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とある日のお茶会


晴れ渡る空の下で、世界の屈指の大国であるプレギー王国の城で、王妃様主催のお茶会が開かれていた。


このお茶会は、15歳の第一王子セドリック・プレギー様と14歳の第二王子ディーン・プレギー様の将来の婚約者の選定としての意味があるため、王子たちと同世代の国内にいる女性が集められた。皆自分の子どもと王子をお近づきにさせるために、親の気合いも高く、一段と盛大なお茶会になっている。


王子たちに見染められなくても、王子たちの側近もしくは友人にと、同世代の男性も集められているため、まだ婚約者のいない者たちの出会いの場にもなっている。


その中でも一段と目を引くのが、「妖精姫」とも呼ばれている、シャーロット・フローレンスである。


透き通るような真っ白の肌に、腰まで真っ直ぐ伸びた絹のように美しい銀色の髪。そして、アメジストをはめ込んだような紫色の瞳は美しく、まだ14歳だというのに洗練された美しさは、見る人全員を虜にした。


その上、魔力が高く、初めてシャーロットが出たお茶会の際に水の上を歩いたという噂が広まり、その姿が神秘的だったと多くの者たちが語ったため、自然に愛される美しい娘のことをいつしか「妖精姫」と呼ぶようになった。


正式な社交界デビューがまだにも関わらず、シャーロットの名前を知らないものは少ないほどだ。


シャーロットと同世代の少女たちが集まれば、必ずと言っていいほどシャーロットの話題になる。


「シャーロット様がいらっしゃるなら、ディーン王子のお相手は決まってるのも同然ね」

「でも、シャーロット様はホワード公爵のダニエル様との縁談があるって聞いたわよ」

「いいえ、モラレス公爵のエドワード様と許婚だとも聞いたわ」


お茶会のどこからともなく、シャーロットについての噂話が聞こえて来る。


「私、もう一つ噂をお聞きしましたわ。セドリック殿下に目をつけられて、無理やり婚約をさせられるっていう話。」

「まあ、見た目だけではなく、性格まで醜いだなんて。彼が王太子である限り、将来のプレギー王国が心配ですわ。」

「シャーロット様お可愛そうに。シャーロット様の分までディーン王子や公爵家の方々を私たちが幸せにしないといけませんわね。」

「そうですわね」

「そうですわよね」

「「「オーホッホッホ」」」


噂の絶えない社交界では、シャーロット様と2人の殿下の話題でもちきりである。


ディーン殿下は、第二王子であり、容姿端麗、王家特有の白金色の髪に母親譲りのエメラルドの瞳を持ち、華やかな容姿で舞う剣舞は美しく、剣術は騎士団長にも勝ると専らの噂である。


ディーン殿下の一つ年上のセドリック殿下は第一王子であり、王位継承権も当然第一位の王太子。当然王家特有の白金色の髪は、ディーンよりも短く、父親譲りのアクアマリンの瞳を持ち、魔力の高い王家でも随一の魔術師としても優秀だそうだ。ディーン殿下と同じく、王家特有の顔立ちではあるが、全ての長所をかき消すような巨大…ごほん。ふくよかな方のため、王家の直系の子どもとしては、やや醜い容姿となってしまっている。


この2人は、社交界で常に対比され、ディーン殿下は初めて剣舞を披露された場所が美しい花が咲き誇る庭園だったため、容姿の華やかさもかけて「華王子」と呼ばれ、一方でセドリック殿下はその演舞を見ながらずっと休めることなく食べ続けていたため、「豚王子」と囁かれている。







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