表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

記憶

たくさん読んでいただいてありがとうございます!

私事ですが、投稿頻度が落ちてしまいます。

それでも、最後まで書きたいとは思っていますので、気長にお待ちいただけると幸いです。

これからもぜひ読んでいってください!



 自分が両親を殺してしまったのか、それとも他に殺されたのか、アイリーは答えが出せず葛藤していた。



「アイリー、大丈夫ですか?まだ、顔色が優れませんね……。治療士さんたちはもう退院しても良いと仰っていましたよ」


「だ、大丈夫だよ。心配かけてごめんね。今日には退院するよ……」


「……何か嫌なことでも思い出したのですか?」


「何も…ないよ……」


「…………"私のせいじゃない"……って言葉は……」


「………」


「話すと気が楽になるかも知れませんよ…」


「……」


「……」









 すると突然、クレアがあと数cmというところまで顔を近づけてきた。





 驚いて目を丸くするアイリー。







 髪と同様、淡く青みがかった綺麗な瞳がまっすぐとアイリーを見つめる。



 その瞳は今にも溢れそうな涙を懸命に堪えていた。








「私では力不足…でしょうか?少しでもアイリーのお役に立ちたいのです……」







 堪えきれず涙は頬を流れていた。






























 しばらくの沈黙ののち、アイリーは夢の内容を打ち明けた。








 両親を自らの手に掛けてしまったことと、他の誰かに既に殺されていたことの2つの夢について。



 それが原因でモンスターであっても倒すことが出来なかったこと。



 そして、どちらにも共通して"あの人"がいたこと。










「……そんなことが……で、でも夢の話ですよね?」


「…私も分からない………でも、確かにパパとママは私の目の前で………うぅっ……」


「………」


「自分でも何も分からないから……相談できなかったんです……」






 泣きじゃくっていたアイリーは、体が優しく包まれていくのを感じた。






「ごめんなさい!アイリー!なんて声を掛けてあげるのが良いのか私には分かりません。それでも……話してくれて…ありがとうございます」


「クレアさん…」


「今は私がいます。頼りないかもしれませんが、少しだけでも一緒に背負わせてはくれませんか?」


「…ど、どうしてそこまで……」


「私は自分の生まれた環境が気に入らず、全てから逃げて戦士になりました。しかし、アイリーは逃げずに、自分の運命と向き合おうとしている。」


「……」


「何が本当かはまだ分かりません。ただ、私は今のアイリーと一緒に居たいのです」



「…うぅ……」



「どうか、アイリーを支えさせてはもらえませんか?私はもう逃げません。どんなことが待っていても、アイリーと共に歩むことを約束します」




 いつしかクレアはいつもの凛とした表情に戻っていた。





 まだ答えが見つかったわけではない。それでもアイリーは少しだけ心が軽くなるのを感じた。





「も、もしかしたら……ギル兄に会えば何かわかるかも知れない…」


「ギル兄……ギル……その人の名前ってギルベルトさんですか?」


「そう…だったような…?」


「この前の女性がその人を探してるって言ってたじゃないですか!」


「ほんとだ!」


「その女性を探しに行きましょう!」


「うん!」




 二人ともだいぶ表情が明るくなった。


 そして、アイリーは診療所を退院していった。



少しでもいいなと思いましたら、ブックマーク登録やレビュー、感想を是非よろしくお願いします!

筆者は大いに喜びます笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ