共闘
パーティを組み、初めてのモンスター討伐へと向かった。
お互いにどのくらい戦えるかを見る目的で、初級の小型モンスターと戦った。
ーーークレアは知っていた。
アイリーの剣術や身のこなし、間合いの取り方、判断力、その一つ一つが洗練されていることを。
それでも、未だに躊躇いがあることも。
「アイリー、もう少しです!」
「…ふぅ……」
「ギャーー!!」
「……うっ‥………」
手が止まる。
「逃げられましたね」
「…ごめん…なさい……」
「仕方ありませんよ!」
「…」
「では次、私が戦いますね!」
「…はい……」
アイリーと交代でクレアがモンスターと戦った。
クレアの動きがぎこちなく、アイリーも少しヒヤヒヤしていた。
時間のかかる戦闘だったが、やっとの思いで倒し切る。
「ハァ…ハァ…ハァ……」
「お、お見事でした!」
「お世辞はいりません」
「うぅ…ごめんなさい…」
「戦士として戦ったのはまだ数回しかありません。少し前までは修道士でした。」
「そ、そうだったんですね!どうして戦士に?」
「それは、その……」
「む、無理にとは言いません!…いろいろありますよね……あはは…」
「………」
気まずい時間が流れたが、今後の戦い方をクレアが提案した。
「当分、私がとどめを刺します。アイリーがモンスターの体力を削り、それを私が援護する形でどうですか?」
「それだとありがたいです…」
「ですが、いつかは倒せるようになってくださいね?」
「うぅ…がんばりますぅ…」
(ちっちゃくなったアイリーかわいい!)
「…こほん。辛いかもしれませんが、しっかりサポートしますから!」
「ありがとう!クレアさん!」
その笑顔にキュンとしたのを、太ももをつねりながら必死に隠すクレアだった。
ーーーそして、2人で臨む初めての共闘
提案通り、アイリーがモンスターと交戦しながら、敵の攻撃にはクレアが対応する。
そして、弱ったところをクレアがとどめを刺す。
意外と呆気なく勝ってしまった2人での初戦。
顔を見合わせると自然と笑みが溢れていた。
時を同じくして、2人の少女はメンバーを探してギルドにいた。
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