4話 美少女とお買い物
放課後、駅ビルの中の時計ショップで、なぜか俺は美少女と並び立っていた。時計を見つめる彼女の綺麗な顔がガラスケースに映る。美人は3日で飽きると言うが、こいつの姿が美術館に飾られているのなら、確かに3日はその前から動く必要はないだろう。
顔だけじゃなく、スタイルまでいいなんて反則だ。胸だけは慎ましいけれど。
「あんた、なにか妙なこと考えてないでしょうね」
見透かすように彼女は詰め寄ってくる。
「いや、別にやましいことは考えてないぞ」
教室では気づかなかったが、彼女が近づくとたまらなくいい匂いがした。鼻を刺すような香水の匂いではない、もっと優しい匂いだった。
「それより気に入ったのはあったか」
今では同じモデルでも様々なカラーリングや材質のものが販売されている。中には女の子でも気に入りそうな色もたくさんあった。
しかし、篠原はそんなもの意に介さないように言う。
「あんたのとおんなじなのはどれ?」
「ああ、それだったらこれだな。復刻版だけど、デザインはほとんど変わらない」
黒いウレタンボディに、昔ながらの四角いモノクロ液晶、相変わらずの無骨なデザインだな、と自分でも呆れる。
しかし篠原は迷うことなくそれを買った。店員にプレゼント用ですか、と尋ねられ、違います、と淡泊に答えていた。
「今日は急に付き合わせて悪かったわね。コーヒーでも奢るわ」
彼女は俺を置いて先に同じ駅ビルのコーヒーショップに入って行った。仕方なく俺は彼女の背中を追いかける。
読んでいただきありがとうございます。
篠原さんが買った時計はDW5600E-1というものになります。高槻くんが持っている時計の復刻版ですね。
実は復刻版はもう一つ種類があって、DW5600E-1Vというモデルもあります。Vが付いているのは海外モデルになります。実はキアヌ・リーブスが付けていたモデルとはどちらも細かな違いがあります。個人的には、国内モデルのDW5600E-1の方がデザインが似ていると思ったので、こちらを選択しました。
もっとも、スピードモデルが海外モデルなので、DW5600E-1Vこそがスピードモデルの後継だという意見もあるかと思います。そこは好みでしょうね。
どちらもネットや量販店で定価より安く買えるのでおすすめです。難点は壊れないことですかね。新しい時計が欲しくてなっても、なかなか買い換えられません。
また、少々値段があがりますが、電波ソーラーのモデルやbluetooth接続でスマホと連携できるモデルなんかもあります。ぜひチェックしてみてください。
あとがきが短すぎる! 薀蓄なんて聞きたくない! といったご意見やご感想をお持ちしております。作品の参考にさせていただきます。ではまた次回で。