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コマのような人生

作者: 青咲りん

回る視界の中で

世界がどんどん過ぎて

知らないうちに変わって

見たことないが広がって


コマの上で回って

世界がどんどん回って

平らになって均されて

世界は水平線の向こうへ消えていく


物心ついてから二十年

糸はぐるぐる巻かれ始めて

休むことなく巻かされて

レールの上に従って


夜空に輝く星たちは

初めのうちは綺麗だった

目の回るようなスピードで

世界が動き出すまでは


何百回何千回

ぐるぐる糸が巻かれて

手の内で握り締められて

今か今かと待っている


緊張感が伝わって

掌いっぱいになって

あの頃のことが夢の

ように思い出されて


早かった

意外と

思ってたより早かった


二十年という歳月は

瞬きのうちに消えていく


さあ

掌からコマが放たれた

それまでの記憶が夢幻に

夢の終わり

過保護の終わり

社会という天板に叩きつけられて


自由になってサヨナラ

あなたはもう一人で

生きていけるだけの巻き数を

親から与えられているのだから


回る視界の中で

世界がどんどん過ぎて

知らないうちに変わって

見たことないが広がって


コマの上で回って

世界がどんどん回って

平らになって均されて

世界は水平線の向こうへ消えていく

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