表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/27

バケモノ


「いやーーーっ!!!こっちくるなーっ!!……っこのバケモノっ!!!私に近づくなっっっ!!!」



 岩に強く打ち付けられ死んでいる男性の傍で、泣いている女性にそう言われた。





 レイは、力持ちな修道者として知られ、荷物持ちとして引き入れられることが多かった。


 しかし、レイはなぜか能力の発動がランダムで、味方へ耐性弱化の祈りをしてしまったり、敵モンスターの傷を治癒してしまったりと、予測のつかない事態を引き起こすことでも有名だった。



 そんなレイを仲間にしてくれる人は少なかった。




「何でもします!どうか、仲間にしてください!」




「ね〜♡ダーリン♡」


「なんだ〜い♡ハニー♡」


「あの荷物係に全部持たせて、私たちは仲良く愛の冒険(デート)でもしな〜い♡」


「それは名案だね、ハニー♡」


「さっそく話してくるからダーリン♡ここで待っててね♡」


「ありがとうハニー♡頼んだよ〜♡」



「ねぇあんた、私たちの荷物持ちにさせてあげるわ。そのかわり、私たちの邪魔はしないでよね」




「あ、ありがとうございます!!」




「お待たせダーリン♡ちょっと離れるだけでも寂しかったよ〜♡」


「まったく♡可愛いやつめっ♡」




(よかった!やっと仲間にしてもらえた!今度こそは役に立たないとっ!)





 剣士と魔法使いのカップルに、修道者兼荷物持ちとして仲間にしてもらうことができた。


 ダンジョンに同行するレイは、大量の荷物も軽々と背負いながら2人の後についていた。




「見ててくれハニー♡モンスターなんて2人の愛の力で一瞬さっ♡」


「きゃーステキ♡ダーリンかっこいい〜♡」



(あの2人いつも楽しそうだな〜。2人とも強いし、私、本当に荷物持ちしかしてないや…何かできることないかなぁ…)



「おっと、見てくれハニー♡あんなところに小さなモンスターがいるよ♡」


「あら、随分弱そうね♡ダーリン♡」


「サクッと片付けて、愛の冒険(デート)を続けようか♡ハニー♡」



「キャン!キャンキャン!キャッ……」




 軽い一突きで小さなモンスターが横たわった。



 誇らしげな男性と嬉しそうに見つめる女性の奥で、大きな影が蠢いてるのをレイは見ていた。



(…も、もしかして、あのモンスターの母親…!?)





グォォギャャャーーー!!!!!





「危ないっ!!!」





 レイは振り下ろされる大きな爪から、男性を守ろうと必死に手を伸ばした。





 ぎりぎりで手が届いてほっとしたのも束の間、目を開けたレイは自分のしてしまったことを悟った。





 助けようと突き飛ばした男性は、とてつもない勢いで岩に叩きつけられたことが見て取れるほど、無惨な状態で死んでいた。




 その威力に恐れたモンスターは逃げていく。




「………あ…あの……」


「いやーーーっ!!!こっちくるなーっ!!……っこのバケモノっ!!!私に近づくなっっっ!!!」




 そう言葉を投げ捨てると、レイの前から去っていった。




(…まただ……なんで?………なんで私にこんな力があるの?……こんな力なんていらないのに………)






少しでもいいなと思いましたら、ブックマーク登録やレビュー、感想を是非よろしくお願いします!

筆者は大いに喜びます笑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ