタカタ


リープ「SOぉぉぉぉっ! チョココロネだったんだよぉぉぉぉん!」


リープはカタカタとタイプした後、席から立ち上がり、右手を上に突き上げた。


静まり返る会場。


時は来た。


リープは左手でエンターキーを押すと。勢いよく口元に右手を当てた。


リープ「あーーーい! とぅぃぃぃぃまてぇぇぇぇんっっっ!!!」



お客さんは皆帰っていった。


そして、最後に謎が残った。

それは、「何故『ですよ。』ネタを2回繰り返したのか?」である。


おわり~!(爆発音)

※1

もちろん山崎まさよしさんの件なんですけど、特にこの件について意見するつもりはないですよ。ただ、僕が例えばエレカシのライブで宮本が「今日は歌いたくない、語りたい」と言っても「おおっww ラッキーww」って感じなんですけどね。とはいえ、そんな訓練されたお客さんだけじゃないでしょうし。ギターにマイク投げつけて会場をキンキンな雰囲気にして、そのままライブ続けられるよりましでしょうし。(実話)


※2

わかりにくいかもしれませんが、「けーたいみしてよ」である。

最近、耳に残ってしかたない。分からない人は検索してください。


※3

ちゃんと観客Cはホロライブの会話したがってますww


※4

もちろん「ですよ。」のネタである。「ですよ。」を知らないキッズはYOUTUBEで検索して見てほしい。

僕はですよ。の「チョココロネだったんだよぉぉぉぉん!」が好きです。ロバートの「いや、無理―っ!」ぐらい好き。(わからない比較対象)

そしてブレイクしてから十五年以上このネタ一本で臨むですよ。の肝の座り方が好きなのである。


ちなみに、歌いますって言って選んだ曲数は山崎まさよしと同じ8曲である。(だれも気付かないだろうから書いた)

っていうか、このネタ書くのに3時間以上かかっているのは内緒である。(書いてるじゃん)




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