再出発
(…きれいなひとだな……)
「…あのー……もしもしー」
「あっ、あ、すみません…私はアイリーといいます…」
「いきなり話しかけて申し訳ありません。実はパーティメンバーを探している最中なのですがなかなか見つからず。できれば剣士や魔法使いの方で、勇敢で強く、それでもって可愛らs……ごほん…頼もしい仲間を探しています。」
(…私…じゃないみたいだな…)
「そこでアイリーさん。私とパーティを組んでくださいませんか?」
「………へ?……」
突然の申し出に動揺が隠せなかった。
「無理にとは言いません」
「えっ、ま、待ってください!なぜ私なのですか?探している人とは全く違うと思うのですが…」
「?どこがですか?」
「ど、どこがって……」
真っ直ぐな視線はアイリーだけを見つめる。
「私はこれまで一度もモンスターを倒せたことがありません…。こんな私と組んでくれる方なんていませんでした……」
「正直、頼りになるとは感じておりません。しかし、見事な身のこなしや必死に戦う姿、決して折れないひたむきさに心を奪われました。」
「…」
「まだまだ危なっかしさはありますが、私が貴方の盾となりましょう。」
「……私なんかでいいのですか?」
「あなたがいいのです。私と組んでくれますか?」
ーーー自然と涙が溢れた。
しかし、悲しいからではない。
涙を拭い、自信のないくしゃくしゃな笑顔で返事をした。
「お願いします!」
その笑顔にときめいたことに気づかれまいと、顔を隠しながらクレアは片方の手を差し出す。
その手にアイリーは強く握り返した。
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