現状
しかし、俺が幼い頃はここまでひどくなかった。
そもそも、アルカンシエル王国は世界で1番歴史のある国だ。
2000年程前は、アルカンシエル王国は大陸全土を支配する大国であった。
しかし、各地域で相次いで反乱が起こったことにより、次第に領地は縮小していってしまった。
今この世界にはアルカンシエル王国の他に13の国があるが(1つは国と呼んでいいか怪しいがな)、それらは全て、この国から独立した国々だ。
おかげでこの国は、今や大陸の小国にまで成り下がってしまった。
そこにさらに拍車をかける様に貧しくなったのは、ちょうど10年前。
先王である俺の父親が亡くなって、俺が即位した直後だ。
この問題は会議の度に1番時間をかけて審議している。まあ、様々な問題の原因のほぼ全てが貧困だし、これが解決しない限り事態は変わらないのは当然と言えば当然なんだがな。
もちろん審議だけでなく、今まで様々な策を実行してみた。税を下げたり、城の食物を分けたり、とにかく考え得ることは全てやった。
だがしかし、何も変わらなかった。むしろ年々悪化している気もする。
何かするから悪化するのだと思い、敢えて何もしないでいたこともある。しかし、それでも事態が変わることはなかった。
何がこの国をそうさせるのか分からないが、もはやどうにもならない。
無限の金を手に入れない限り、この国が元に戻ることはないのではないか?と思うほどに、この国には理屈ではどうにもならない何かがある(ような気がする)。