アン・コントロール教室 こくごのじかん
なろうラジオ大賞2第五弾。今回は甘くありませんので悪しからず。っていうかほぼコント台本です。ジャンルは問わないって言うから……(言い訳)。
ちょっとしたお茶受けにどうぞ。
さ、今日は『まったく〇〇ない』で例文を作ってみよう。
誰か思い付いた人……、はい早かった一ノ瀬君。
『待った、首が伸びない』
うーん、まったくは切らないで使って欲しかったな。あと、その例文、お化け屋敷でろくろ首が困ってる状況しか思い付かないんだけど、それ一般的に使えるかなぁ。
他には……、お、二宮君、どうぞ。
『まったくいつになったら私の気持ちに気づいてくれるの? もう、これじゃいつまで経っても好きって言えないじゃない』
長いね! そしてドラマの見過ぎだね! 例文は一文でまとめてみよう!
まったく〇〇ないという表現は、完全な否定に使われるんだ。そこを踏まえて誰か……、はい三田村さん。
『まったく生きる意味が見出せない』
そこ全否定しちゃったかぁ。重いね。ズシンとくるね。今からでも見つけられるよ。一緒に探そう、ね?
最後に誰か……、はい四万十川さん。
『まったく先生の話を聞く気が起きない』
正解だしちゃんと聞いてるのに、わざわざ毒を仕込むのはやめようね? 先生ちょっと泣きそうになるからね?
最後に先生から模範解答を出すね。
『まったく君達を好きになれる気がしない』
次の問題はこちら。『きっと〇〇だ』これの例文を作ってみよう。
出来た人……、相変わらず早いね、一ノ瀬君。
『これがなめこ栽培キットだ』
問題聞いてたかな? 『きっと』と『だ』の間にも言葉を入れるんだよ? ただキットと聞いて真っ先になめこ栽培キットが出てくる感性は、先生嫌いじゃない。
この『きっと』には未来や意思が現れる様に……、お、二宮君。
『その瞳にドキッとした瞬間、彼女との結婚を決めたんだ』
含まれている! 未来も意思も含まれているけども! ドラマ要素が過剰に含まれすぎているね! もっと現実的な例文を目指そう!
次は……、はい三田村さん。
『きっと来世では幸せになるんだ』
未来を目指すあまり現実を諦めないで! 来世の事を言うと悪魔も笑うよ! 今この人生で幸せになろう! いつ幸せになるの? 今でしょ!的な!
最後に……、はい四万十川さん。
『きっと先生は一生独身だ』
二重の意味で正解だね! 先生の左薬指はいつだってスッカスカだよ!
最後に先生から模範解答を出すよ!
『きっといつか君達を泣かせてやるんだ』
今日の授業はここまで! また明日!
読了ありがとうございました。
音読して欲しいという思いだけで、以前作った物をリメイクしてみました。小説かと言われると疑問ですが、以前に漫才コント大賞もあったそうだから多分セーフ(詭弁)。
次は小説に戻しますので、またよろしくお願いいたします。